中学受験なんてしたくない!子どもが言い出したときに親がするべきこと(2ページ目)

【回答】小川先生からのアドバイス動画

頑張り方を思い出させてあげましょう

動画ダイジェスト

小川先生:塾の対応が、さすがに乱暴な印象を受けますね。
ただ、それよりも、お母さん自身が家族に話を聞いてもらえているかが心配です。もしかすると、その結果としてお子さんの話が聞けていないのではないでしょうか。まずは、「30分」お子さんの話を聞いてみてほしいなと思います。

中学受験の勉強は、4年生まではコツコツ勉強すれば点数を取れますが、5年生になるとそれが難しくなります。考える力や共通点を探す力などが必要になるためです。
お子さんは、自分なりに考えて進める、という勉強のやり方に慣れておらず、勉強の取り組み方をつかめないまま進んでいる状況かと思います。
点を「取れるか、取れないか」だけで判断せず、努力の過程を認めてあげる、できたことを認めてあげるということが必要かもしれません。

また、塾を変えても先生が面白くないというのは、言い換えれば、「居場所がない(ほめてもらえる場所がない)」と言っていると考えたほうがよいでしょう。今の塾は友達がいたりする分、まだ居場所はあるのかもしれません。
中学受験とは、圧倒的な時間や努力を求められる一方で、非常に価値のあるものです。
しかし、自分が満たされていないとこれほど辛いことはありません。
お子さんは今まで自分でやってきただけあり、能力は高く自分で頑張り方を見つけられる子だと思います。本人に頑張り方を思い出させてあげることが必要です。

「塾」のサポートということを課題にされていますが、本当の課題は親御さんのかかわり方にあるかもしれません。親として成長する機会を与えられています。お母さんは一人で頑張らず、相談し、ご自身も心を休めたうえで、子どもの話を聞き、中学受験に臨む意味を家族で考えてみてください。

YouTube:中学受験なんてしたくない!子どもが言い出したときに親がするべきこと

小川 大介(おがわ だいすけ)先生

小川 大介(おがわ だいす)先生

教育家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。
京大法を卒業後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。メディア取材も多く、YouTubeチャンネル『小川大介の「見守る子育て研究所」』も公開中。