センター試験速報 政治・経済

2020年度

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全体概観

マーク数はいずれも昨年と同じ。図表を使用した問題は7問で昨年と同じ。

難易度:昨年並み

出題形式は従来とあまり変わらず、基本的な設問が多いが、設問形式がややひねった問題が見受けられた。たとえば、第2問設問6はGNP、GDPの計算表、第3問設問3の国際貿易の為替による決済図、設問5の日米の資金調達の比較といった問題である。また、設問8のODAの国際比較などの図表は、即答が出来ないものになっている。基本的な内容を問う設問にはなっているが、いずれの問題も単なる知識だけで解答を出すのは難しく、知識と知識を組み合わせて解答したり、論理的に思考することが求められている。

設問別分析

【第1問】政治・経済総合問題

民主主義の平等概念、市場経済の事例、格差問題と労働法規、価格機構、地方自治と外国人の権利などについて問われている。問6のグラフ問題は、知識を問うような問題では無く、純粋なグラフ読み取りの問題である。問8の需要供給曲線の問題は、需給曲線の単なるシフトの問題と異なり、思考力を問う問題となっている。しかしながら、いずれの問題も基礎分野から出題されている。

【第2問】国家の役割

政治分野と経済分野から幅広く出題されている。社会保障制度の国内外の事例、外国人と政治のかかわり、財政と国家経済、地方自治などについて問われている。問3の資料問題は、頻出資料からの出題となっている。

【第3問】今日の国際経済

南北問題と国際機関、貿易取引の決済手段、地球環境問題と国際機関、各国のODAなどについて問われている。問3の為替取引は、やや珍しい問題であるが、論理的な思考を持って解けばおのずと解答を導くことができる。問8の資料問題は、頻出資料からの出題となっている。

【第4問】民主主義と各制度

民主主義の成立と各国の法制度、現代民主主義の特徴など基礎的なものが多い。問6のナチスについて問う問題はやや珍しい。大衆民主主義をテーマとしているのは、現代世界におけるポピュリズムの隆盛を背景にしていると考えられる。

2019年度

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全体概観

大問構成、設問数、マーク数はいずれも昨年と同じ。図表を使用した問題は7問で昨年より1問増加。

難易度:やや易化

出題形式としては、基礎的な設問も多いが、選択肢形式が複雑化し語群の組合せや、さらに二重の設問を組み合わせた問題が出題されています。第2問の問6の16などは、正規労働者、非正規労働者、失業者の表を、選択肢文内容から推測させる問題で表の深い読みが必要です。第2問の問7の17なども国家体制と政治体制を同時に問うています。普段から似た形式の類題に慣れて時間をとり過ぎない訓練が必要となります。

設問別分析

【第1問】地域経済統合

政治・経済の総合問題形式をとっていた。まず国内外の法規について、特別裁判所や条約の事例、外交に関する日本国憲法の規定などと、国際面では国連安全保障理事会の評決方法、国連海洋法条約、経済面ではGNP・GDPの定義、BRICSのGDPの推移、市場変化と需要供給曲線の動きなどと幅広く多岐にわたる設問であった。

【第2問】冷戦後の国際社会

冷戦終結後の世界情勢は、無秩序な混乱状態が激しくなっている。冷戦崩壊時のヨーロッパ情勢、世界に広がる内戦、安全保障機構としてのNATOの変化、各国の国家体制と政治体制、と最近30年間の歴史問題など。経済面では、銀行の信用創造の計算問題、為替レートの変動と物価変動、労働市場における格差問題が扱われていた。

【第3問】基本的人権

日本の安全保障、人身の自由、日本の社会保障、新しい人権、旧憲法と新憲法の比較、国会の権限、日本の地方自治における執行権と立法権について政治の役割を扱っている。

【第4問】地球環境問題

経済思想、経済主体の機能、外部不経済の事例、一般会計予算の収支の推移、市場と環境の関係、比較生産費説、コンパクトシティとふるさと納税、環境保全についての国際条約などを扱っていた。

2018年度

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全体概観

大問数4、設問数34、マーク数は34。いずれも昨年と同じであり、図表を使用した問題も昨年同様に6問だった。

難易度:昨年並み

大問4、小問34での構成は昨年と全く同じ。図表・グラフは計6問で昨年同様であった。基礎的な問題が中心で、全体の難易度としては昨年並みである。ただ、第2問問4は戦後復興期の狭い範囲での順整序を求めており、やや難しい。図表は第1問問7で需給曲線が相変わらず出されたが、ごく基本的な問題である。第1問問8のローレンツ曲線は基本的理解がなされていれば正答できるであろう。第3問問4のエネルギー表も各国の基本的特徴を理解していれば難しくはない。

設問別分析

大問4、小問34での構成は昨年と変化なし。図表・グラフは計6問で昨年と同様であった。

【第1問】近代国家の役割と変遷

第1問は、国家間の歴史的変遷や、民主主義の政治制度と理念、市場の基本概念、および格差の問題と国防も含めた国家の役割が出題された。アメリカとイギリスの政治制度の違い、法の支配や基本的人権についての問題のほか、図表を用いた需給曲線についての基本的問題、ローレンツ曲線の基本的理解を問う出題があった。さらに電力や国防についての問題も出された。

【第2問】戦後冷戦下の政治経済の変動の歴史問題

欧州や日本の戦後経済復興、核軍縮などを含めた戦後の歴史的変遷について出題された。終戦直後から高度経済成長期、さまざまな経済変動などによる経済構造の変革、及び核兵器制限の大きな流れなどをつかむ問題であった。

【第3問】国内外での経済格差

経済格差を主なテーマとした出題であった。用語としてベーシック・インカムが出題されている。南北問題や貿易体制、エネルギー表など、国際経済分野から多く出題されたほか、国内における社会保障政策に関する問題もあった。

【第4問】男女共同参画社会

男女、労働者、外国人、婚外子などの平等に関する問題であった。さらに内閣の閣僚の男女比、国会の名称や省庁再編、直接請求権など政治分野も出された。学習権や労働法規、違憲判決については、近時の時事問題である。

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