生徒が自らつくる修学旅行。足立学園の自立を促す唯一無二の体験

足立学園中学校・高等学校
足立学園中学校・高等学校(以下、足立学園)では、生徒が主役となり修学旅行をつくり上げるユニークな取り組みを行っています。行き先の候補選びから下見、現地での行動計画に至るまで、生徒自身が企画・調整を担当。2025年度の修学旅行では、シンガポール・北海道・沖縄が舞台となり、生徒たちは準備から実施までの過程で大きく成長しました。本記事では、「生徒がつくる修学旅行」の魅力をお届けします。

「行かされる」から「つくる」へ。足立学園の修学旅行改革

足立学園の修学旅行は、生徒が自ら立案・運営する生徒主導型という特徴があります。理科教諭で旅行委員の桑原先生と、修学旅行委員を務めたオコインさん、阿部さんに、特徴的な修学旅行の内容について教えてもらいました。

足立学園の修学旅行について教えてください。

桑原先生(旅行委員/シンガポール引率) 足立学園の修学旅行は、生徒第一主義という考えのもとに運営しています。生徒が自分の手でつくることで、一生の思い出に残る修学旅行になると考えています。その過程では困難に直面することもありますが、あえて多くは口を出さないようにしています。具体的には、修学旅行委員の生徒が候補地を決め、学年全体で投票により行き先を決定します。その後、委員が現地を下見し、交通や宿泊、見学地の安全性などを確認。旅行会社との打ち合わせも生徒が担当するなど、社会で必要な交渉力や判断力を自然に磨く場にもなっています。

修学旅行委員に立候補した理由と委員の役割について教えてください。

オコインさん(探究コース/北海道修学旅行委員) 自分でイベントを企画、実現したかったから立候補しました。活動は少なくとも週1回程度あり、日々の打ち合わせや意見出しを重ねました。自由度の高い修学旅行にしたいという思いがあり、みんなが興味を持てるかを第一優先に考えて計画を立てました。

今回の修学旅行でシンガポールが候補地に選ばれるまでどのような過程があったのでしょう。

阿部さん(探究コース/シンガポール修学旅行委員) 今回の修学旅行で唯一の海外でした。行き先が決まるまで、6回に渡るアンケート調査を実施し、「何に興味があり、何を目的としているのか」という点を重視して意見を集めました。またアンケートにしっかり回答してもらえるよう、廊下に修学旅行までのカウントダウンを掲示したり、各方面の行程をイメージしやすいように私が説明する動画を配信したりするなど、生徒が「飽きずに関われる」工夫をしました。

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ
有名な観光地「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」を訪問(シンガポール修学旅行)

“自分たちで創る旅”を叶えた委員たちの挑戦

下見もされるそうですが印象に残っていることについて教えてください。

オコインさん 委員長から推薦してもらい、下見に行きました。北海道に行くのは初めてで、移動時間の長さに驚きましたが、実際に現地を見て流れをつかむことができました。業者の方とのやり取りでは、自分も一人の人間として交渉に立つという緊張感を味わい、不測の事態を考える力が身につきました。

委員としての活動の中で、大変だったことや学びになったことを教えてください。

阿部さん 旅行会社との折衝です。旅行会社探しも生徒自身で行い、メールでやりとりをしました。学生のうちから数百万円規模の仕事をお願いする経験があるなんて思いもしませんでしたし、先方も高校生ではなく1人の大人として接していただいたため世間のイロハや作法を学ぶことができました。

修学旅行を終えた今、どんなことを感じていますか。

阿部さん マレーシアの大学生との交流や南洋理工大学・佐藤教授の講演による近代的な学びや、文化や歴史にも触れることができました。自分の足で国境を越えるという、日本では味わえない貴重な体験ができました

現地の学生と交流(シンガポール修学旅行)
伝統工芸も体験(シンガポール修学旅行)

オコインさん 自分たちで作り上げた修学旅行を、みんなが満足し、楽しんでくれたのが何よりうれしかったです。

北海道・洞爺湖での記念撮影
洞爺湖を訪問(北海道修学旅行)
スキーを楽しむ写真
みんなでスキーも楽しんだ(北海道修学旅行)

