ポストコロナ期をどう生きる? 未来を担う子どもたちへ知的刺激に満ちあふれるメッセージ集

世界中で感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。企業活動から学校の授業、日常生活に至るまで、あらゆる面で大きな影響を与えています。私たちはいま、「歴史的転換点」に立っていると言ってもいいでしょう。そんな時代を生きる中高生のみなさんに向けて、30代〜70代、20名の識者が知恵と知見を凝縮して語りかけるメッセージ集が出版されました。ポストコロナの世界をどうすれば住みやすい世の中にできるのか。そのヒントが得られることでしょう。

当たり前が実は当たり前でない世界をどう生きるか

当たり前が実は当たり前でない世界をどう生きるか

今回ご紹介する著書のタイトルは『ポストコロナ期を生きるきみたちへ』(晶文社刊)。思想家の内田樹さんが、さまざまな分野の識者に寄稿を依頼。中学生と高校生を対象読者として、コロナ・パンデミック後の世界を生きるための知恵や知見、心構えについてアドバイスするという趣旨で編集されました。

寄稿してくれた識者は30代から70代までの5つの世代にわたる20名。政治史や経済学、宗教学など人文系の学者から医師、作家、ミュージシャン、演劇関係など、さまざまな分野で活躍する人たちです。「Letter from○○」という章立てで、読者である中高生に語りかけるというスタイルをとっています。

今年の新型コロナの世界的な感染は、日常生活のあらゆる面に多大な影響を与えています。無症状や発症前にも強い感染力があるウイルスの特性上、「密な環境」(いわゆる3密)をどうしても避ける必要があるからです。

本書の対象読者である中高生のみなさんの多くは、教室で授業を受けるときのみならず、スポーツ大会、音楽祭などのイベントでも、大きな制限を受けているはずです。それまで当たり前だったことが、実は常に当たり前のことではないのだと、改めて認識した人も多いことでしょう。

そんな中高生と同時代を生きる20名の識者が、各人の人生経験や知見をもとに、先の見えない時代を生き抜くには何が必要なのか、はじめての事態に出くわしたとき思考停止しないようにするにはどうしたらいいのか、中高生に真剣に語りかけたのが本書です。