新コースの目標は「学会に出席」?本格派の研究ができる理科好き必見コース

昭和学院中学校・高等学校
「科学のロマンを追え!」をコンセプトに、昭和学院中学校・高等学校(以下、昭和学院)は2023年度、新たに「サイエンスアカデミーコース(略称:SAコース)」を開設しました。理科室6室とプラネタリウムがあり、電子顕微鏡などの設備も備えている昭和学院。その恵まれた環境を活かして、生徒は専門性の高い研究活動に取り組んでいます。コースの目標は「研究者の学会発表に参加すること」。ハイレベルな教育内容に迫ります。

「クラゲの発生」「植物のDNA」専門的な領域に踏み込む生徒たち

SAコースは2023年現在、中学1年生と高校1年生に1クラスずつ設置されています。生徒2~4名で研究チームを組み、研究テーマについて深い見識のある理科の先生1名がサポート役として参加します。それでは生徒に、どんなことにチャレンジしているか聞いてみましょう!

昭和学院中学校・高等学校の生徒
山内咲季さん(高校1年生)
昭和学院中学校・高等学校の生徒
篠田浬くん(中学1年生)
昭和学院中学校・高等学校の生徒
小島柚希さん(中学1年生)

皆さんの研究テーマを教えてください。

山内さん 「クラゲの発生学」です。海中に漂っているクラゲは岩などに付着して生きるポリプという段階があり、種類によってはここで無性生殖をします。生育環境を調整して、このポリプの段階に長く留まるようにして、観察しています。

篠田くん 国内の理工系大学で開発された風力発電機について、自分なりのアレンジを加えることにチャレンジしています。風車が回転すると接続されたモーターの中で電気が生じるという仕組みのものです。まずは再現するところからスタートしています。風車の羽根がたくさん回るようにするために工夫してきました。

小島さん 研究には実験用に広く使われるシロイヌナズナというペンペングサの仲間の植物を使っています。いまは練習としてまず植物のDNAを抽出する実験に取り組んでいます。

昭和学院中学校・高等学校の生物研究
クラゲの飼育環境を調整する作業をする山内さん
昭和学院中学校・高等学校の風車実験
風力発電機の実験をする篠田くん

研究活動を進めるうえで面白いこと・苦労していることを教えてください。

山内さん クラゲって身近なようで、実は生態があまり分かっていない生き物で、文献に頼ることができないという大変さがあります。でも、それだけ新しい発見ができるチャンスもあると思っています。

篠田くん 自分で設計した風車が回転したとき、すごく達成感があります。紙で作った羽根をモデルにして、学校の3Dプリンターで制作するという本格的な制作ができるのも楽しいです。

小島さん DNAを抽出する作業は、授業では習わないことをたくさんしなくてはなりません。資料を読んでから、自分で悩み、それから先生に質問するという流れで、あいまいな点を確認していくのが良い勉強になっています。

表現力も上がった!SAコースの授業「進捗報告会」

研究活動に打ち込んでいる皆さんの熱意に迫ります。

研究活動の目標を教えてください。

山内さん 最終的には、クラゲについて研究者の方も知らないような発見をしたいと考えています。

篠田くん まだ誰も作ったことがないような風力発電機を作りたいです!

小島さん 研究活動を通して知識を身につけて、植物についてしっかりと語れる人になりたいです。

昭和学院中学校・高等学校の実験の様子
植物のDNA抽出実験をする小島さん

理科に興味を持ったきっかけ、そのきっかけが現在にどうつながっているのかを教えてください。

山内さん 子どものとき、海洋生物の図鑑を読むのが好きで、弟とサメの特徴や生息地に関するクイズを出し合っていました。それから生き物の観察をするようになり、今はクラゲの研究をできて良かったなと思います。

篠田くん 小学生のときは自由研究でアゲハチョウを卵から成虫になるまで観察するなど、生き物が好きでした。そこからどんどん理科が好きになりましたね。昭和学院に入ったのも、理科室の設備がすごいなと思ったからです。

小島さん 私も自由研究がきっかけでした。BTB溶液を使って身近なものが酸性かアルカリ性かを調べる自由研究をして、学校で先生に言われてやる実験とは違う、自分で考えて実験をする理科の楽しさに気づきました。その実験をしてから理科の深みが分かったので、昭和学院のSAコースに入学しました。

昭和学院中学校・高等学校の風車実験
篠田くんが制作している風車。電力を生む効率の良さを追究しています

昭和学院のSAコースの学びを通して成長したことを教えてください。

山内さん SAコースは研究活動の成果をプレゼンテーションする「進捗報告会」という授業があり、そこで表現力がかなり身についたと思います。持ち時間25分で、ほかの研究チームのみんなに対して専門用語を分かりやすく説明することが求められます。

篠田くん スライド資料に対して、どんどん質問が生徒から飛んでくるので、しっかりした内容のものを用意しています。生徒にとって、研究活動の中に甘いところがないか見直す大事な時間です。

小島さん 質問をするのも勉強です。先生から生徒に質問をするのを良く聞いて、何を質問すべきかの手本にしています。研究を深めるために生徒同士で質問しあうことがとても役立っていると思います。研究活動をより良いものにするために何が必要なのか、だんだんと気づけるようになりました。

先生は一緒に走る伴走者!SAコースのゴールは

ここからは先生に生徒たちをどうサポートしているかうかがいます。

昭和学院中学校・高等学校の先生
「SAコース」コース長の榎本裕介先生

SAコースの生徒に実現してほしいことを教えてください。

榎本先生 研究者たちもまだ知らないような発見をしてほしいと願っています。ですから、教員も答えを教える立場ではなく、「一緒に研究する仲間」として生徒に寄り添っています。先人の研究を理解し、再現するところからスタートし、ゆくゆくは新規性のある発見をし、学会で発表し、さらには学術論文を執筆してもらいたいです。そのときのよろこびを生徒と教員でともに味わえたら…そう考えています。しかし、本当の狙いは目標達成ではなくその過程にあります。たとえ成果が出なくとも、誰も答えを知らない問題を考え続けること、そしてそれを解決するアイデアを思いつくことはとても楽しいことです。実験を失敗したとしても、その過程で何かを得ることができます。研究を通して、学ぶこと、成長することの楽しさを味わい、成長し続ける人材に育ってほしいです。

編集後記

高い目標に向かって歩むSAコースの生徒たち。進捗報告会では、かなり込み入ったことについても話し合うとのこと。コース全体で切磋琢磨することで、理科をもっと好きになれる環境が整っています。

イベント日程

イベント日程 実施日時
第3回入試説明会 12月16日(土)14:00~16:00