理科は生活の中で学ぶ!高度な化学入門書をお子さまに(2ページ目)

日常生活には最新化学がたくさん

日常生活には最新化学がたくさん

本書は、第一章の「ものの成り立ち」から始まり、第二章「家の中で見つける化学」、第三章「まちにあふれる化学」、第四章「行事の中の化学」という構成です。

この中で、理科・化学が得意でない子がとっつきづらいと感じるのは、元素や原子、陽子、中性子、電子といったミクロな世界を解説する、化学の基礎知識的な第一章だけ。第二章以降は本のタイトルどおり、身近な生活の中で出会う化学知識が満載です。

本書の監修者である中 寛史先生(京都大学准教授)が、「日常生活の何もかもが化学で成り立っているといっても言い過ぎではありません。」と冒頭に書いておられるように、今の時代、暮らしの快適さを支える多くのアイテムが、化学の力によって作られています。たとえば、涼しく感じる夏向きの繊維、温かい保温繊維、使い捨てカイロや冷却パックなどなど。子どもでも大人でもこれらのメカニズムを知りたいと思う人は多いでしょう。

毎日の洗濯・掃除で使う洗剤、熱を加えると甘くなったり香ばしくなったりする食べ物など、「どうしてこうなるの?」と、お子さまに聞かれて、普通の大人では答えられないことって、たくさんありますよね。本書は、こうした日常生活の中に浸透している化学を、最新知識をふまえて、子どもにも分かる言葉で説明してくれています。最先端の化学の研究者である監修者・中先生の心の中に、子どもへの熱い思いがあったからこそ実現した本なのだと思います。