【第1回:算数の学び方にはコツがある】受験のプロ講師が算数の学習法を伝授

「先生の授業は休みたくない」と生徒に言わしめる受験のプロ講師・州崎真弘先生が、著書『中学受験は算数で受かる』で紹介している算数の学習法を全5回の記事でお話しくださいます。第1回目のテーマは「算数の学び方にはコツがある」。算数の勉強に時間をかけているのに点数が伸びないと悩んでいるご家庭は、先生が紹介する「避けてほしい4つの学び方」を行っていないかチェックしましょう。

勉強のやり方を変えれば、成績はもっと伸びる!

勉強のやり方を変えれば、成績はもっと伸びる!

昨今の中学入試問題は非常に難解で、一昔前と比べてレベルは格段に上がっています。特に算数の難易度には目を見張るものがあります。とりわけ、中学受験の合否を握るのは算数です。算数は得意、不得意が点差となって表れやすく、得点差が目立つ教科です。つまり、算数で点が取れると合格もグッと近づくといえます。

算数はやり方しだいで、得点源になる教科です。ぜひ勉強のやり方を一度、見直して、合格を勝ち取ってほしいと思います。特に見直す効果が高いのは「塾や家庭での勉強の仕方」「時間の使い方」です。もしも、いくら時間をかけても算数の成績が伸びないという状況に陥っていたら、一刻も早く勉強の仕方、時間の使い方を見直しましょう。

避けてほしい学び方は4つある

成績が伸びない、もしくは成績が落ちてしまう子は、時間も労力もかけた割には成績に結びつかない学習をしています。その最たる方法が、「勉強しすぎ」と「低年齢からの無茶な勉強」です。この2つはデメリットのほうが多く、能率はおろか子どものやる気も落ちていきます。避けてほしいやり方の代表例は、次のとおりです。

◎1,000本ノック式勉強

やみくもに大量の問題を解きすぎている。順序立てていないので、学習効率が悪くなり、結果的に子どもが疲弊し、暗記に走りやすくなる。

◎無駄な繰り返し勉強

わかりきっているものに時間をかけすぎている。基礎を徹底させるために、ある程度の反復練習は必要だが、やみくもな反復は無駄になる。レベルアップに必要な基礎力を身に付けることが先決。

◎塾の宿題に追われる勉強

塾から出される大量の宿題に時間を使い、ほかの勉強まで手が回らない。その子に最も必要な復習する時間をつくれないため、学力が安定しない。

◎低学年からの早すぎる先取り勉強

低学年のうちから勉強漬け・暗記漬けになっている。自分から考えようとする意欲が育ちにくいというリスクがある。基本的な学力や学習姿勢を身に付けず、浅く広く勉強するクセがついた子は4年生以降、後から受験勉強を始める子に成績面で追い抜かれることが多い。

どうですか。もしも、お子さんがこれに当てはまっていたら要注意です。ぜひ、算数の成績が上がる効率的な学び方に切り替えていきましょう。次項から、これらの詳細を説明し、見直すポイントについてもお話しするので、お子さんの現状を見直す際のヒントにしてください。

成績不振の原因とは?

現在、僕は受験コンサルティングもしており、保護者の皆さんから日々いろいろな相談を受けています。中でも多いのが、「寝る間も惜しんで勉強しているのに算数の成績が上がらない」というご相談です。
どのように学んでいるのかについて、詳しく聞きながら不振の原因を探っていくと、大半のお子さんに共通していることがありました。それは、基礎が身に付かないまま、次々と新しい単元(勉強)に取り掛かってしまう学習の仕方です。これでは非効率で、実力がつきません。特に受験算数は難しいものが多い上に幅が広く、少々の勉強でマスターできるほどやさしくはありません。

また、復習ができていない子が多いのが気になります。まず、復習ができない子が多いのが気になります。算数は授業後の復習が大事です。塾で習った後、数週間や数か月も勉強しない状態でいると、すっかり忘れてしまいます。そうすると、またイチから勉強し直すことになり、多大な時間を費やすことになります。
それによって、時間と労力を必要以上にかけてしまいます。
こうした時間や量を減らすためにも、毎日少しずつでも授業の復習をする時間をつくり、じっくり基礎力を積み上げていくこと。これが大事になります。

このように、成績が伸びないことにはいくつかの理由があります。拙著『中学受験は算数で受かる』(すばる舎)では、主だった理由を紹介し、それぞれの対応策について具体的に説明しています。ぜひ、早めに原因を突き止め、手を打っていきましょう。

<実例>算数の勉強のやり方を変えて、第一志望に合格!

