都内男子校5校の先生が集結
前回に続き、足立学園中学校・高等学校で行われた座談会の様子をお伝えします。
座談会参加校(50音順)
足立学園中学校・高等学校(以下、足立学園)
暁星中学・高等学校(以下、暁星)
聖学院中学校・高等学校(以下、聖学院)
成城中学校・成城高等学校(以下、成城)
桐朋中学校・桐朋高等学校(以下、桐朋)
カブトムシ・鳥・城…のめり込む男子たち
ーーー好きなことに邁進する生徒のエピソードを教えてください。
暁星 川奈部先生
暁星の文化祭では、クラスやクラブ単位でなくても企画を出すことが結構あって、いろいろなオタクが集まって、各自が研究発表する不思議な空間が生まれたりします。ある一室では、都営バスについての展示物や研究発表がずらりと並んでいて、その横のエリアではビルの特集が組まれていて、建物の高さや建設会社を調べてあって、生徒が自分で撮影した写真とともに研究内容が展示されている。「一体何の空間なんだ?」と思いつつ、こういう企画は共学校ではなかなか成立しないんじゃないかなとも思いましたね。
桐朋 西條先生
鳥が好きで、校内にいる鳥をずっと観察している生徒がいます。桐朋は校舎の近くに混合林があって、鳥がたくさん飛んでくるんです。そして、私は生物の教員なんですが、学校で観察できる鳥を把握していないとその生徒に怒られるんです(笑)。生物が専門でも鳥に特別詳しいわけではないし、彼のほうがよっぽど詳しいのに。この前なんて、校舎にぶつかって気絶した鳥がいたとき、その鳥の種類や大きさを確認しておいてほしいと言われました。
聖学院 早川先生
生物部でクワガタやカブトムシの飼育にはまった生徒がいて、文化祭のとき自分が繁殖させた幼虫を大量に持ってきて販売していました。遊びに来た子どもたちは大喜びでしたが、彼の保護者は困り果てていて。「好きにやらせてあげてください」と伝えて、結果、文系の生徒でしたが大学で生物系の分野に進学していきました。
成城 和田先生
小学生のとき、中学受験の勉強のストレス発散のためにお城巡りをしていたという生徒がいます。成城に入学して、同じ熱量を持った中3の先輩と出会って意気投合。先輩・後輩もなく、好きなことを共有して「あそこへ行ってみよう」などと歴史研究同好会で活動していったところ、好きなことへの熱が感染するようにどんどん周りを巻き込んでいって、5、6名ほどだった会員がいまや30名近くいます。桐朋の鳥が好きな生徒のように、教員が教えを乞うくらいの知識を持っている生徒がたくさんいますよね。
桐朋 西條先生
教員と趣味が合う生徒もいます。万年筆が好きで収集して、同じく万年筆が好きな教員と盛り上がって話していたり。
足立学園 堂添先生
ずっとアメフトをやっていた体育会系の生徒が、コロナのワクチンのニュースをきっかけに政治に興味を持つようになったことがあります。選挙について調べ始めて、その結果、学校の生徒会に関心が向いて、生徒会をより良くするための案をバーッと書いてきたりして。それを一人で調べて考えてきたのかと思うとびっくりしましたね。
聖学院 早川先生
学校の宿泊行事で毎年お世話になっている地域があって、生徒が恩返しのために観光客やリピーターを増やそうとガイドブックを作り、それを市役所に売り込みにいって実際に置かせてもらったことがあります。
全員
すごい行動力!