
バブル崩壊後「リーダー人材不足」の危機感から生まれた学校

海陽が目指す教育と、その背景にある西村校長のお考えをお聞かせください。
西村校長 海陽は将来の日本社会を牽引する新しいリーダーを育てることを目的とした学校です。ただ学力を伸ばすだけでなく、協調性、課題を設定する力、やりきる力といった点数化できない「非認知能力」を集団生活の中で伸ばすことを重視しています。将来、子どもたちが有名大学、有名企業に入っても、社会で活躍できるかは分かりません。最後に物を言うのは「非認知能力」と本人の「志」です。

そうしたお考えを持つに至ったご経験を教えてください。
西村校長 私は京都大学在学中に、アメリカンフットボール部主将を務め、卒業後は会社員生活を送りながら母校でコーチに当たりました。その中で、京大が運動能力の高いメンバーを揃えた私大に勝てるのは、優れた非認知能力を持っているからだと気づいたのです。そして、「京大在学中にリーダーとして育てられた恩返しがしたい、それなら次世代の子どものために貢献しよう」と思い、教育者となることを選びました。
寮ではなく「ハウス」で過ごす「60人兄弟」

海陽の生徒はどんな生活を送っていますか。
西村校長 全国から個性豊かな子どもたちが集まり、学力を高めながら、自治を重んじる環境の中で成長していきます。自由に使える時間が多いという全寮制のメリットを活かして、数学の国際大会「数学オリンピック」などに向けた課外活動に打ち込む生徒も目立ちます。土日の行事や企業の現場に出向くイベントも盛りだくさんです。学校設立に関わった企業の協力のもと、社会に触れる濃密な体験ができますよ。

生徒たちは集団生活の中でどのように人間関係を築いていきますか。
西村校長 寮対抗で競うイベントが多く、チームで協力して本気で勝ちにいく中で絆が生まれていきます。1棟に60人の兄弟が生活しているのをイメージしてください。本校では寮を「ハウス」といいます。イギリスのリーダー養成校に倣い、学ぶ場所であると同時に「家族のように暮らす場所」という意味を込めて、そう呼んでいるのです。

海陽の寮生活の特色を教えてください。
西村校長 ほかの学校にはない取り組みとして、ハウスの各階に「フロアマスター」というスタッフを置いています。「フロアマスター」は大手企業から派遣された若手社員で、生徒とともに生活をしながら、学校生活についてのアドバイスをしたり、社会経験を語ってくれたりする存在です。生徒は彼らから多くを学び、強い信頼関係で結ばれます。さらにハウス1棟ごとに「ハウスマスター」も置き、全体を統括しています。
2025年までのロードマップ!海陽はどう変わる?

今後、力を入れたいことを教えてください。
西村校長
建学の精神「将来の日本を牽引する人材の育成」に立ち返って、31の施策をまとめたロードマップを作成しました。社会のトップに立つためには、さまざまな資質が必要になりますが、「非認知能力」にスポットを強く当てていきたいと考えています。
これを可視化し、育成するために、Z会と協働して「ディスカバリーメソッド」という新しい教育プログラムを導入しました。また、読書指導や演劇、STEM教育にも力を入れていきたいです。こうした取り組みを積み重ねながら、2025年に本校に世界中から子どもたちを招いて「海陽シンポジウム」を開くことを目指しています。
中学受験生にメッセージをお願いします。
西村校長 本校のある卒業生が大学生のときのことです。「海陽に入って良かったことは?」と聞くと、「一生の友だちができたこと」と言っていました。でも、会社に入ってから同じ質問をすると「さまざまな個性を持った人と共同生活をしたこと」と答えが変わっていました。海陽の6年間は「いつか価値が分かること」でいっぱいです。ハウス生活に興味がある方はぜひ見学に来てください。
生徒インタビュー!スマホの代わりに「特別な学び」がある生活
ここからは生徒の皆さんに普段の学校生活についてうかがいます。

