反抗期の突破口!リスクを上下させる4つのもの【反抗期を科学する・8】

連載8回目のテーマは、反抗期の問題リスクにおける「スーパー危険因子とスーパー保護因子」です。思い悩む保護者の皆さまの肩の荷を、少し下ろしていただけるお話を和久田先生にしていただきます。前回の宿題も、答え合わせをしていきましょう。

危険因子と保護因子のおさらい

危険因子と保護因子のおさらい

前回、思春期の問題リスクを高める危険因子と、リスクを下げる保護因子の話をしました。
具体的には、思春期の問題リスクを高める危険因子として、発達障害、知的発達の遅れ、保護者との関係の悪さ、貧困、学校でのいじめ被害、体罰、悪い友達の存在などがあり、逆に思春期の問題を遠ざける保護因子として、IQの高さ、コミュニケーションスキルの高さ、保護者との関係の良さ、質の高い教育、良い友達の存在、その子どものことを気に掛けてくれる大人の存在(保護者以外で)、夢中になれる活動の存在などがあることを紹介しました。

しかし、これらはあくまでもデータを統計的に処理した結果、見えてきたことですので、「危険因子がある=問題が起こる」「保護因子がある=問題が起こらない」のように極端に考えることは避けなければなりません。

影響力の強いものがある

ただ非常に興味深いのは、ここにあるような危険因子、保護因子の中に、非常に強い影響を与えると分かっている、いわばスーパー危険因子、スーパー保護因子と思われるものがあることです。