中学受験、過去問演習のスケジュールを組むコツとは?

6年生の秋は学校行事も多く、加えて受験校への訪問や模試の回数も増えるなど何かと忙しくなります。そのため「過去問演習の時間がなかなか取れない…」と悩むご家庭も少なくありません。
そこで、アートオブエデュケーション関東指導部長の富田佐織先生に、過去問演習のスケジュールの組み方についてアドバイスいただきました。

塾の宿題と過去問演習、優先すべきは?

秋は塾の平常授業に加え志望校別対策講座もあり、さらにご家庭での過去問演習も始まります。「時間が全然足りない」とおっしゃるご家庭は多いです。

しかし、秋からの過去問演習は必ずやらなければいけないものですので、過去問演習に時間を割くにはどうしたらよいのかを考えていく必要があります。

まず、優先順位です。

塾の志望校別対策講座と過去問演習が同率の1位です。演習には「直し」も含まれます。
秋からはこの2つを軸に学習の予定を組んでいきます。平常授業の宿題は優先度低めでかまいません。

過去問演習スケジュールの組み方は?

スケジュールの組み方は、タスクをすべて書き出し、カレンダーにはめ込んでいくやり方がベストです。

Webからフリーのカレンダー素材をダウンロードして使用するのがおすすめです。
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始めに、タスクの洗い出しです。第一、第二、第三志望校の演習する過去問を「〇〇中学、〇〇年の算数」といった形で1科目ずつすべて書き出します。

次に、過去問演習を行う日を決めます。選ぶポイントは2つです。

  1. 4教科を通しでできるような、まとまった時間が取れる日を月1回か2回
  2. 平日で塾がなく、2教科できる日を週に1回

カレンダーを用意して、マーカーで過去問演習ができる日を囲んでいきましょう。

日にちを確保したら、最初に書き出したタスクをはめ込んでいきます。

その際に、1か月に1回か2回は予備日を作ります。体調を崩したり、直しが上手くいかななかったりと、消化できなかった過去問を行う日とします。

このようにして、まず1か月分をはめ込んでいきます。

スケジュールはお子さんに最終決定権を!

やるべき過去問を書き出しカレンダーに書いたら、必ずお子さんにカレンダーを見せて「これで過去問を始めていいかな?」と聞きましょう。

お子さんが「これだけやらないとダメなんだ」と納得して開始することで、やり切る意欲も出てきます。

目途としては、12月までに書き出したタスクの8~9割できていれば良いでしょう。

しかし、スケジュール通りにいかないことの方が多いと思います。月末には予定を見直し、できなかった分は翌月にて調整を行います。

また、現在の学力と志望校の偏差値に大きな開きがある場合、お子さんは過去問を前に萎縮してしまうかもしれません。一人で立ち向かえる状況でなかったら、押さえの学校の過去問から取り組んでみてください。焦らず確実に過去問の演習を積み上げていきましょう。

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