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【1006085】無罪判決。

投稿者: 中山寺。   (ID:O2BkwVrmBIc) 投稿日時:2008年 08月 20日 11:30

帝王切開の際、子宮摘出のタイミングが遅れたために産婦が死亡、という理由で訴えられた医師に、無罪判決が出ました。私は妥当と思います。みなさんは、どうお考えでしょうか。

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  1. 【1016904】 投稿者: 専門家の意見に耳を傾けない起訴は誤りであった。  (ID:LrSb2f5gujY) 投稿日時:2008年 09月 03日 21:27

    被告人の身上・経歴
     被告人は、産婦人科医の父の長男として生まれ、幼い頃から医師を志し、東京都内の大学医学部に進学した。在学中に産婦人科医を志した。

     地域医療を担いたいと、福島県立医科大学医局に入局し、大学附属病院で研修医として勤務した。その後、数カ所の病院勤務を経て、平成16年4月から平成18年2月まで、県立大野病院産婦人科医長として勤務していた。

     被告人は、この間、約1200例の分娩を取り扱い、うち200例が、帝王切開であった。平成13年日本産科婦人科学会産婦人科専門医。

    事実経過
     県立大野病院は産婦人科の常勤医は被告人一人。助産師は、常勤9名、常勤の麻酔科医もいた。月に1度福島県立医大から応援の産婦人科医が来た。被告人は県立大野病院産婦人科のいわゆる一人医長であった。

     検察官は、前置胎盤?の帝王切開を県立大野病院で実施することについて、K助産師が大きな病院に転送した方がよいと申し入れ、被告人が聞き入れなかったと述べるが、県立大野病院では過去に施術例があり、大野病院における前置胎盤?の手術には問題がなかった。前置胎盤?取り扱いの医療行為をできない助産師には、当該医療行為について助言をする資格はない。

     県立大野病院で被告人は、平日午前9時から午後2時まで外来診療を行い、その後、検査、手術、処置を行っていた。入院患者は多岐にわたり、分娩・産褥、つわり、切迫流産、早産、妊娠高血圧症、子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮癌等の手術、術後管理、癌患者の終末期もみていた。小児科医がいないので新生児も担当した。

     被告人は、県立大野病院に勤務中、約350件の分娩、帝王切開60例、うち50例は緊急で、麻酔医不在ときは自分で腰椎麻酔を行った。

     平成16年7月に妊娠37週の全前置胎盤?の帝王切開を行っている。

     大野病院では、被告人は24時間オンコールであった。過酷だったが被告人は使命感で従事した。

     被告人は、患者家族が納得できるよう心がけ、治療方針を良く説明し、勤務時間外に説明することもたびたびあった。

     治療方針に迷う症例は、自分の家族だったらと考えたり、セカンドオピニオンに紹介したり、電話で先輩医師に相談したりしていた。

     被告人の勤務が激務であった。常に夜も拘束され、医大から応援が来る月1日半だけ呼び出されない日だった。





    手術経過
     本件手術において、?執刀医 被告人、?助手 宮本医師、?麻酔医 平間医師、?助産師(母体担当)、?助産師(新生児担当)、?器械出し、?オペ責、?外回り、?外回り

     帝王切開術は、広く行われている一般的な手術で、前回の帝王切開は産科医1名と看護師数名で行われた。今回は全前置胎盤?だったので、最初から医師3、助産師2、看護師4の合計9名の十分な体制で行った。後に、看護師3名が加わり12名となっている。




    クーパーと大量出血について
     検察官は論告で、関係者の供述もクーパーによる胎盤剥離中の大量出血を裏付けるとした。宮本医師がクーパーによる胎盤剥離後に出血量が増加したと述べたとする。しかし、宮本医師は、クーパー使用を始める前と後では後の方が出血が多かったと答えたが、胎盤剥離中の出血状況はピンポイントで噴く感じではなく面からじわじわ出る感じで、吸引管で吸っていて出血がたまっていく状態ではなかったと供述している。検察官が主張する大量出血があった供述ではない。剥離面が増加すると出血が増えるのは当然である。クーパーは、索状物をそいだり切除するために使っており、クーパーの使用により出血量が増加することはあり得ない。胎盤剥離中の出血は555 mlに過ぎない。

     被告人も、検察官の質問に、そんなに出血が多かったとは感じなかったと答えている。クーパーの刃先も見えており出血が多く剥離面が見えないということはなかった。被告人の供述からもクーパーによる剥離中に検察官が主張する大量出血があった事実はない。

