トレーニングワークを実践して幸せな子育てに
幸せは、ちょっとしたトレーニングをコツコツと続けることによって培うことができます。
前野さんは、本書の第4章においてさまざまなトレーニング&ワークを紹介していますが、
中学受験に挑戦する子を持つ親御さんには、特に、第3章「勉強編」においておすすめされている「マインドフルネストレーニング」「ポジティブになるワーク」「自己受容、自己肯定感アップトレーニング」「家族のためのハッピーワーク」なども試してみる価値があるでしょう。
中でも、「上を向いて歩く」「たくさん笑って、いつも笑顔でいる」「呼吸を意識する」「毎晩、眠る前に、今日あった良いことを3つ言う」「リセットアイテムを決める」「STOPネガティブワード」、自分にできること、自分の好きなこと、自分を応援してくれる人、自分の強みを書き出す「「I can/I like/I have/I am」ワーク」といった「ポジティブトレーニング」は、気軽に実践できる上、大きな効果を期待できます。
子どもの幸せのために自分ができることは何かを具体的に知りたい、実践したいという人は、ぜひ本書を手に取ってみてください。
きっと、子どもの幸せへの一筋の光明を見出すことができるでしょう。
『「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方』
前野 隆司著 ディスカヴァー・トゥエンティワン刊 1,500円+税
子育てに悩みはつきものです。
新聞やテレビでは、毎日のように、親が子どもに手をかけるという、痛ましい虐待のニュースも目にするようになりました。
子育てにストレスを感じている親が、持続的に幸せを感じられるようになるには――その答えの一つとなるのが、「幸福学」です。
「幸福学」とは、人間の幸福のメカニズムを、科学的な根拠に基づいて体系的に研究するもので、
ここ最近は、NHK「白熱教室」、「週刊朝日」などのメディアで取り上げられるなど、話題を呼んでいます。
この幸福学の研究では、「長続きする幸せ」には、次の「4つの因子」が大きく影響することがわかりました。
本書では、「幸福学」という学術的な見地から、親も子どもも永続的に幸せを感じられるような具体的な方法をお伝えします。
前野隆司(まえの・たかし) さん
1962年山口生まれ。広島育ち。84年東工大卒。86年東工大修士課程修了。キヤノン株式会社、カリフォルニア大学バークレー校客員研究員、慶應義塾大学理工学部教授、ハーバード大学客員教授等を経て、2008年より慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント(SDM)研究科教授。2011年より同研究科委員長兼任。2017年より慶應義塾大学ウェルビーイングリサーチセンター長兼任。
研究領域は、ヒューマンロボットインタラクション、ハプティックインタフェース、認知心理学・脳科学、心の哲学・倫理学から、地域活性化、イノベーション教育学、創造学、幸福学まで。主宰するヒューマンラボ(ヒューマンシステムデザイン研究室)では、人間にかかわる研究なら何でもする、というスタンスで、さまざまな研究・教育活動を行っている。また、所属する文理融合の大学院SDM研究科では、環境共生・安全などの社会的価値を考慮したさまざまなシステムのデザインに関する研究・教育を行っている。
著書に、『脳はなぜ「心」を作ったのか』(筑摩書房)、『錯覚する脳』(筑摩書房)、『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)など。近著に『無意識の力を伸ばす8つの講義』(講談社)、『実践 ポジティブ心理学』(PHP新書)などがある。共著も多数。