【公立・私立の共学校保護者座談会:前編】通わせてみて初めて知った男女がいるメリットとは?

inter-edu’s eye
大好評だった男子校、女子校座談会に続き、第3弾はいよいよ共学編です。
今回ご参加いただいたのは、お子さまが都立桜修館中等教育学校・市川学園中学校・広尾学園中学に通われている、3名のお母さま。4月7日の緊急事態宣言発令を受け、実際にお集まりいただくのが困難な状況となりました。そこで、エデュナビ初の試みとなるLINEビデオ通話を利用した、オンラインでの座談会を開催しました。
今回お届けする前編では、今最も読者のみなさまが気になっている、新型コロナウイルス禍での中高一貫校に通われるお子さまの様子や、学校の授業について。続いて学校の特徴や現在の学校を選んだ経緯などをお話しいただきました。

新型コロナウイルス禍、学校の授業は?

新型コロナウイルス禍、学校の授業は?

エデュナビ(以下:エデュ):現在、新型コロナウイルスによって3月から学校も長期休校になり、お子さま方の学習環境も大きく変化している状況だと思います。まず初めに、お子さまの学校の授業についてお聞かせください。

A 桜修館中学ママAさん:都立は都が休校を決めてからすぐに休みになりました。まだオンライン授業は始まっていなくて今回のことがあって、ようやくClassi(クラッシー ※)が取り入れられるようです。

公立ということもあってか、まだ整備が進んでいなくて、先生も困っていらっしゃるような感じですね。学校は他校の状況などの情報収集もすごくしている。とりあえず今は、宿題ががっつり出ているという状況です。

A 市川学園中学ママBさん:基本的にはClassiを使って課題が出されています。それとは別に「なずなネット」という保護者との連絡に使う学校専用のネットワークがありまして、併用して使っています。先日Classiで障害が起こって全然つながらない時があったのですが、なずなネットで毎日の体調管理ですとか、課題の出題・提出などをしていました。

あと、英語だけはGoogle Classroom(※)を使っていて、そちらは安定してつながっていますね。

A 広尾学園中学ママCさん:広尾はかなり前からICT教育に力を入れている学校ということもあり、オンライン授業も始まりました。うちはGoogle Meet(※)を使っていて、学校の授業と変わらない時間割です。朝8:25にはホームルームが始まって、平日は6時間、土曜日は4時間。課題はオンライン授業が始まる前から出てまして、それはコロナが無事収束して登校できるようになってから提出するようです。

エデュ:フルタイムでの授業なんですね。ずっとオンラインでつなぎっぱなしですか?

A 広尾学園中学ママCさん:授業が終わって休み時間が始まるとそのつど切って、次の授業の先生に変わるとその授業用の会議コードのようなもので、またつなぐような感じです。当初は、6時間もPCの画面をずっと見続けるのはかなり集中力が必要で、しんどいんじゃないかなと思いましたが、友達の顔が見られるのでいいと言ってます。授業が始まるまではダラダラした生活だったんですが、おかげで朝きちんと起きて着替えて授業を受けて、いい意味で生活のメリハリができましたね。

エデュ:ありがとうございます。元々IT環境が整っていた学校や、これからという学校との違いがありますね。ただこういうことがきっかけとなって、オンライン授業を本格的に整備する学校は増えていくように思いますね。

※Classi ソフトバンクとベネッセホールディングスによる合弁会社が提供する教育支援サービス。小テストや宿題などに活用できる問題、生徒への各種指導用アプリケーション、生徒カルテ、学習記録などが提供されている。

※Google Classroom 米グーグル社が提供する教育現場での教員と学生間での質問等のやり取りやデータの受け渡しなどが共有できるサービス。

※Google Meet 米グーグル社が提供するオンラインビデオ会議ツール

リーダー教育の桜修館、文武両道の市川、時代にマッチした教育を行う広尾

エデュ:お子さまが通われている学校について、親の目線でこれは特徴的だなと思ったことについて教えてください。

A 桜修館中学ママAさん:倫理の授業です。他の学校は倫理を単独の授業として学ぶ場合が多いと思います。ですが、桜修館の場合国語や数学を倫理的な視点で学ぶという授業もあります。ほかにも生徒に考えさせる授業が多くて、今回の休校中も、コロナウイルスのニュースを自分なりに毎日記録するという課題が出ています。

公立中高一貫校は都から「未来のリーダーを育成する学校」という命題を受けていることもあって、授業内容を見ると、自分で考えられる人間を育成しようという姿勢が見られますね。

エデュ:Aさんには息子さんの上にお姉さんもいらっしゃって、大学付属の共学校に通われていたとか。その学校のことも教えていただけますか。

A 桜修館中学ママAさん:今年高校を卒業しまして、今大学1年生です。娘の場合は大学附属校なので大学受験がないということもあり、おおらかでのびのびした雰囲気でした。また期末テストが終わると「特別講座」という興味深いさまざまな授業が用意されていました。その講座では大学の学部選びの参考になるようなもの、簿記、法学ゼミといったものから、イカの解剖、ゴルフなどもあったんです。生徒の興味関心を広げてようとしてくれているように思いました。

エデュ:公立、私立のしかも大学付属の中高ということでそれぞれ違う特徴がありますね。Bさんお願いします。

A 市川学園中学ママBさん:うちは子ども2人が同じ中学に通っています。お姉ちゃんが今中2、弟も今年4月に同じく市川に入学しました。市川学園は元々男子校だったということもあってか(2003年に共学化)、全校生徒のうち男子が3分の2という割合なんです。ただ、男子が多いといっても、男子、女子ともに仲良くやっていて、いじめなども聞いたことがありません。

