公立との違いとして、多くの方が感じている点でしょう。
それは使われる教材の違いもあるからです。
そこで今回は、「教科書」に焦点をあてて、私立と公立の違いを調べてみました。
教科書の違いで見えた! 私立・公立の受験対策
教科書はどのように作成、選定されるのでしょうか。
文部科学省の「教科書Q&A」によると、教科書発行者は、学習指導要領等をもとに作成し、まず文部科学大臣に検定申請をします。申請された図書は、教科用図書検定調査審議会に諮問され、文部科学大臣は、審議会の答申に基づき検定の合否を決定するという流れです。
また、現在発行されている全教科書の90%以上が、文部科学省検定済教科書ということです。
では、その後の教科書選定の流れと、「教科書」という視点から見た、それぞれの特徴について見てみましょう。
私立中高一貫校の場合は?
都内の私立中高一貫校の先生に、教科書選定の流れを聞いてみました。
「各教科の先生が自由に選ぶことができます。学校の教育方針や生徒にあった教材を選定し、会議で話し合われ、校長が最終判断をします。」とのこと。また、検定教科書はほとんど使われていないようです。
その強みとして、中学生のうちから高校で習う範囲の学習が可能であり、例えば高校2年生の段階で、高校3年間の内容を終わらせて、高校3年生の授業を演習や志望校対策に使うなど、自由にカリキュラムを組めることが挙げられます。
開成中学や麻布中学の数学では、教科書は使わず、担当教員が作成したオリジナルのプリントなどで授業を行っています。
公立中学・高校の場合は?
学校の設置者である都道府県や市町村の教育委員会が、どの教科書を使用するか調査研究を行い、その地域、学校に最もふさわしい教科書を採択します。
高校では、教科書の採択方法について法令上具体的な定めはなく、所管の教育委員会が、各学校の実態に即して採択を行っているので、各高校で使う教科書が異なります。
そのため、中学校の教科書範囲からしか出題されない公立高校受験に関しては、志望校別の対策をする必要がありません。