     検察官は、被害者の癒着胎盤をクーパーで剥離し大量出血があった、と言うが、クーパー使用と出血の関係は全く証明されていない。検察官はこのことから被害者の癒着胎盤の範囲が広く、その程度が重大であったとするが、全く立証されていない。

    まとめ
     以上より、胎盤剥離中の出血は最大555 mlで、大量出血はなかった。

  2. 【1016908】 投稿者: 術後の経過について  (ID:LrSb2f5gujY) 投稿日時:2008年 09月 03日 21:28

    手術当日平成16年12月17日午後7時1分、被告人は、患者死亡後、合掌し、亡くなった後の一連の処置を行った。このとき被告人は、平間医師と死亡原因について話し、被告人から死亡原因は出血性ショックによる心筋虚血とそれに伴う心停止でしょうかと問いかけ、平間医師もそう思うと返答した。

     午後7時30分頃、被告人は患者を病室に移し、午後8時30分頃までの間に、被告人は、病室で、家族や知人らと対面した。

     午後8時30分頃〜9時30分頃、被告人は、別室で家族に対し手術経過を説明した。このとき被告人は、自らの過失により死亡したという説明はしていない。被告人は、カルテに書いた説明をコピーして家族に渡し、家族に病理解剖を勧めたが、家族からこれ以上体を傷つけたくないと断られ、病理解剖を断念した。

     午後10時30分頃、被告人は、死亡診断書を記載した。直接死因:心室細動、その原因:出血性ショック、その原因:妊娠36週、癒着胎盤、帝切分娩と記載した。このときも被告人は、自分の手技に過失があったとは考えていない。

     午後10時40分、死亡退院となり、被告人は玄関で見送り、その際、死亡診断書を家族に渡した。家族を見送った直後、堀事務長から院長室隣の応接室に来るようにと連絡があり被告人はそのまま向かった。

     午後10時40分以降、院長室隣の応接室で、被告人と平間医師は、院長、堀事務長、小泉事務主幹に対し、手術の事情説明を行った。被告人の説明は、児娩出後に後壁に付着した胎盤が自然剥離しなかったので、用手剥離を行い、途中からクーパーも使用して胎盤剥離を完遂した。その後出血が増え、血圧が低下したので、輸血・輸液を行い、追加の輸血を投与したら血圧が上昇したので、子宮摘出を行ったが、結果的に亡くなった、という内容であった。この説明を聞いた院長は、医療過誤及びその疑いがあるとは判断せず、クーパー使用についても違和感を持たなかった。被告人は、死亡原因については、出血性ショックによる心筋虚血とそれに伴う心停止と説明した。被告人は、院長から他の臓器損傷や内臓損傷、血管損傷などの過誤の有無を問われ、無いと答えた。

     院長は、この回答を受けて医療過誤はないと考え、届出は必要ないと判断し、届出はしなくていいという趣旨の発言をした。その後被告人が病棟に戻る時、院長が県の病院局グループ参事と電話で話しているのが聞こえたが、院長は「過誤はないから届出はしない」と話していた。この時点で、被告人は、届出について自分が何かをしなければならないという考えはなかった。

     院長は被告人に過誤の有無を尋ねるに当たり、具体的な例を挙げて医療過誤がなかったのか尋ねており、外科学会ガイドラインが考えるような「重大な医療過誤が強く疑われ、又は医療過誤の存在が明らかであり、それによって死亡又は重大な障害が生じた場合」にのみ届出義務が生ずることを示唆する発言を行っている。被告人にそのような過失が存在するという認識はなかった。

     院長は、公判廷において、この事情聴取において警察への届出についての話はでなかったと思うと証言する。しかし、院長は、被告人からの報告を受けて医療過誤の疑いがないと判断し、それなら警察に届ける必要はないと判断したと証言している。しかも、その判断を、病院局のグループ参事に電話で伝えた。にもかかわらず、被告人に対しては届出に関する話をしなかったとするのは不自然であり、被告人供述のとおり、院長から被告人に対し届出の必要なしと指示があったと理解するほかはない。

     その後、被告人は、病棟に戻って入院カルテの12月17日欄の記載を行った。その記載中には自ら過失があると認識していることを窺わせる記載はない。

     この時点で、被告人は、厚生労働省のリスクマネージメントマニュアル作成指針の存在と内容を知っていた。また、大野病院に同指針に準拠したマニュアルがあることを知っていた。被告人は、これらのマニュアルに、医療過誤があった場合に施設長が警察に届出を行うと書かれていることを認識していた。

     12月20日、院長は本件について院内検討会を招集し、被告人、宮本医師、平間医師、各科の長が参加した。被告人は報告したが参加者から過失があったという指摘はなかった。この場で、院長は過誤がないので届出はしなかった、と説明した。

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