中学受験の志望校選びファーストステップ!「親ができること」で絞り込む(2ページ目)

【回答】小川先生からのアドバイス動画

動画ダイジェスト

小川先生:学校選びは、とてもむずかしいですよね。
ご相談者がお住まいの広島県は、公教育に力を入れているので、進路選択でお悩みの方が増えています。贅沢な悩みといえますね。

まず、国際バカロレア思考の学校、公立中高一貫校、私立伝統校といった進路選択の方向性を決める際には、お子さんの希望・関心は関係ありません。「親がどこまでできるか」の1点だと思っています。

1つ目のバカロレアカリキュラムを取り入れている学校は、海外との交流などを通して、日本のスケールを飛び越えた成長が期待できます。その半面、キャリアプランの既定路線がまだないので、親が一緒に“道”を探す努力が必要です。日本社会は、まだまだ古い体質が残っているので、旧来型の企業などには「IB(国際バカロレア)」を知らない人も多くいるでしょう。
また、標準ではないということは、費用も掛かりやすい傾向なので、親としてどこまで準備できるかを考えておく必要があります。

次に公立中高一貫校。広島県は、全寮制の中高一貫校もあり、入学できたらワクワクする毎日が待っていますね。
しかし、公立校の場合は、合格倍率の問題が付きまといます。どんなに熱望していても、合格可能性を80%以上に高めていくことが非常に難しい受検です。努力が報われない可能性も大いにあるので、大本命にすると傷つく結果になるかもしれません。縁がなかった場合の進路も、しっかり考えてあげる必要があります。

最後に、私立の伝統校。これは何といっても安心感がありますね。
努力が報われやすい受験だし、学習プログラムや進学・キャリアの見通しも立てやすい。前例がたくさんある中で選べるので、親としてもラクです。
その分、旧来型の概念は強く残っているので、社会の変化に合わせた柔軟な成長は弱いかもしれません。しかし、これは学校の校風によります。私立は学校によって大きな差があります。

このように、それぞれ親としての関わり方に濃淡があります。
きっと、お子さんはどこに行っても楽しく、しっかり成長できると思います。親として、苦しくならずに全うできる選択肢を渡して、最後はお子さんに選んでもらいましょう。

小川 大介(おがわ だいすけ)先生

小川 大介(おがわ だいす)先生

教育家。中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員。
京大法を卒業後、社会人プロ講師によるコーチング主体の中学受験専門個別指導塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。塾運営を後進に譲った後は、教育家として講演、人材育成、文筆業と多方面で活動している。6000回の面談で培った洞察力と的確な助言が評判。メディア取材も多く、YouTubeチャンネル『小川大介の「見守る子育て研究所」』も公開中。

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