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【3753709】合格者偏差値と進学者偏差値のなぞ

投稿者: 比較文化論   (ID:BxkObhzgFzk) 投稿日時:2015年 05月 31日 10:05

複数受験日の学校は、限られた定員に対して受験者が多く集まり、必然的に合格に要する偏差値は高めになります。 それでも最終的には併願校に多く流れるので合格者偏差値はグッと低くなります。

例えば2015年の桜蔭と渋幕を比較してみます。受験日が1日しかない桜蔭の募集定員は240名で、合格者は271名。必然的に合格者偏差値と進学者偏差値は近くなります。僅かな補欠を加えてもそれは変わりません。

一方、複数回の受験日が設定されている渋幕の場合には、募集定員は1回目と2回目を合わせた男女合計で260名ですが、これに対する合格者数は合計で826名に及んでいます。抑え組みが多く抜けるので実際の進学者偏差値は低いと推定されます。

この様に抑え組みが多く抜ける学校は合格者偏差値と進学者偏差値の乖離が大きいのが特徴です。

ところで、合格者偏差値が全く同じで受験日が1日しかない学校Fと、複数受験日の学校Hがあったとします。 当然、Hの方が進学者偏差値は低く、結果として大学へのアウトプットも低いから、学校の評価としてはFに劣ります。 (大学で良い成果をあげるために中高の教育は大切ですが、本質的には優秀な生徒をどれだけ囲っているかで大学進学実績は決まります)

ここで、「FとHは合格者偏差値が同じ」という切り口で、「だからどちらの学校もレベルは同じ」と誤解してみます。 するとHの合格者の中から、併願他校を選ばずにHに進学する者が次第に多くなるので、進学者偏差値は上がりFに近付きます。 勿論この時点では合格者偏差値がFを上回っていないのだから、アウトプットは最大でもFと同程度にしかならない訳で、余程学校に魅力がない限りHはFを追い越すはずはありません。

でも確実に進学者偏差値は上がり、もしもFとHの間に、Hより若干偏差値高めの学校Gがあれば、その学校を簡単に追い越すでしょう。 すると「勢いのある学校」、「将来伸びる学校」という評価を勝ち取る事ができ、さらに高い偏差値を持つ生徒の併願校として認められます。 またその結果、合格者偏差値も次第に上がり出します。

やがて、進学者偏差値はFより低く、勿論大学へのアウトプットも大したこと無いにも関わらず、合格者偏差値はFより高いという不思議な現象が発生します。 そして今度はFを偏差値で抜いたと話題になり、Fより評価の高い学校Eと並んだと盛り上がり、次の目標がEを追い抜くことになります。

つまり、保護者家庭が合格者偏差値と進学者偏差値の違いをはっきり認識せず、「どちらの学校もレベルは同じ」と誤解すると、学校の実質は何ら変わらずとも、この無限機関によって限りなくSランクの学校に成り上がる事が可能です。

見事にこの無限機関を実践して底辺から這い上がった学校があったとするならば、巷では高い評価を得ることができるかもしれませんが、それでも何も改革をしなければ、先生の質、教育の質、学校の風紀、トラブル発生率など、学校の本質はHランクのままです。

家庭は合格者偏差値と進学者偏差値の違いをはっきり認識し、急激に偏差値が上昇した学校の真の理由が何処にあるのかを確認する必要があると思います。

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  1. 【3753993】 投稿者: というよりも  (ID:SpmMBQYiVxE) 投稿日時:2015年 05月 31日 14:52

    中学受験では、別学と共学の間の堀は深いですよ。
    なかなか飛び越える人はいません。

    高校受験だと、ちょっとした溝程度なので、簡単に飛び越えるんですが。

  2. 【3754009】 投稿者: 桜蔭対渋幕の問題というよりも  (ID:YtiuoFTMvWk) 投稿日時:2015年 05月 31日 15:10

    底辺からトップまでに関係する問題でしょうね。

  3. 【3754014】 投稿者: 男子では  (ID:hbaOo6bnH7.) 投稿日時:2015年 05月 31日 15:20

    本郷とか良く話題になってた。多くの親は冷静にみてると思うけど、一部偏差値マニアのお受験アナリストに踊らされる人もいる。

  4. 【3754023】 投稿者: 進学者偏差値が知りたい  (ID:YtiuoFTMvWk) 投稿日時:2015年 05月 31日 15:35

    実際のところ補欠でもなんでも希望する学校に入れれば言い訳で、上位が多量に抜けていく場合は合格者偏差値はあてにならない。
    それより、入学したレベルの子供達がどのレベルの大学に合格したかの方がよほど気になる。
    そう言った意味で、本当に価値が有るのは入学者偏差値だと思います。

  5. 【3754025】 投稿者: 放物線  (ID:GCOMsdz9Y9s) 投稿日時:2015年 05月 31日 15:40

    偏差値マニアのお受験アナリストに踊らされるなんて保護者、本当にいますか。入口だけでなく、出口の大学合格実績をチェックすれば、普通に冷静な判断が下せると思います。

  6. 【3754034】 投稿者: そうですよね  (ID:aQX42Kg60Z6) 投稿日時:2015年 05月 31日 15:52

    例えは渋幕の場合、
    同程度の偏差値の男子校、女子校と比べて
    進学実績が悪すぎる。
    1月校なんだし、
    偏差値の方が高く出過ぎているだけなのは、
    一瞬でわかること。
    誤解する人がそんなにいるとは思えないけどな。

  7. 【3754045】 投稿者: これが  (ID:DZiVwE3thh2) 投稿日時:2015年 05月 31日 16:16

    底辺から這い上がる途上の併願校の場合、ちょっと事情が異なる。
    こういう併願校は優秀層が受験するにしても、第3志望か第4志望。
    いわゆる最後の滑り止め。
    保護者も本当に入学するようなことは想定していないから、第1志望や第2志望の学校ほどは、緻密な判断を下さない。
    見栄を張るような心理も働くので、大学進学実績が悪くても、そこそこ偏差値が高い併願校を選びがち。
    ところが、毎年のように「万一のため」に受けただけの学校しか合格せずに、
    想定もしていなかった学校に入学することになる生徒が出てきてしまう。
    その「まさかの本命校残念」組が6年後に、底辺から這い上がる原動力になってくれる。
    したがってハッタリの偏差値というのは、底辺から這い上がる途上の併願校にとっては大変重要。
    大阪桐蔭方式の塾への接待攻勢は不可欠。

  8. 【3754145】 投稿者: なるほど  (ID:j5xUENzXGY.) 投稿日時:2015年 05月 31日 18:23

    お試し受験を進める理由のひとつかも

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