反抗期の突破口!リスクを上下させる4つのもの【反抗期を科学する・8】(2ページ目)

反抗期にかかわるスーパー危険因子

それが何か――(前回の最後にクイズにしましたね)ですが、まずスーパー危険因子(危険因子の中で、強い影響力を持つもの)として、貧困と孤立が挙げられています。

反抗期の2大スーパー危険因子

この2つは、思春期の問題など、子どもの発達リスクを高めるだけでなく、引きこもり、不登校、依存、メンタルヘルスの悪化、自殺、不就労、犯罪、次世代の貧困など、ありとあらゆるリスクを高めることが分かっています。

貧困問題解決の手立て

そのため、貧困問題を解決するために、生活保護をはじめとする、様々な支援が社会的に用意されています。
同時に、社会的孤立を避け、地域のつながりを全ての人に提供することを目的に、民生委員の制度があり、孤立リスクの高い一人暮らしの老人等を対象にした訪問プログラムなどが行政によって行われています。

子どもの孤立

子どもの孤立

貧困は、子どもの問題というよりも家庭全体のことになりますので、ここでは孤立を中心に取り上げますが、実際、独りぼっち(友達、遊び相手がいない、集団に属していない)の子どもは、不登校、いじめ被害、インターネット依存、メンタルヘルスの悪化など、様々な問題のリスクが高くなることが知られています。

よって、孤立を防ぐことが、思春期リスクをはじめとする様々な問題を予防する可能性があります。

そこで、考えてみませんか?

あなたのお子さんは、孤立していませんか? 友達はいますか? 何か集団に属していますか?
もちろん「悪い友達」は危険因子ですので、気をつける必要がありますが、孤立は強力な危険因子です。

親も誰かとつながっていて

親も誰かとつながっていて

もしあなたのお子さんが、反抗期と思えるような行動、もしくは何らかの問題を抱えていたとしたら、友達がいるかどうかを確認してみたらいいかもしれません。学校の友達でなくても大丈夫です。悪い友達でないのであれば、多少、年齢が離れていても、SNSでのつながりが主になってもよしとしましょう。

何かつながりがあり、孤立していないのなら、ちょっと安心できるかもしれません。一方、誰とも話をしていない、友達がいないとなったら、気をつける必要があります。学校や行政など、相談できそうなところを探して、子どもの状態について、話してみることが重要です。孤立は大きな危険因子です。親の孤立、家庭の孤立もリスクを高めます。親自身も誰かとつながった方がいいに決まっています。