最終更新:

586
Comment

【3801557】ミステリー(推理)小説のレビューをどうぞ

投稿者: アラフィフの読書   (ID:SZRj/VH51r6) 投稿日時:2015年 07月 23日 14:03

こんにちは。私はずっとテレビでワイド劇場などを楽しんできました。
山村美沙や西村京太郎シリーズなどです。

趣味が高じてしまい、最近になって、ミステリー(推理)小説を読み出しましたが、何を読もうかと迷ってしまいます。

皆さんが好きだった本をぜひとも教えて下さい!
ネタバレでも大歓迎です!!!
どうぞよろしくお願い致します。

返信する

管理者通知をする

マイブックマーク

「おすすめの本に戻る」

現在のページ: 74 / 74

  1. 【6516814】 投稿者: 海外の作品から  (ID:f2ej5HITpT2) 投稿日時:2021年 10月 13日 22:39

    みなさま、本当に本当にお久しぶりです。

    私は読書どころではない日々が続いており、また、少し時間ができるとろくでもない本を掴んだり、ということで、ご紹介もできない状況でした。

    ロディさんが最後に投稿されてから約11か月、私が最後に投稿してから約一年になりました。

    突発的ですが、Connerllyの新作がそれなりに面白かったのでご紹介します。

    The Law of Innocence, by Michael Connelly

    Lincoln Lawyerシリーズ、リンカーンタウンカーを事務所とする刑事弁護士、Micky Hallerが主人公となります。正確には昨年の出版。

    The Law of Innocence, by Michael Connelly

    Lincoln Lawyerシリーズはリーガルスリラーに分類され、法廷シーンは必然的に多くなりますが、この作品は、それにしても、と思うほど、ほとんど全編法廷シーンと法廷での弁論を準備するシーンになります。
    Harry Boschも登場しますが、重要な役割を果たすもののBosch一流のアクションは無く、また、全編を通じてアクションシーンは非常に少なく(アクションと言えるかどうか、というシーンが2回)、アクションを期待すると肩透かしでしょう。

    なお、タイトルの意味は、法廷の判決にはGuiltyかNot Guiltyしかない。しかし、Not GuiltyはInnocence(無実)を意味するものではない。無実を証明するためには真の犯人は背景を明らかにしないとならない、というもので、法律としてのThe Law of Innocenceは無いのです。

    =====
    Mickeyは、裁判の祝勝会の後、リンカーンを運転して帰宅する途中に警官に呼び止められ、そのまま逮捕され留置所に収容されてしまいます。
    リンカーンのトランクに男性の射殺体が発見され、銃弾はMickeyの自宅ガレージにある弾痕と一致し、被害者の男性はMickeyに弁護を依頼しながら費用を踏み倒していたことがわかり、Mickeyに不利な証拠が積みあがっていきます。

    Mickeyは、自分の弁護を自分で行うこととし、専属の調査員Cisco、前妻でCiscoの妻のLeora、元妻で検察側の法曹Maggieと協力を得て、Mickeyをハメた勢力をあぶりだしていきます。Harry Boschはすでに刑事をリタイアしていますが、ここでもMickeyに協力します。
    しかし、一度は保釈されるものの再度収監されてしまい、ほとんど拘置所から訴訟指揮することになります。

    検察官はBergという腕利きの女性検察官で、ありとあらゆす手段を用いてMickeyを有罪にしようとしていきます。

    =====
    小説は、保釈手続きや保釈金の議論から始まり、証拠開示手続き、陪審員の選任、と訴訟前の手続きに多くのページ数が割かれます。公判がようやくはじまるのが全体の2/3を経過したあたり。また、アメリカの常として拘置所は安全なところではなく、秘匿されるべき弁護チームの会話は盗聴され、暴力の危険も大きく、Mickeyの拘置生活についても詳細に描写されます。

    全編、訴訟とその周辺です。また、ネタバレになりますが、Mickeyをハメた巨悪には多少迫りますが巨悪を倒すには至らず、ちょっと中途半端な印象もあります。
    Mickeyと彼のチームの人物描写は豊富ですが、敵対する検察官Bergの人物像は最後までよくわからず、これも消化不良でした。

