平面図形の苦手克服!家でできる目からウロコの教え方

図形問題に苦手意識を持っているお子さまはとても多いと思います。富田先生は図形問題に限らず、算数は「覚えるのではなく理解する」よう指導しているとおっしゃいます。ご相談にあった円周率や円の面積は、ご家族でも教えることができるそうです。動画を参考にしながら、お子さまと一緒に考えてみてください。

【ご相談】平面図形の感覚をつける方法は?

小学校5年生女子のお母さまのお悩み

【ご相談】平面図形の感覚をつける方法は?

娘は、平面図形の問題が苦手です。

「円」については、面積と円周の公式をよく勘違いして間違えます。

「公式はもう決まっているものだから覚えなさい」という、親のスタンスがいけないないのでしょうか? 円の面積と円周だったら、面積の数字が大きくなると想像すれば、2つの公式を間違えるはずはないと思うのですが、ピンとこないようです。

また、そのほかにも「三角形の高さ」がなかなか見つけられません。頂点からほかの2点を結ぶ線に直角に下したところが高さだという話は分かっているようですが、三角形の中ではなく三角形の外に高さになるヒントが表示されているような場合は全く気づきません。

こういった平面図形の感覚を養うにはどのような対策をするべきでしょうか?

親子で実践!手を動かして身につけよう【富田先生のアドバイス】

富田先生:円の面積と円周について、間違えるお子さまは非常に多いです。円の面積が円周より大きくなることを肌感覚で理解できる小学生は少ないと思います。

まだ5年生なので慌てて詰め込むのではなく、まずは円周率の意味を理解させてあげましょう。お子さまと一緒にコンパスを使って直径10cmの円を描き、円周が本当に約3倍あるかメジャーを使って測ってみてください。円の面積もなぜそのような公式になるのかお子さまと一緒に調べてみてください。

三角形の高さも、理解できないというお子さまが非常に多いです。斜めになっている三角形の高さが分からないという場合には、ピサの斜塔の写真をお子さまに見せて、建物の前に立っていると想像したときに、高さはどこになるのか考えてみると分かりやすいと思います。

数学と算数は異なります。数学は公式を使って演習する科目ですが、算数はなぜそうなるのかを考える科目です。私も教え子たちに「算数は覚えるのではなく、理屈を考えなさい」と教えています。納得しないと公式は定着しませんので。

図形の感覚がもともとある子もいますが、8割方のお子さまは苦手だと思います。図形の問題が苦手なら、なぜそのような公式になるか考えることから始めてみてください。また、中学受験に出てくる図形のパターンは限られています。たくさん同じパターンの問題に触れて、演習しながら図形の感覚を養っていきましょう。

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今回の回答者:富田 佐織(とみた さおり)先生

今回の回答者:富田 佐織(とみた さおり)先生

アートオブエデュケーション関東指導部長。中学受験カウンセラーとして年間120件超の学習カウンセリングをし、的確な分析力で志望校合格に導いている。桜蔭学園卒。四谷大塚に飛び級入塾し、公開模試1位。元大手塾算数講師。著書に「中学受験算数 教え方のコツ」(PHP研究所)。朝日新聞EduAにて『親子で挑戦 ・ 中学受験算数』を連載中。プレジデントファミリー等各教育誌で取材多数。

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