難関校ママたちに聞く!今だから語れる中学入試「本番前日~当日~合格発表編」(3ページ目)

ご縁があったときはたっぷり喜びを分かち合い、残念だったときは淡々と次に向かおう

ご縁があったときはたっぷり喜びを分かち合い、残念だったときは淡々と次に向かおう

エデュ:みなさんのご家庭では、合格発表をどのように確認しましたか? お子さまの様子やリアクションなども教えてください。

東京電機大学中ママBさん:
試験が続く中での発表が多かったので、まずは私1人でネット上の発表を確認する、という状況でした。その中で、受かっているときには、「やった! 合格したよ!」と本人にも見せて、喜びを分かち合いました。でも、ご縁がなかったときは、本人から「そういえば結果どうだった?」と聞かれるまでは伝えませんでした。「残念だった」と伝えると、本人も淡々と受け止め、「じゃあ明日、頑張ろう」と、次の試験に気持ちを向けるようにしていました。第4志望まで受験して、ダメだったところもありましたが、本人が泣いたり落ちこんだりするようすはなかったですね。

渋谷教育学園幕張中ママCさん:
わが家では、「合格発表は受験をした本人が見る」とルールを決めていました。「私の受験だから、私が最初に見る」と。なので、娘が他校の受験中、そろそろ渋幕の結果が出ている時間だな…と思っても、絶対に見ないようにガマンしました。入試を受けたあと、塾で自己採点をした時点では、あまり手ごたえがなかったのか、本人は涙ぐみ、「2月2日の二次に向けて頑張る」という気持ちだったのですが、無事に合格をいただけて大喜びでしたね。

鷗友学園女子中ママAさん:
第一志望の鴎友は2月1日に受験、2日に合格発表です。2日は受けたい学校がなかったので、娘は家にいて、2月3日の鴎友の二次に備え、前に間違えた問題の解き直しなどをゆるくやっていました。合格発表は正午と決まっていましたが、必要以上にドキドキさせたくなくて、本人には明確な時間を伝えていませんでした。「発表はいつごろかな? けっこう時間がかかるかもね」なんて言いながら。実際の私は、表情には出さないものの、心臓をバクバクさせつつ、家で仕事をしていたのですが。お昼の12時になり、娘に見つからないようにネットで結果を見たら…受かっていたんです! それで「結果、出ているみたいだよ」と、さも今気づいたかのように本人に伝え、2人で改めて結果を見て、大喜びしました。

まとめ

みなさんの座談会を聞きながら、思い出すのは6年前、娘の中学受験時の合格発表です。第一志望だった某大学付属中の掲示板に、何度見ても娘の番号がない! なんで? そんなはずがない!持ち偏差値も足りているし、塾の先生にも「きっと大丈夫」と言われたのに…。ふと娘の顔を見ると、今にも泣きだしそうな表情です。私は我に返りました。ここで自分がうろたえたり、取り乱したりしたら、娘の頑張った日々を否定することになってしまう。私は大きく深呼吸し、できるだけ爽やかな笑顔でこう言いました。「この学校にチャレンジできてよかったね。頑張っている姿は本当に誇らしいし、格好いいよ。ここにはご縁がなかったけれど、すでにご縁をいただいた学校も、これから受験する学校も、どれもが第一志望といえるくらい、素敵な学校だよ。さあ、おいしいものを食べて、次、がんばろう」。私の飄々とした態度を見て、娘の涙は引っ込み、「そうだね、明日も頑張る!」と新たな闘志を燃やしていました。では、今回のポイントをおさらいしましょう!

1.受験の前日は、本人がリラックスできるよう、勉強はゆるめに、間違えやすいところを確認する程度でOK。受験後にどんなことをしたいかを家族で話し合ったり、遊びの計画を立てたりすると、気分が明るく、前向きになれるのでおすすめ。

2.コロナ禍の受験では、予期せぬことが起こる可能性も。気持ちに余裕が持てるよう、事前に会場までのアクセスや昼食のとり方など、当日の行動シミュレーションを立てておこう。

3.今年度は面接を復活している学校が多いが、直前の変更も大いにあり。いろいろな場合を想定しつつ、洋服をそろえたり、受け答えを練習したり、慎重に面接対策をすすめよう。

4.合格発表は、親が先に確認するパターンや、本人自ら確認したいと主張するパターンなど、家庭によってさまざま。親の感傷的な態度や反応は、子どもの心に大きな影響を残すと考え、ご縁があったときはたっぷり喜び、残念だったときも「最後までよく頑張った!恰好いい!」「チャレンジできたことが誇らしい」「この経験は、人生の宝物になる」「さあ次、がんばろう」と、頑張った過程を丸ごと肯定し、軽やかに声をかけよう。