センター試験速報 地学基礎

2020年度

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全体概観

大問数が4つと昨年より1つ増えた。小問数は15問で変化無し。

難易度:昨年並み

第1問のAでは、地震の基本性質とプレートテクトニクスとの関係がバランス良く問われている。全体としては標準レベルである。Bは地層の変遷と地球環境への理解を問うている。生物の上陸が時系列に理解できていないと難しい。Cは岩石と鉱物の標準的な問題である。

第2問のAは、作図を厭わなければ中学レベル+αの平易な問題である。Bは海水の鉛直循環に関する超頻出問題である。平易。

第3問は、時間の流れとスケール(空間)両方への理解が必要で、センター試験以外でも近年しばしば出題されるタイプである。知識が整理できていなければ難しかっただろう。

第4問は超頻出の自然災害がテーマ。本年も計算は1問だけであった。全体的にグラフや数値(座標)を利用する問題が少なかった。

設問別分析

第1問 固体地球
A

問1 中学理科でも学ぶ初期微動継続時間の問題である。
問2 プレートの3つの境界の理解を問うている。

B

問3 水流と重力による地層形成とその後の地殻変動が問われている。
問4 オゾン層完成以降の植物の進化が分かっていなければ難しい。

C

問5 岩石名が分かっているので、マグマの分化が分かっていれば解ける。
問6 プレートテクトニクスと変成作用へのきちんとした理解が必要である。

第2問 気象と海洋
A

問1 反時計回りに風が吹き込む様子を作図しながら考える必要がある。
問2 温帯低気圧の構造を問う中学レベルの内容である。

B

問3 海水の熱塩循環の仕組みが分かっていれば平易である。

第3問 宇宙

問1 宇宙の歴史を順序立てて理解していなければ解けない。
問2 昨年度の追試や高卒認定試験に類題がある。球状星団がややわかりにくいか。
問3 太陽系の惑星を比較するという典型問題である。

第4問 自然災害

問1 地震災害についての常識的な問題である。
問2 火砕流に関するきちんとした理解を問う頻出問題である。
問3 単位変換を伴う計算問題である。単位を理解できれば平易である。

2019年度

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全体概観

昨年と同様大問は3つ、小問は計15問であった。

難易度:やや難化

第1問Aは、固体地球全体についての問題であった。目新しい問題はないが、日ごろからじっくり考えるくせをつけていないと難しく感じただろう。第1問Bは地層や地球の歴史についての問題である。第1問A同様、深い考察の経験がないと難しく感じるだろう。第1問Cは岩石・鉱物に関する問題で、標準的な内容・レベルである。第2問は、天気図を通して日本列島付近の冬型の気圧配置を問う問題である。問1の考察が若干難しいであろう。第3問は宇宙の誕生と恒星の進化についての問題であった。教科書通りの素直な問題で難しくはなかったと思われる。

設問別分析

第1問 固体地球
A 地球の形状と活動

問1 選択肢1から選択肢3が頻出のものであることから解ける。
問2 初期微動継続時間の意味と基本的な速さの計算が分かっていればよい。
問3 ホットスポットと火山列に関する超頻出問題である。

B 地球の歴史

問4 地層を下から丁寧に見ていけば分かる。
問5 地球型惑星の原始大気が水蒸気と二酸化炭素であったこと、単純な植物から上陸を始めたことが分かっていれば解ける。
問6 露頭Xの地層を順に露頭Yの地層と比べていけばよい。

C 火山と火成岩

問7 マグマの性質と火山の形状の頻出問題である。
問8 色指数の定義と算数の「比」が分かっていれば解ける。
問9 割合の計算を慎重にやればよい。

第2問 天気図

問1 気圧に関する問い。消去法で考えれば分かりやすいだろう。
問2 冬型であることが天気図下のコメントからも分かるので、日本海に筋状の雲を伴う天気図を選べばよい。
問3 シベリア気団について問う標準的な問題。

第3問 恒星の誕生と宇宙の進化

問1 恒星の誕生と進化を問う標準的な問題。
問2 主系列星の質量による進化の違いの理解を問う問題。
問3 ビッグバンから今日の宇宙に至るまでの過程を大きく捉えていれば解ける。

2018年度

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全体概観

大問数が2017年度の4題から2016年度以前の3題に戻った。小問数は15問で変化なし、例年通り地学基礎の全範囲からまんべんなく出題された。

難易度:昨年並み

第1問Aでは、固体地球全般に関する知識が問われた。図やグラフをしっかり見ることと、計算力も要求されたが、目新しい問題はなかった。第1問Bでは、ルートマップや露頭での観察結果を元に考察する問題が出題された。図を丁寧に見る習慣がないと難しく感じるだろう。第1問C・Dは岩石・鉱物に関する知識問題であった。

第2問は、地表における水が気象に及ぼす影響を問う問題である。随筆をモチーフとしているので新傾向に見えるが、気象の基本原理がわかっていれば難しくはない。

第3問は太陽系誕生と宇宙についての総合的な問題である。

設問別分析

第1問 地球とその構成物質
A 地球の構造

問1 地表からマントルまでの距離が2900kmであることを覚えていれば平易である。
問2 地殻からマントル付近の鉛直構造を問う標準的な問題である。
問3 初期微動継続時間の意味が分かっていれば難しくない。平成28年度の追試験に類題がある。

B 地層と地球の歴史

問4 「切る」「切られる」の関係が明確なので平易である。
問5 現行課程でルートマップが出されたのは初めてである。地層形成順序を丁寧に読み取れたかが鍵である。解答にはある程度時間を要するだろう。

C 鉱物

問6 火成岩についての標準的な知識問題である。
問7 色指数の定義を覚えていないと解けない。

D 変成岩

問8 「高温低圧型広域変成岩」「接触変成岩」の違いを正しく捉えていたかがポイントである。

第2問 地球環境と大気・海洋

問1 中学入試などにもよく見られる水の状態についての標準的な問題である。
問2 水の状態変化を熱のやり取りの過程として捉えられていないと難しい。
問3 続成作用が堆積岩に関する作用であることが分かっていれば平易である。
問4 中学理科で学んだ寒冷前線が理解できていれば平易である。

第3問 太陽系と宇宙

問1 水素「を」ヘリウム「に」核融合するのであるが、慌てて「を」と「に」を逆にすると解けない。
問2 恒星の進化が分かっていれば平易である。
問3 手のひらをたたいてみれば分かるレベルの平易な現象である。

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