親子で参加できる夏のアート体験~感じて創る「美術のひろば」の取り組み~

女子美術大学付属高等学校・中学校
女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)では、自分の「好き」をのびのびと表現できる環境が整っています。毎年夏には、小中学生を対象にした美術体験イベント「美術のひろば」を開催しており、女子美術大学や付属校の教員が連携して、それぞれの専門性を生かした創造的な講座を展開しています。今回は、そのイベントの様子や参加した子どもたちの反応について、先生とサポートとして参加した生徒にお話をうかがいました。

等身大の自画像からアクセサリー作りなど多彩な19講座

今回、企画・運営を担当した佐野由紀枝先生は、中学から大学まで女子美で学んだ卒業生です。美術とともに多くの時間を過ごしてきた先生に、「美術のひろば」の目的や内容についてお話しいただきました。

佐野由紀枝先生プロフィール

プロフィール画像

・担当教科:美術科・デザインコース
・役職:「美術のひろば」企画・運営を担当

「美術のひろば」を開催する目的を教えてください。

佐野先生 「美術の裾野を広げる」を柱に、美術が人々の生活を豊かにすることを身近に感じられる機会を提供することを目的として、このイベントはスタートしました。そのため、本校は女子校ですが、参加者は小中学生の女の子だけではなく、男の子や美術に興味のある方々も気軽に参加いただけます。

今年の参加人数を教えてください。

佐野先生 2日間で約700人弱の小中学生が参加してくれました。各講座はほとんど満席で、参加者の中には2つ受講を希望する方もいました。

どのようなプログラムが開催されましたか。

佐野先生 全部で19講座が開催され、美術大学や付属の教員による多彩な内容の講座が提供されました。例えば、大学の教員による講座では、金箔を使ってキメラを描いたり、岩絵具で日本画を描いたりと、専門的な素材や道具を使った体験ができます。一方、付属校の教員による講座では、身の回りの物をじっくり観察し、そこから想像を膨らませる内容や、和菓子を粘土で作る講座などがありました。

美術の楽しさを深く体験!創造力を刺激する多様な講座内容

講座の中で人気のプログラムは何ですか。

佐野先生 どの講座もとても人気があるので比較が難しいのですが、特にシルバーアクセサリー作りの講座は、専門的な道具を使用し、家ではなかなか挑戦できない内容のため、人気でした。また、約2メートルの大きな紙に等身大の自画像を描く講座も毎年好評です。この講座は親子で協力して描くため、自然と会話が生まれ、親も一緒に楽しめると多くの方から支持されています。

傑作を目指して作品作りに挑戦する参加者のみなさん

力を引き出す2日間は、発想力を育む特別な時間

表現力や自分の可能性に気づける貴重な夏の体験

参加者の方々は、どのような様子でプログラムに取り組んでいましたか。

佐野先生 皆さんはとても満足されている様子でした。中には「一体何ができるんだろう?」というワクワク感と、うまく作れるか不安な気持ちを抱えて参加された方もいらっしゃったと思います。でも、実際に手を動かし始めると、次第に良い雰囲気が生まれ、作品作りを楽しんでいる様子が感じられました。教員からのアドバイスや声がけを受けて、参加者の皆さんは安心して取り組んでいました。

浜田涼先生の講座
現役アーティストとして活躍する美術科主任・浜田涼先生の講座
光る花
粘土に蓄光顔料を混ぜ込んだ花モチーフの作品。光に当てると暗闇の中で光ります

本イベントを通じて、参加者の方々に体験してほしいことは何ですか。

佐野先生 さまざまな物事に興味を持ち、表現の手段として物作りや絵を描くことを活かしてほしいと思います。手を動かすことで、自分の表現力や可能性に気づき、生活が豊かになったり、楽しさを感じたりすることができます。それが、自分の世界を広げるきっかけにもなります。大切なのは、完成した作品が上手にできたかどうかではなく、「今日はこんなことをして気持ちよく帰れた」という充実感です。