第一志望校に合格したある生徒の例をご紹介します。僕が進学塾の講師をしていた当時、6年生だった生徒から、成績の伸び悩みを解消したいとの相談を受けたことがありました。
当初、彼は塾の宿題の他にも、苦手分野の弱点補強をしたり、各種テスト対策や、志望校対策もすべてきっちり勉強したりしているとのことでした。でも、実態はというと、どれもこれも中身が薄く学力がつかないやり方でしたが、本人はやっている気でいたのです。一例を挙げると、次のような取り組み方をしていました。

・弱点補強の仕方→基礎など易しい問題(テキストの例題ばかり)を何度も繰り返す
・テスト勉強のやり方→実力が試されるような模試対策ではなく、毎週塾で行われる『目先の』復習テスト対策が中心なので自ずと暗記型の勉強が多くなる

ノートやテストプリント等を見せてもらったところ、以上のことが分かったのです。すべてが良くないやり方というわけではありませんが、いろいろと欠けている学習方法です。そこで、次のように改善しました。

・弱点補強の仕方→易しいものだけでなく、同型応用問題とセット学習が必要
・テスト勉強のやり方→毎週のテスト勉強はそのままで、かつ模試用に総合的な復習を、テーマを決めて取り入れる

さらに、各教科とも志望校の過去問を2、3年分ほどやって、見せるように言いました。まず、その子が得意だと思っている分野の合格ラインまでの距離感や、苦手教科でどこまでなら点が取れそうか、などを一緒に考えたのです。

「これ、ちゃんと点数をとっているやろ? だったら、先週ノートに解いていたような勉強はいらんよね?」
「合格点レベルまでなら、苦手でもここまでは必要やな!」

このように、日ごろの「勉強の中身」を見直す時間をとることで、生徒の意識が変わり、毎日の学び方が変わっていきました。志望校の傾向をつかむことで、毎週のテスト勉強でも「これは必要!」「これは軽くていい!」といったように、強弱をつけて学ぶようになったのです。

講師があれこれ注意しても聞き流されることは多々ありますが、生徒自身で自分のレベルを知り、どのような勉強が必要なのかが分かると、俄然スイッチが入ります。ましてや、それが結果の伴う「最短ルート」となれば、その子の持っている勢いもさらに増します。何がムダかと同時に、何が絶対必要かを感じさせる機会を、ぜひつくってほしいと思います。
このように算数は、学び方しだいでいくらでも得点源になる科目です。ぜひ、お子さんの成績が上がる効果的な勉強法を取り入れてほしいと思います。

第2回は「能率の上がる家庭学習のコツ」についてです。どうぞお楽しみに。

『中学受験は算数で受かる』

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州崎 真弘先生のプロフィール

中学受験算数/数学講師、受験Lab 代表。授業一本で生徒と向き合い、型にはまらない授業スタイル・生徒を引き付ける独特の口調での解答へのアプローチは、ほかの講師と一線を画し、内容はもちろん、楽しさと厳しさで振り向かせる授業を展開する。『州崎先生の授業は休みたくない』と常に高い人気と支持を集める。開成中、灘中をはじめとすると難関中学志望者、医学部受験を目指す大学受験生を中心に、キャリアアップを目指す社会人や大学生まで、28年以上で指導した生徒は4800名を超えている。現在は受験Lab代表として、中学受験の算数Web講座・オンライン授業・リモート個別指導・添削指導の他、保護者向け受験コンサルティングなど、トータルな受験指導者として活動している。