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【1053749】「地頭」は育てられるか?

投稿者: やはり勉強   (ID:yUgRpwzuGWM) 投稿日時:2008年 10月 11日 05:09

1.大阪桐蔭など中堅振興校の生徒や教育を揶揄する言葉として「地頭がない(から無意味)」などと,侮蔑の意味を込めてよく言われます。
 「地頭」の定義は様々ですが,「常識に囚われず,本質を見極めるべく,広く深く思考する力」というのが,受験界を除く大方の定義のように思います。
 「地頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」」(細谷功,東洋経済)(フェルミはイタリアの物理学者。マンハッタン計画に参加)という本もあるようです。ちなみに,広辞苑では,「地頭:かつらを用いない頭」とあり,いまだ確立した言葉ではないのです。
 この点,受験界では,「生まれ持った才能で,努力で習得できない知的能力」という意味合いで使われていると思います。
 そういう意味での「地頭」の良し悪しは存在しますね。

 「既存の知識や方法論を使わず,たとえ知識の全く無い未知の分野であっても,自分の頭と常識だけを頼りに,自分なりの切り口や捉え方で,物事の本質や問題の根本に近づくことが出来る人」はいるし,地頭の良い生徒は,公式を知らないくても,極々シンプルな少数の基本物理原則だけを使う。それを組み合わせて,自分の頭で推論することで,公式自体を自分で見つけてしまいます。(この点は引用です。)
 日常で出会う問題:答えの無い問題←「地頭力」を要する
 受験勉強で出される問題:答えのある問題←テクニック(公式・法則等)で解けるといったように,受験勉強では答えのある問題ばかりを相手にしているため,すぐに答えを求めてしまう癖が染み付いており,答えの無い問題に対しても同じスタンスで解決しようとしてしまう。(以上もほぼ引用)


2.ただ,私たち父母の立場からは,「地頭」の良くない豚児に,どうすれば地頭のなさを補う力を身につけさせるのかが関心事であり願いです。地頭が良くないことは十分承知なのです。


>【1053713】 投稿者: 比較(ID:YZ/ryITcdeg)08年10月11日AM 01:09
>京大講師が
>スパルタ校出身→京大合格→頭が固すぎて授業に就いて行けない
>→地頭の違いを知り→揚げ句の果てに授業のサボり→留年だそうです。
>京大名誉教授益川先生のお話聞きましたか?


という同じスレが2回投稿されていましたが,投稿者の「比較」さんは,「地頭のなさ」少しでも補うにはどういう教育やトレーニングが求められるとお考えなのでしょうか?
「地頭のないヤツはどうやってもムダなのだから,身の程を知ってそこそこにしておけ」ということなら,そんなスレは全く建設的ではありません。
 なお,「京大程度」であれば,先端の研究者を目指すのでもなければ,入学してついて行けないということはありません(また,京大は,4年間,留年(原級留置)はなかったはずです。)。


3.大阪桐蔭の現段階の勉強は,天才を育てるものではない(のでしょう)が,秀才は育てられるし,天才を支える秀才の存在は,大いに社会に有用だと思います。
 スポーツでもそうでしょうが,まずは,既存の「型」を身につけ,それをベースに自分独自の発展,発見があると聞きます。
 私は,現在の大阪桐蔭の教育方針には(いくつかの留保は付けながらも)肯定的です。中高生の時代に,ガリ勉しないことは大きな損失です(なお,桐蔭の生活に「青春」がないわけではありませんよ。)。いずれは自覚的勉強ができるようにならなければモノにならないが,いざ「自覚」したときに知的・知識的財産がなければ自覚が生かせない。


4.過去の成功体験や,前例を元に,判断をしていくといのが,「公式思考」だとすると,前例にとらわれず,物事の本質を捉え,少数の基本原則(常識)だけを元に,ゼロから解決のフレームワークを考えていく,というのが「地頭思考」です。
 一方で,日本の学校では,たくさんの公式を覚えて,それをいかに早く当てはめることができるかを「優秀」と定義し,その能力を伸ばしたり,選抜したりする教育がなされているように思います。(以上ほぼ引用)
 「地頭思考」的教育がなされることは理想ですが,受験勉強と全く相反するモノではないと思います。「地頭思考」が身につかなければ,難関校の合格はムリでしょう。


5.益川教授の指摘は重いものがあると感じます(ただ,「比較」さんが指摘する前記の投稿のような話はされていないと思いますが。)。

(日本経済新聞)10月10日
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20081010AT1G1001N10102008.html
教育制度に注文 ノーベル賞2氏が会見
(略)
 会見に先立ち,2人は塩谷立文部科学相を表敬訪問。益川さんは現行の大学入試について「採点が早くできるように選択式になっており,(受験生が)時間をかけて考えない」と指摘。「意味のある採点ができるように考え直すようご指導を」と,見直しを要望した。
(略)
(読売新聞)10月10日
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081010-OYT1T00311.htm?from=navr
(略)
 益川さんは塩谷文科相に,大学受験などで,難しい問題は深く考えず易しい問題だけを選んで解くよう指導している学校の現状を指摘。「これでは,考えない人間を作る『教育汚染』だ。親も,じつは教育熱心じゃなくて『教育結果熱心』だ」と教育のあり方を手厳しく批判。
(略)
(中日新聞)10月10日
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008101002000275.html
(略)
 日本人の受賞ラッシュについては「いずれも2,30年も前の仕事が評価された。大学入試の多くはマークシート方式になったが,これでは生徒がいろいろ考えなくなる。将来の科学はどうなるか。今,受賞が続いたからバンザイでは困る。みなさん,よく考えてほしい」。小林さんも「大学の評価についても客観性を重んじ過ぎ,形式的になっている。一面的な評価は,大学教育をゆがめる可能性がある」と話し,そろって日本の教育環境に危機感を表した。
(略)


6.私自身は,一応肯定的なのですが,現場の指導的先生方が,大阪桐蔭の勉強が,我が子のように「地頭」が乏しい生徒に,受験勉強とともに(その過程で),地頭力を育てていると自負されているかどうかはお聞きしたいところではあります。

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  1. 【1140579】 投稿者: 地頭がいい人  (ID:3BPEwv19Eds) 投稿日時:2009年 01月 09日 22:06

    勉強しなくても分かるから地頭がいいというのでは?
    例えば、ラマヌジャンとか。
    普通の人間が努力で追いつけるレベルではないですね。

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