「こころ」ではなく「行動」に注目!反抗期に親だからできること【反抗期を科学する・9】(5ページ目)

他にもこんな気づきがあるはず!

「あれ? この子の行動がおかしいのは週末に集中している? 週末に何か原因があるかも?」など、一定期間、記録してこそ分かることもあるでしょうし、「結局、子どもの不機嫌行動には、母親が対応するより父親の方がいいみたい」のように対応方法に気づかされる場合もあるでしょう。

さらには、「あの子は、部活がない日にイライラするから、そんな日は気をつけよう」とか「子どもが怒り出しても、だいたい30分で済むから放っておこう」「あの子は音楽が好きだから、イライラしていたら、音楽を聴くことを勧めよう」とか、いろいろとアイディアが出てくる可能性があります。

反抗期で困ったら『行動』に注目!

反抗期で困ったら『行動』に注目!

こんな風に子どもの行動について分析する手法は、応用行動分析学として既に体系化されていて、このやり方の専門家もいるほどなのです。もし興味があるようでしたら、さらに学んで欲しいですし、場合によっては、こうした分野の専門家を探して相談にのってもらうのも良いかもしれません。

反抗期で困ったら、とりあえず子どもの『行動』を観察し、記録してみること――。客観的な観察と記録は科学の始まりです。

次回(10月18日公開予定)はさらに子どもの『行動』について注目し、どのように支援すべきか、考えます。

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和久田 学(わくた まなぶ)先生

和久田 学(わくた まなぶ)先生

小児発達学博士、子どもの発達科学研究所主席研究員、大阪大学大学院特任講師、日本児童青年精神医学会会員及び教育に関する委員会委員、日本LD学会会員。教員経験ののち、連合大学院で博士号を取得した稀有な経歴を持つ研究者。日本の教育、子育ての世界に科学的根拠に基づく先進的な研究やプログラムを導入。「愛と科学は両立する」を信条に、子どもたちが本来持っている能力を存分に発揮できるよう、研究・開発・社会実装に力を注いでいる。
著書に『科学的に考える子育て~エビデンスに基づく10の真実~』(緑書房)、『学校を変える いじめの科学』(日本評論社)。その他論文多数。

子どもの発達科学研究所

子どもの発達科学研究所は、子育て、いじめ予防、就労支援等に関し、科学的根拠に基づくプログラムの研究開発と提供を行う日本では数少ない社会実装団体。なかでも脳科学、行動科学、疫学統計学による『3Ds(スリーディーズ)アプローチ』は、実効性の高いオリジナルプログラムとして注目を集めている。
また、子どもの「こころ」の発達や、子どもの「学び」に関する正しい支援・対応について学習する講座をシリーズで提供。教育関係者や保護者の方々から高い評価を得ている。幼児期から思春期における成長を科学で支え、健やかな未来へと導くため、当研究所は研究、開発、コンサルティングなど、幅広い活動を行っている。