反抗期の行動をABCに当てはめると…
こうして『A:先行条件』→『B:行動』→『C:結果』の流れで記録してみると、今まで見えなかったものが見えてくるはずです。
例えば、こんな感じです。
例1
例2
Aから考えていきましょう
まず『A:先行条件』について考えてみましょう。
これは前提となる考えなのですが、どんな『行動』であっても、その『行動』は『A:先行条件』の影響を受けます。
例えば、『お腹が減った』という条件、『そこにお菓子がある』という条件がそろうと、人は『お菓子を食べる』という行動を起こす確率が高まります。逆に言うならば、『お腹が減っている』もしくは『そこにお菓子がある』という条件(両方、もしくは片方だけでも)がそろわなければ『お菓子を食べる』という行動を起こしにくくなります。
当たり前のことですが、とても重要なことなのです。なぜならば『A:先行条件』を操作することにより、『B:行動』を変えられるのですから。
そんな風に、2つの例の『A:先行条件』に注目します。
例1の場合
例1では、午後8時20分という遅い時間に、その子は帰ってきて、部活で疲れている様子です。もちろん部活で疲れていない日の様子と比較しなければ正確なところは分かりませんが、どうやら『親の問いかけを無視して自室に入る』という行動は、『(遅い時刻に)疲れて帰ってきた』という条件によって起こりやすいと思われます。
よって、『親の問いかけを無視して自室に入る』ことをさせたくない場合は、部活を辞めさせればよろしい(現実的ではないですけど)、という結論になります。(もしくは、部活の顧問に掛け合って、活動量を減らしてもらう、部活を変える、疲れがひどいときは、先に休憩の時間を取る、などの方法が考えられます)
例2の場合
では、例2はいかがでしょうか。
弟への八つ当たりが、「弟と母親が喋っている」ときに限って起きていたとしたら、最も簡単な、しかし極端な方法は、「母親はその子が自室から出てきそうなとき、弟とは喋らないようにする」となります。もしくは、「その子が自室から出てきたと分かったらすぐに、母親が弟との会話よりも、その子に声を掛ける」というのも「弟への八つ当たり」を減らすのに効果ある可能性が高いと言えます。