【中学受験2023】先取り!時事問題(6)国葬について正しく説明できますか?

9月27日に戦後2例目となる首相経験者の国葬が行われました。国葬は誰がどのような流れで決めているか説明することができますか?スタディアップの野村恵祐さんが中学受験生に向けてわかりやすく解説します。

9月27日に行われた国葬に関する問題

2022年9月27日、( a )元首相の国葬(国葬儀)が、東京都千代田区の日本武道館で行われた。国葬には、( b )首相や皇族方、海外要人などの多くの人が参列した。
( a ) ( b )に当てはまる語句を答えなさい。

※解答はページの最後で紹介しています。

解説および関連キーワード

2022年の9月27日は、在任期間8年8か月、歴代最長となる首相の国葬が行われました。首相経験者の国葬は1967年の吉田茂元首相以来、戦後2例目です。しっかりと押さえておきましょう。

そもそも国葬って何?

国葬とは、国に功労のあった人が亡くなった場合に、政府が主催し、全額国のお金で行う葬儀を指します。ニュースなどでは国葬という言葉がよく使われていますが、正式には「国葬儀」と呼びます。なお、どのような基準で国葬を行うかを明確に定めた法律はありません。

政府は今回の国葬の法的根拠として、内閣府の所掌事務を規定する内閣府設置法をあげました。この4条3項には、「国の儀式」という部分があり、今回はこれに当たると位置づけました。

国葬決定までの流れ

元首相が銃撃を受け、亡くなったのは7月8日でした。そこから約1週間後の7月14日には首相が国葬を行うことを表明し、国会審議を経ず7月22日に閣議決定しました。

閣議とは、文字どおり閣議による決定ということです。閣議は、内閣総理大臣およびそのほかの国務大臣で構成され、閣議における議決は全員一致でないと認められません。今回の国葬は、この流れで決定されました。

国葬には反対の声も

今回の国葬に関しては、国会や司法の意見をしっかりと聞いた上で決まっているわけではありません。そのため、世論でも安倍元首相が国葬にふさわしいという意見もあれば、ふさわしくないという意見もあります。歴代最長の在任期間で、海外の首脳ともコミュニケーションをとり、アベノミクスという経済を中心として、様々な政策も行いましたが、それらの政策が本当に良かったかどうか、評価も非常に難しいと言われています。また、国葬においては、こうした評価の問題を解決するために、国葬にする人の基準を設けるべきだという意見も出ています。

解答はこちら

( a ) 安倍晋三 ( b ) 岸田文雄

野村 恵祐(のむら けいすけ)さん

野村 恵祐(のむら けいすけ)さん

群馬県生まれ、広島県育ち。愛光高校、慶應義塾大学商学部卒業。
中学受験 社会科専門塾「スタディアップ」代表。家庭学習で社会全分野の効率の良い授業がたった13時間でマスターできるCD教材「コンプリートマスター」や、社会の最重要キーワードをまとめた一問一答問題集「プラチナインプット」、最新の時事問題を収録した「時事問題ターゲット」などの教材開発を行い、通販を通じて年間に3,000名以上の受験生、及びその父兄と関わっている。

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主な著書に『中学受験は社会で合格が決まる』(講談社)や、『中学受験 社会 合格への家庭内戦略』(小学館)、『中学受験 第一志望に合格したいなら“社会”の後回しは危険です』(学研プラス)などがある。

また、「あなたが探す中学受験情報の答えがここにある!」をコンセプトに掲げたメディアである「中学受験アンサー」も運営しており、中学受験生の保護者のために情報提供も行っている。

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