反抗期の問題リスクになるもの ~危険因子と保護因子を知る【反抗期を科学する・7】(3ページ目)

保護因子 ~ある事柄のリスクを下げるもの~

保護因子とは、危険因子とは逆に、「ある事柄のリスクを下げるもの」を意味します。

保護因子 ~ある事柄のリスクを下げるもの~

喫煙が病気の様々な危険因子であるならば、「栄養バランスの良い食事」「規則正しい生活」は、保護因子になります。
つまり、危険因子と保護因子の両方を知ってこそ、ターゲットになっている事柄を予防する方法がはっきりします。(この場合だと、禁煙して、栄養バランスの良い食事をとり、規則正しい生活をすれば、病気になるリスクを下げられる、となります)

思春期の問題リスクを下げる保護因子

では、思春期の問題リスクを下げる保護因子とは何でしょうか。
このことについても、実は既に研究が進んでいて、たくさんのことが分かっています。
その一部を紹介しましょう。

思春期の問題の保護因子

個人にかかわること IQの高さ、コミュニケーションスキルなど非認知スキルの高さ
環境にかかわること(家庭) 保護者との関係の良さ、裕福であること、保護者の学歴の高さ、保護者のメンタルヘルスの安定、地域との関係の良さ
環境にかかわること(学校) 質の高い教育、良い友達の存在、その子どものことを気に掛けてくれる大人の存在(保護者以外で)、夢中になれる活動の存在、実現可能と思われる将来の夢の存在

いかがでしょうか。
先ほどと同じく、これらもデータを統計的に処理した結果、見えてくるものです。それ以上でもそれ以下でもないことに注意してください。

ただし、保護因子は、私たちに希望を与え、方向性を示してくれるように思いますが、皆さんはどう感じますか。