    ということで、法廷ものとしては結構面白いと思います。
    文章は明快で語彙レベルも高くない、のですが、法廷用語がちりばめられてしまうのは致し方ないでしょう。

    どなたにもおすすめ、というわけではありませんが、私は結構楽しみました。

  2. 【6570461】 投稿者: ロディ  (ID:kvw646GIDSE) 投稿日時:2021年 11月 27日 10:26

    海外の作品から様、皆様、ご無沙汰しております。

    ボッシュシリーズは、やっと『素晴らしき世界』まで読み終わりました。
    アマプラで、ドラマ化された方を先に見てしまっていたので、最近は、ややネタバレ気味。

    でも、シリーズ重ねても、質が落ちていないところが素晴らしいです。


    最近、読んで印象に残ったいるのが、『死亡通知書』、『時計仕掛けの歪んだ罠』、『ストーンサークルの殺人』です。

    順に中国、スウェーデン、イギリスの作品です。

    いわゆる王道ミステリーではなく、ロジックがぶっ飛んでいる部分もあるのですが、キャラクターが、面白くて3作とも、続編がありそうです。

    続きが気になるという点でも、おすすめです。

  3. 【6587605】 投稿者: 海外の作品から  (ID:qdfVTJMxNhY) 投稿日時:2021年 12月 13日 17:50

    ロディさまお久し振りです。
    BoschとBallardの新刊が出たようなのでまた入手してご報告します。

    今回は、なかなかスリリングでページターナーだ、という宣伝文句に惹かれて購入した小説です。しかし、私の英語力の限界でけっこう苦戦しました。面白かったけれど。



    State of Terror, by Hillary Rodham Clinton and Louise Penny



    ビル・クリントン大統領の妻で8年間ファーストレディであり、その後、オバマ政権の国務長官、そしてトランプ大統領と激戦を演じた、ヒラリー・クリントンの小説です。

    パートナーはカナダの有名ミステリー作家で、ヒラリーは大ファンで親交があるとのこと。



    予備知識です。

    アメリカの国務長官は日本の外務大臣に相当する役職ですが、アメリカでは筆頭閣僚であり政府では副大統領に次ぐNo.2、日本の外務大臣に比較すると絶大な権限を有し国際社会に軍事ミッションを含む大きな影響力がある閣僚です。大統領継承順位3位(副大統領(上院議長を兼ねます)、下院議長に次ぎます)

    ヒラリーは民主党予備選でオバマ大統領と激しい指名争いを繰り広げ、僅差でオバマが勝利しました。ここで、民主党陣営内の最大のライバルであったヒラリーを、オバマは筆頭閣僚の国務長官に起用します。

    これは、民主党全体の融和のため、とも言われますが、ライバルを自陣営に取り込んで自分に反対する動きを封じるため、とも言われました。



    さて、小説の本題。

    主人公はエレン・アダムスという女性国務長官です。彼女は巨大マスコミのオーナーで、予備選の中ではウィリアムズ大統領と激しく対立しました。

    ウィリアムズ大統領は当選直後に彼女に国務長官を依頼し、彼女は長女キャサリンにマスコミの運営を任せて国務長官に就任します。

    国務長官に就任してみると、まったくアウェイな四面楚歌状態で、補佐官であっても彼女を支持しているか怪しい。彼女はウィリアムズ大統領にさっそく韓国に派遣されますが、これはうまくいくはずのない交渉で、大統領が彼女に失敗させてさらしものにするため、と噂されました。

    ここで、イギリス、ドイツ、フランスで連続爆弾テロが起こり、多数の市民が殺戮されました。これは、中東のテロ組織が核兵器開発を行う原子力物理学者を殺戮しようとしたもの、と言われますが、学者たちは核兵器開発を指揮できるほど有能と思えず、どうもおかしい。

    また、エレンの息子であるギルはフリーランスのジャーナリストで中東とつながりがあり、テロの現場に居合わせて、関与を疑われることになります。

    エレンは、娘と唯一の腹心であるベッティ(高校からの親友でカウンセラーとして雇用)と少数の部下とともに、オマーン、テヘランへ飛び、イランの最高指導者と対面します。

    しかし、イランの最高指導者は、彼女のアラブ系の部下を逮捕し、彼女を国外追放にしてしまいます。しかし、これも、何かがおかしい。最高指導者がつぶやいた民話にどんな意味があるのか。エレンは娘とベッティをイランに残してアメリカに帰ります。



    非常になまなましい小説で、イランの最高指導者ハメイニ師も、トランプ前大統領も、ジョンソン英首相も、プーチン大統領も、名前こそ変わっていますが、すぐにそれとわかる形で登場します。そして、彼らの間の、何が真実で何が嘘かわからない、一髪触発の交渉もなまなましく描かれます。



    英語はやさしくありません。特に政治用語というわけではなく、交渉やアクションシーンの背景を描きこまれるため、平均的に語彙レベルが高いです。



    しかし、ゆっくり読んで、私はけっこう楽しみました。

    ビル・クリントンがジェームス・パタースンと組んで上梓したThe President is Missingは、クリントンの政治信条を思われる長広舌が挿入されるところはあるものの、ホワイトハウスや大統領について、一般に知られる内容より踏み込んだ要素はありませんでした。

    この小説は、真偽のほどは私にはわかりませんが、大統領執務室や国務長官のオフィスの場面、アラブの首魁やロシア首相との交渉、トランプ前大統領との交渉など、非常にリアリスティックに描かれます。

    ヒラリーは、自伝の中で描くのがはばかられる内容をあえて小説の形で書き残したような気もします。



    バラク・オバマとヒラリー・クリントンの真の関係がどうだったか、知りたいところです。

あわせてチェックしたい関連掲示板

学校を探す

条件を絞り込んで探す

種別

学校名で探す