思いかけず長期戦となった中学受験。その先に待っていたものは？【ビタミン vol.8】

早いもので、もう2月。中学受験を走り抜いた皆さんは結果が出揃い、進学先を決めた頃だと思います。受験生とご家族の皆さん、ひとまずお疲れ様でした！日常生活に戻って、これからの中学生活に想いを馳せながら、ゆっくりしてくださいね。

また、コロナの脅威がある中で、受験日を迎えられただけでも感慨深かったと思います。
娘の受験期もまさに。かかってしまったら今までのことが水の泡でしたので、ヒヤヒヤでした。未曾有の中で受験期を無事に過ごせたことを思い出すと、今でもじーんと胸に沁みてきます。

入試期間の思い出

思いかけず長期戦となった中学受験

周りの受験生に桜が咲いていく中で、娘は遅咲きの桜でした。1月入試で合格はいただいていたものの、やはり志望校の合格が欲しいもの。そして、入試2日目くらいで中学受験終了を描いていたわが家には、長丁場になるなど想像もしていませんでした…。

ほとんどの受験生が幕を閉じていく中、我が家の2月入試は苦戦していました。結果から申し上げると、目標にしていた学校からご縁はいただけず…。塾の先生から電話を受けるたびに、何を話そう…と躊躇することも。電話では先生方に「我々の力不足です。申し訳ない…。」と謝られると何とも居た堪れない気持ちになりました。誰のせいでもなく、私たちの力が及ばなかった…ただその事実を突きつけられて、中学受験の壁の高さというか、実態を痛感しました。

第一志望校を終えたところで、塾の先生からお呼び出し。戦略とモチベーションの立て直しに。この日、初めて娘は大号泣…心の底から、感情が溢れていました。悔しくないわけがないよな…と、ただ娘をなだめることしができない私は申し訳なさでいっぱいでした。この子に受験は無理をさせていたのかな…もう残る入試はやめて、普通の小学生に戻してあげたい。当の私も憔悴していて、突拍子もない思いが頭の中でぐるぐる巡っていました。本人よりも先に親が音をあげてしまいそうに何度もなりました。

しかし、娘は強かった。途中で止めるなどという思いは微塵もなく、前を向いていました。大いに気持ちを解放したところで、先生方と一緒に心情を共有し、明るい未来へと褌を締め直しました。家族だけでなく、先生方にも支えられて、自分を見てくれている味方がたくさんいると娘は感じ心強かったと思います。

入試後半戦で、ようやく手にした「合格」

そして、わが家の入試後半戦。娘はついに「合格」を手にすることができました！合格発表画面は娘が先に確認しました。「合格した！」娘の第一声に小躍りしながらも冷静に「良かったね！頑張った！」と一気に安堵しました。

すぐ塾に連絡を入れました。先生方は「どうだった…？」と戦々恐々な雰囲気が電話越しでも伝わります。娘の報告に先生方も喜びと安堵が押し寄せてきました。無事に終えられた…、本当に良かった。受験終了すぐにもかかわらず、かるーく中学校生活や学習面での手解きを受けていた娘は、苦笑しつつも嬉しさが溢れていました。

こうしてわが家の受験は、波乱を含みながらフィニッシュとなりました。振り返ってみると受験生の数だけストーリーがあったなと感じます。何が良いとか悪いはありません。また不合格だったから失敗とも思いません。結果ばかりにとらわれてしまいますが、受験に向かって過ごしてきた過程は、偉大なる挑戦だと思っています。オギャーと産まれて10年やそこらで志し、1つの目標に向かってやってきたこと、続けてきたこと…そのどれもが、とても大きな収穫ではないでしょうか。そして、それは子どもの中で確かな自信となり新たな芽を息吹くステップとなります。

「進学先がお子さんの最良校」。そんなお言葉をいただき、あれよあれよと中学生活がスタート。娘も進学先でたくさんの恵みに囲まれて毎日楽しく通っています。そんな姿を見ると、あのお言葉とおりだと身に沁みています。苦楽はありましたが、中学受験をして良かったと心から思います。すべてが報われたと実感しています。大事なのは結果ではなく、子どもが真に楽しく青春を謳歌できる、一生の友人や師と巡り会える、様々な世界に触れられるなど、内容そのものです。そんなすてきな場所が進学先となり楽しい学生生活を送れますよう、祈念いたします。