わたしを離さないで｜掲示板スレッド

最終回、いろいろ思うことはありましたが、心に残るものとなりました。

この作品は、「臓器提供のために育成されたクローン達」が主人公なので、どうしてもその極端な設定に目がいってしまって、普通の人間である私たちは、何か罪悪感や生倫理への疑問を抱えながらこのドラマに入っていきます。　

私も小説や映画は見ていないのですが、原作者のカズオ・イシグロは、
「数人の若者について書きたかった。彼らが30歳くらいまでしか生きられないという状況に人工的になってしまう設定にしたくて、そのためには、どうすればよいかをずっと考えていた」「クローンや臓器提供をテーマにしたかったわけではなく、長くは生きられない若者たちの“生”を描くことが主眼だった」と語っているようです。

でもやはり見る側としてはその衝撃的な設定に目がいってしまうわけで、これは原作者にとっても諸刃の刃だったのではないでしょうか。

もちろん臓器提供を設定として扱っているのですから、命の尊厳ということについても軽々しくは描けなかったと思います。　また、それをテレビドラマ化するというのも、テレビ製作者としてかなりの冒険だったのだろうと想像します。

このドラマでは、クローンではない普通の人間たちの思いについてはほとんど描かれませんでしたが（社会的にできるだけ見て見ぬふりな感じ？）、最終回ではたつこ先生がほんの少しだけ普通の人間の生きる姿を垣間見せてくれました。　ただ、移植で命がつながったことでクローンが産まれてきた意味があったかのように普通の人間であるたつこ先生が語るのには、とても違和感を覚えました。クローンは自分の意思とは関係なく命を提供するわけで、その一方的な関係がある限り、クローンに「救い」はないからです。

最後に恭子が死の瞬間まで生きようと決めたことも、決して「救い」とは思いません。　ただ、クローンにしろ人間にしろ、私たちはいつか来る死からは逃れられず、やがては消えていくむなしいはかない命です。　恭子はそのことに少しの慰めを見出し、旅立っていった大切な人々の生きた証を抱えながら、その心のつながりをよすがに、あと少し生きていくことを受け入れたのだと思います。

わたしを離さないで　というタイトルは、提供という運命に対する悲しみ・叫びのような意味合いもあるのかと思いましたが、やはりはかない人生の中の人と人との心のつながりを意味している気がします。

(すみません、ハンドルネームを以前の投稿と同じにしたのでおかしいですが)

途中で原作を読みましたが、原作の素晴らしさはもちろん、脚本、演出の素晴らしさにも感動しながら見終わりました。

原作のエピソードはかなり上手く使われており、文学としての完成度故に淡々としている部分を上手くデフォルメしているなあ、とどちらも大好きになりました。

ドラマも終わり、原作も読み終わりましたが、本屋さんでカズオイシグロを大人買いして楽しんでいます。

終わり方は違和感ありませんでした。原作もストーリーにすると何これって言うほど淡々(表現力無くてすみません)としてるのに読み終えると何とも言えない強くて大きなものに包まれました。

ただただ綾瀬さんを始めとする俳優さんの演技に魅せられました。
病室で手を握るシーンが感動的でした。

麻生祐未さんは同世代でトレンディドラマから見ていますが、見るたびにすごい女優さんだな、と思います。仁で綾瀬さんと共演してましたね。

あのコテージにいたみんなも逝ってしまったんでしょうね。恭子に提供の知らせが来ないのはやはり絵のおかげだったのでしょうか？

美術の先生が美和に冷たくあたったシーンがありましたが、たとえ想いを受け止めても美和とは未来がないことがわかっていたからでしょうね。

NHKで綾瀬さんの新番組が始まるので楽しみです。

恵美子先生が提供を希望したら恭子の予定だったのかしら？

どなたからもレスがつかないようですが
ご質問の意味がよくわからないのです。

恵美子先生も結局、クローンだったわけで。
ですから恵美子先生自体が、最後は提供者になっていたようですよね。

恭子はまだ提供通知が来ていないようでしたが
恵美子先生に対して恭子が提供する、ということは
ないんじゃないでしょうか？

こんなんで解答になっているかしら？

変な質問にお返事をありがとうございます(･･;)
恵美子先生は医師から「提供を希望しますか？」と聞かれていたので、クローンでも恵美子先生には提供してもらえる特別な存在なのかと思いました。恵美子先生自体も提供者になっていたのですか、見逃したようです。
もう一度、ジックリ見てみます。
ありがとうございました。

なるほど、そういう風に感じられたのですね。
私はそのシーンは「提供（者になること)を希望しますか？」という
意味に捉えました。
そしてその後、恵美子先生は「信じられない・・・」という表情をしたように見えました。

恵美子先生は特別な存在なのだけど、外側の人間からしたら
クローンであることに違いはなく、提供は免れないのだ・・・と。

そして最後の恭子と出会うシーンで
「もうすぐ○度目の提供をします」というようなことをおっしゃっていたような。
ちょっと詳しくは覚えていませんが。

恵美子先生といえど例外ではなく、だから恭子もやがては・・・。
ということなのでしょうか。

恵美子先生がクローンである事は本人とマダムさんなどの近親者しか知らないのでは。

医師は恵美子先生がクローンだと知らずにクローンからの提供を勧めていたので、医師が診てもクローンと人間の違いが分からないほど、両者に差がないのかなと思いました。