「行って終わり」ではない。心に残る学びの瞬間

沖縄の旅行委員を務めた野田さんにもうかがいました。

実際に修学旅行に参加して印象に残っていることを教えてください。

野田さん(探究コース/沖縄修学旅行委員) 一番印象に残っているのは沖縄の「ガマ」を訪れたことです。私たちが訪れたのは、沖縄でも珍しく民間の方々の中に生存者がいたガマで、施設の方から「英語を知っているかどうかが生死を分けた」という話を聞き、知識を持つこと、学び続けることの大切さを感じました。

班別行動など、生徒主導での活動も多かったそうですね。

野田さん 沖縄方面は人数が少なかったこともあり、修学旅行委員以外の生徒も積極的に企画に関わることができました。全員の意見が反映され、より一体感のある旅になったと思います。

修学旅行を通して感じたことを教えてください。

野田さん 足立学園の修学旅行の魅力は「生徒主導でつくり上げる自由度」と「学びと楽しさの両立」です。自分たちで理想の旅行を形にできる点が最大の魅力だと感じました。

沖縄の空の下で
ビーチで記念撮影(沖縄修学旅行)
沖縄戦についても学んだ(沖縄修学旅行)

先生が見た“手を離す勇気”と、生徒の成長

桑原先生はこの修学旅行委員の活動にどのような思いを持っているのでしょうか。今後の展望とともにうかがいました。

生徒主導の修学旅行を始めた経緯について教えてください。

桑原先生 前校長が掲げた「生徒第一主義」というモットーがきっかけです。個人的にも、「面倒見が良い指導」にはあえて手を離す時期も必要だと考えています。

昭和新山前で記念撮影した写真
昭和新山にて参加生徒全員で記念撮影(北海道修学旅行)

修学旅行委員の活動を見て、どんな成長を感じましたか。

桑原先生 学びや自由など、方面ごとにテーマを決め、楽しむだけの旅行にしなかった点が印象的でした。自分の考えを他者に伝え、必要であれば素直に協力を仰ぐ姿勢も成長したと感じます。保護者向けの修学旅行報告動画を作ろうという案が生徒から出たことも印象的でした。旅行の成功を通して自信をつけ、顔つきまで精悍になったと感じます。

今後の展望について教えてください。

桑原先生 今後も生徒主導の形式を継続したいと考えています。クラス単位や10人単位など、少人数で企画・立案から行う「全員参加型」の修学旅行を実現したいです。

「やってみたい」が叶う学校へ。未来の後輩たちへ

阿部さんとオコインさんから、受験を控える中学生・保護者へメッセージをいただきました。

阿部さん 足立学園の魅力は、挑戦を受け入れてくれる環境です。修学旅行のように、生徒が中心となって企画を進める機会がたくさんあります。うまくいくことばかりではありませんが、先生方が最後まで信じて見守ってくれるので、安心して挑戦できます。

オコインさん やりたいことがある人も、まだ見つかっていない人も、足立学園では「やってみたい」という気持ちを大切にしてくれる先生がたくさんいます。僕自身も、修学旅行委員としての活動を通して、不測の事態を考える力や責任感を身につけることができました。

和気あいあいとした移動中のバス
移動中のバスにて。行く先々で多くの刺激を受けた(シンガポール修学旅行)

編集後記

行き先の選定から現地での判断まで、生徒が主体となって動くその姿には確かな自立心が宿っていると感じました。先生が信じて任せ、生徒が応える。その関係性が、足立学園らしい「生きた学び」を生み出しているのでしょう。阿部さんはこうした足立学園の取り組みをもっと知ってほしいとのこと。挑戦を通して成長できる環境、それが同校の魅力と言えます。

イベント紹介

イベント名 実施日時 備考
高校入試相談③ 2025年11月29日(土) 14:00〜  
中学校説明会12月 2025年12月13日(土) 14:00〜 14:00 説明会、校内見学
高校入試相談④ 2025年12月24日(水) 13:00〜  
【小6対象】中学校入試直前対策 2026年1月17日(土) 14:00〜  
中学校体験会 2026年2月14日(土) 11:00〜 11:00 授業見学、校内見学
14:00 全体会
14:30 授業・部活動体験、校内見学