※中等教育学校では中学1年生~高校3年生に当たる学年を1〜6年生と表記します。
学校の魅力紹介をお願いします。
浦上くん 自分を高められる環境が整っていることが魅力だと感じています。優秀な生徒と先生が常に身近にいる事で自分の課題を発見できますし、スマートフォンやゲームがない生活だからこそ、自分を高めるために多くの時間を使うことができます。
岡田くん 将来のヒントをくれるフロアマスターがいることに注目してほしいです。海陽のOBもいて、いつも頼りになる存在だし、中学生時代から企業に入るまでを詳しく話してくれたこともありました。もちろん周りの生徒もすごく刺激をくれる存在で、個性豊かだし、学習意欲が高く、僕も何事にも積極的になれました。



寮生活の長所を教えてください。
浦上くん 一番は深い人間関係を築けることだと思います。入寮当初はホームシックにもなりましたが、周りのみんなが同じような寂しさを感じていたことが分かり、助け合うことで連帯感が高まりました。今では、ハウスの仲間と関わっているときが学校生活の中で一番楽しいです。

岡田くん 全国から集まる生徒が一緒に暮らすので、揉めることだってあります。でも、そんなときはほかの友だちが関係を元に戻せるような空気をつくってくれるんです。ハウスは、みんなが快適に暮らすための場所なので、一部の生徒の仲違いも周りが解決していこうという発想になるのだと思います。
海陽で磨かれる真のリーダーシップ
海陽に入学してから自分が成長したと感じることを教えてください。

浦上くん 過去にはリーダーを務めるなかで周りの支持を得られなくなったこともありました。そこで、友人のリーダーシップの取り方を参考にして、自分の理想ばかりを貫こうとするのではなく、ほかの人の意見に耳を傾けることや普段の何気ない関わりの中で信頼関係を築くことの重要性を学びました。幾度にもわたるリーダー経験から、自分自身の成長を実感しています。

岡田くん 僕もリーダーシップを取りたい性格なのですが、海陽の「ディスカバリーメソッド」という授業プログラムを体験して、リーダーだけではなく、それを補佐するフォロワーシップの大切さを知りました。このプログラムは一つひとつの学習活動について、問題点を洗い出しながら振り返るというものです。「今度の授業ではフォロワー側としてサポートしよう」と反省し、実際にやってみるとグループ全体にまとまりが生まれたことがあります。今までのリーダー経験が活かせたのも実感できました。フォロワー経験もいつかリーダー経験に活かせるのではないでしょうか。
最後に受験生へのメッセージをお願いします。
浦上くん 早く親から自立したいと思っている受験生もいると思います。そういった受験生こそ、自分の理想の時間が多く得られる海陽に是非入学していただきたいです。海陽での有意義な生活を送るうちに親の有難みも分かり、大きく成長できると思います!
岡田くん 海陽ではフロアマスターやキャリア教育で出会う方から社会について学べます。自由な課外活動もたくさん待っています。楽しい未来を掴むために頑張ってください!
編集後記
日本を牽引する人材を育てる海陽。温かな雰囲気の西村校長、そして真剣に毎日を送る生徒とお会いして、これから社会で活躍する方が次々と現れるだろうと確信しました。まだ開校18年目の新しい学校ですが、今後存在感を増していくでしょう!
イベント日程
※下記以外にも名古屋・大阪などでも実施。詳しくは学校公式サイトでご覧ください。
イベント名 | 実施日時 |
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オンライン学校説明会(Zoom) | 5月13日(土)19:00~20:30 |
学校説明会(東京・飯田橋会場) | 5月20日(土)10:00~12:00・14:00~16:00 |
イブニング学校説明会(東京・東京会場) | 5月26日(金)19:00~20:00 |
オープンスクール | 5月28日(日)10:30~13:30 |
イブニング学校説明会(東京・新宿会場) | 6月9日(金)19:00~20:00 |
オンライン学校説明会(Zoom) | 6月11日(日)14:00~15:30 |
学校説明会(神奈川・横浜会場) | 6月18日(日)10:00~12:00・14:00~16:00 |
学校説明会(東京・飯田橋会場) | 6月25日(日)10:00~12:00・14:00~16:00 |
イブニング学校説明会(東京・東京会場) | 6月30日(金)19:00~20:00 |