イベントをサポートした生徒たちの様子について教えてください。

佐野先生 イベントに興味関心が高い生徒が多く、中学1年生から高校3年生まで幅広い学年の生徒が参加してくれました。中には、小学生のころに参加して「今度は自分が教えてあげたい」と思って応募した生徒もいました。生徒たちは一生懸命でやる気があり、面倒見よく教えながら取り組んでいる様子が見られ、とても楽しんでいたと思います。

小中学生から刺激をもらった2日間

本イベントのお手伝いに参加したY.M.さんに、当日の活動内容や感想をお聞きしました。

Y.M.さんプロフィール

プロフィール画像

・学年と組名:高1竹組
・女子美を志望した動機:幼稚園のころから絵画教室に通い、絵を描くことが好きだったことがきっかけです。また、女子美の文化祭や行事に何度も参加し、絵を描きながら学校生活を送りたいと強く思うようになったからです。
・所属クラブ:バトン部

「美術のひろば」に参加したきっかけは何ですか。

Y.M.さん 小学生のころにお母さんと一緒に参加したことがあり、とても楽しかったです。そのときに先輩から優しく教えてもらったので、私も小中学生に同じように教えてあげたいと思い、今回参加しました。

当日の活動内容を教えてください。

Y.M.さん 油絵で静物画を描く講座では、イーゼルや箱イス、筆などの準備をしました。また、参加者には完成した絵を箱に入れて渡したり、声かけや絵のアドバイスも行いました。当日は上手に教えられるか不安でしたが、アドバイスをした際に参加者から「ありがとうございます」と言われ、とても嬉しかったです。

油絵講座の様子01
参加者に描き方を優しく教える女子美生
女子美生3ショット
仲良しの友達と一緒に参加したY.M.さん

完成した作品を見てどんな感想を持ちましたか。

Y.M.さん みんなが自由に絵を描いている姿がとても良かったです。どの絵も個性が出ていて面白く、刺激を受けました。色彩が鮮やかで明るい印象で、部屋に飾りたくなるような作品ばかりでした。

油絵講座の様子02
油絵も毎年人気の講座です。約2時間半でデッサンから色塗りまで集中して描きます

受験生に向けて、メッセージをお願いします。

佐野先生 本校の受験を考えている方々にとって、実技や学科、面談などの準備はとても大変だと思います。先生方は、受験生がいつも通り楽しんで絵を描けるように、ワクワクするようなモチーフを一生懸命考えて実技試験の準備をしています。これまでの練習で培った力を全力で発揮できるよう、緊張せず、まっすぐな気持ちで挑んでほしいと思います。女子美を体験できる大切な一日ですので、楽しみながら、リラックスして臨んでください。

Y.M.さん 女子美は課題が多くて正直大変なこともありますが、絵を描くことが本当に好きなのでとても楽しいです。周りも絵が好きな子ばかりで、価値観が合う子や居心地の良い子が集まる学校です。さまざまな課題に取り組むことができ、先生方からは丁寧に優しく教えてもらえるので、絵を描くことが好きな方には最適な環境だと思います。受験生のみなさんには、「頑張って!」とエールを送ります。

カフェテリア
昨年リニューアルしたカフェテリアは女子美生の憩いの場です

編集後記

取材を通じて、さまざまな講座を見学させていただき、サポートとして参加した生徒たちの様子も直接拝見しました。生徒たちが子どもたちに優しく丁寧に教えている姿がとても印象的で、教室内は明るく朗らかな雰囲気に包まれていました。やる気あふれる生徒たちの協力のおかげで、イベントは大成功に終わったと思います。絵を描くことが好きな方にとって、女子美の環境は非常に魅力的な学校です。絵が好き、または絵に興味がある受験生は、ぜひ説明会や文化祭など学校に足を運び、女子美の良さを体感してほしいと思います。

イベント名 日時 備考
中高共通公開授業 2025年9月27日(土)8:35~10:30、10:45~12:40 要予約
高等学校作品講評会 2025年9月27日(土)14:00~15:30 要予約
女子美祭 2025年10月25日(土)、26日(日)10:00~17:00 要予約