また親から見ると文武両道の学校という感じで、何にでも一所懸命な学校だなと思います。生徒さんも勉強に限らず、運動も両方できるという子が多いように思いますね。

エデュ:ありがとうございます。ではCさんの学校はいかがですか。

A 広尾学園中学ママCさん:広尾は建物に特徴があって、9階建てで全面ガラス張りという外観のせいか、会社のビルのように思われがちですけど、中庭のけやき広場は開放感があってとても気持ち良い場所です。

授業は先ほど話したようにICT化、アクティブ・ラーニングの導入など時代にマッチした教育をいち早く取り入れています。大学進学後、社会に出てからも活躍できる人材を育成する教育を実施している、子どもの未来を考えた教育が行われているというところに共感しています。

子どもの成長を促す学校環境。刺激し合うことで勉強にも意欲が

子どもの成長を促す学校環境。刺激し合うことで勉強にも意欲が

エデュ:今回お集まりいただいたみなさんのお子さんはみな中学生。入学して1年、2年と経ちますが、お子さまが成長したなと感じられることはありますか。

A 桜修館中学ママAさん:勉強面では、お友だちと協力し合ってお互いを高め合おうという気持ちが生まれたように思います。また息子はピアノを習っていて、小学校の時は学芸会の演奏でよくピアノを弾く係になっていました。しかし中学に入った途端できる子がいっぱいいて、中1の時、最初の合唱コンクールでのオーディションには落ちちゃったんです。その時はかなり落ち込んでしまったのですが、翌年はすごく練習してなんとかオーディションを通過し、弾けることが決まったんです。今年の3月に実施予定だったのですが、残念ながらコロナで中止になってしまいましたが。でも中1の時に落ちて、歌う方も専念できましたし、張り合う仲間もできたという点で、すごく成長を感じました。

A 市川学園中学ママBさん:うちは特殊な環境でして、娘は帰国子女なんです。小学6年生までハワイにいたものですから、とてものびのびと育ってきまして、勉強しないのが当たり前のような環境にいました。でも市川中は、みんな休み時間でも勉強しているというような学校です。そうした環境の中に入って、娘も勉強への意欲がだんだんと出てきました。少しずつ自分でも勉強しようという風になってきたんです。学校の行事での百人一首大会では、日本語がまだ苦手な中、すごく一所懸命に覚えていました。

A 広尾学園中学ママCさん:ICT教育が徹底しているため、情報リテラシーの習得はとても早かったように思いますし、また発表する機会も多いようなので、プレゼンテーションが上手になったのではと思います。

実は広尾はお姉ちゃんも通っていた学校で、入学した頃から結構それが知れ渡っていたんです。お姉ちゃんと比べられて腐らないかなとか思っていたんですけど、先生たちの方から、「腐るなよ」って声を掛けてくれたみたいです。そのおかげか、ニコニコ楽しく学校に楽しく通っています。また成績順位にすごくこだわる学校で、成績が壁に張り出されるんですけど、男の子ってナイーブなところあるじゃないですか。心が折れたりしないかなと思いましたが、逆に張り合いが出てがんばらなきゃいけないと思っているようです。そういう意味では環境って本当に大事だなと思います。

男子がいるからトラブルが抑えられる。中和剤のような役割に

エデュ:これまで男子校、女子校座談会をしてきて話してもらった中で、男子は幼いところがあるので男子校がいい、女子校は男子の目を気にせずのびのびと学校生活が送れる、というような話が出てきました。クラスの雰囲気などで共学らしいなと思われたエピソードがあればお聞かせいただけますか。

A 桜修館中学ママAさん:そうですね。髪型とかは気にするようになったかもしれません。上の娘は自分の身なりに無頓着な方だったんですが、だんだんとかわいく見せたいという思いが出てきてましたし、息子は背が伸びたいとか(笑)。あと体育祭とか当然男女一緒にやりますけど、男の子は優しいなと思います。

これは、娘の学校での話ですが、球技大会では男女混合のドッチボールがあって、男の子はやはり女の子には当てられないとか、シュートを女子に譲るということもあったそうです。そういうことはスポーツとしては正しいのかわからないですが、学校生活でも普通にそういうところが見られましたね。

A 市川学園中学ママBさん:うちの学校は男子が多いというお話をしましたが、クラスも女の子がちょっとしかいなくて。その男子たちが、授業が始まる前、ちょっと先生のことを、いい意味でいじるようなことをしてクラスが和む、ということを娘から聞いています。そうやって男子がふざけて場を盛り上げるというところは結構あるようですね。

A 広尾学園中学ママCさん:広尾はどちらかというと女子が若干多いんです。女子ってやはり強いじゃないですか(笑)、しっかりしているし。その分女子間で些細なトラブルがあるんですけど、そこに男子がいることで、トラブルがさらに爆発するようなことがないみたいです。

エデュ:中和剤みたいな役割でしょうか。

A 広尾学園中学ママCさん:そうですね。お姉ちゃんの時もそれは感じたし、息子の方でも、優しい男子が声掛けすることで、うまく落ち着かせているそんな感じがあるようです。女子の機嫌を損なわず、優しくする場面とか覚えながら、上手に生きていく術を6年間で学ぶのではないでしょうか。

エデュ:Aさんの学校の男女比はどうですか。

A 桜修館中学ママAさん:男女別に同じ人数の募集なので、基本的には5:5です。Cさんのお話を聞いていて思いましたが、やはりいじめの抑止効果はあると思います。女の子が男の子の視線を気にしているので、露骨ないじめにはならないのではと思いますね。

後編は5月7日公開。
親子でどのように受験に取り組んだのか、苦手科目を克服していったのかなど受験勉強の本質を語っていただきます。