センター試験速報 数学Ⅱ

2020年度

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全体概観

大問4題の全問必答。分量、難易度は昨年と同程度。

難易度:昨年並み

第1問は[1]が三角関数の不等式の解がテーマの問題、[2]が指数関数・対数関数からの出題で、指数の計算、及び対数の連立不等式が出題された。第2問は2つの放物線の共通接線と、囲まれた図形の面積に関する微分・積分の問題である。第3問は図形と方程式の問題であり、座標平面上の円と、定点を通る直線の問題。第4問は複素数と方程式の問題であり、文字の置き換えにより計算する問題や、整式の除法を利用した高次式の計算問題である。全体として、分量、難易度は昨年とほぼ同程度。

設問別分析

【第1問】三角関数、指数・対数関数
[1](三角関数)

(1)は三角比の不等式を解き進める問題である。誘導は丁寧で、流れに沿って計算すれば難しくはない。(2)は方程式の2解をsinθ、cosθとする問題で、解と係数の関係、三角比の相互関係を用いて計算を進める典型的な問題である。

[2](指数関数・対数関数)

(1)は指数の基本的な計算力、式の対称性を利用した計算である。典型的な出題である。(2)は対数不等式を多項式に置き換えて解く問題である。置き換えまでは基本的だが、整数解の決定という後半の設問で戸惑う受験生は少なくないだろう。

【第2問】微分法・積分法

2つの放物線の共通接線、およびそれらが囲む図形の面積に関する問題。よく出題される設定ではあるものの、曲線同士の位置関係などが読み取りにくく、また、計算もやや煩雑である。計算の工夫を行わないと、最後まで解き進めることは難しいだろう。

【第3問】図形と方程式

座標平面上の円と、定点を通る直線の絡んだ計算問題。基本的な計算がメインであるので、丁寧に行いたい。標準的な内容である。

【第4問】複素数と方程式

(1)は、高次方程式を置き換えにより求める問題である。対称性から式を書き換えていく典型的な手法である。また、(2)は高次式での値の計算を、整式の除法を応用して求める問題である。

2019年度

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全体概観

大問4題の全問必答。分量は昨年と同程度、難易度はやや易化した。

難易度:やや易化

第1問は[1]が三角関数の問題、[2]が指数・対数の連立方程式の問題である。第2問は3次関数・2次関数のグラフに関する問題であり、基本的な計算問題。第3問は分点の計算や軌跡を求める問題。第4問は4次方程式の解と方程式の形を考える問題。全体として、分量は昨年とほぼ同程度だが、やや易化した。

設問別分析

【第1問】三角関数、指数関数・対数関数
[1](三角関数)

三角関数の最大・最小、および方程式の解を求める問題。2倍角の公式、三角関数の合成により式を書き換える必要がある。標準的な出題である。

[2](指数関数・対数関数)

連立方程式の解を求める問題。真数の条件、および底の変換、置き換えを必要とするが、誘導に従って計算すれば難しくない。

【第2問】微分法・積分法

文字の定数を含む3次関数・2次関数のグラフに関する問題である。極値から係数を決定し、接線と曲線の囲む部分を問う内容で、よく出題されるテーマである。ただし、文字のままで計算する部分が多く、やや煩雑である。

【第3問】図形と方程式(選択問題)

座標平面上の2定点を結ぶ線分に対して、内分点や外分点の計算や、2定点からの距離の比が一定であるような点の軌跡を求める。基本計算のみであり、丁寧に行えば容易である。

【第4問】複素数と方程式(選択問題)

4次方程式の解についての問題であり、虚数解をもつ場合、もたない場合について考える。一部、グラフのイメージを利用すれば解きやすい問題もある。全体として標準的な内容である。

2018年度

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全体概観

大問4題の全問必答。分量と難易度に大きな変化は見られなかった。

難易度:昨年並み

第1問は〔1〕が三角関数の問題、〔2〕が対数関数を含む不等式の問題である。第2問は〔1〕が放物線と直線で囲まれた図形の面積がテーマの問題。〔2〕は曲線と直線で囲まれた図形の面積から、元の曲線の方程式を求める問題。第3問は円と直線を扱った図形と方程式の問題で、丁寧に図示することがポイントとなる。第4問は複素数と方程式の問題、および整式の割り算と余りの問題。全体としては、分量は昨年とほぼ同量、難易度も昨年並みである。

設問別分析

【第1問】指数・対数関数、三角関数
[1](三角関数)

初めに弧度法の定義、および弧度法と度数法の対応に関する問いがあった。その後は三角関数を含む方程式を、加法定理や合成を用いて解かせる問題であった。変形の仕方が誘導されているので、それに従って進めていけば取り組みやすい。

[2](指数・対数関数)

対数関数を含む不等式の問題。対数関数を置き換えることにより、tの2次不等式や、2次式の平方完成を考えることになる。

【第2問】微分法・積分法
[1](微分法・積分法)

放物線と直線によって囲まれた部分と、直線によって囲まれた部分の面積を文字で表し、その差の増減を調べる問題。面積Sを問題文で与えられた形のまま進めると、高次方程式を扱うことになり、計算がやや煩雑になる。

[2](微分法・積分法)

曲線と直線で囲まれた部分の面積をtの関数として表し、それをもとに曲線の方程式を求める問題。基本的には原始関数からそれを微分してできる関数を求める容易な問題だが、設定が珍しいので、面食らった人も多かっただろう。

【第3問】図形と方程式 (選択問題)

座標平面における直線と円に関する問題。前半は、2定点と円周上の動点でできる三角形の重心の軌跡を求める問題、後半は、円周上の点から線分上の点までの距離の最大・最小を考える問題である。図を描いてどのような場合に最大・最小となるかを考えることが基本である。

【第4問】方程式・式と証明 (選択問題)

前半は、係数に文字を含む3次方程式の虚数解から、残りの実数解をその文字で表す問題。後半は、整式の割り算の商と余りに関する問題である。やや計算は煩雑だが、手が止まるような所はないので、慎重に解き進めたい。

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