お互いに技を磨き合える仲間と出会える!女子美の部活動の魅力とは?

女子美術大学付属高等学校・中学校
美術教育で知られる女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)ですが、実は部活動も非常に活発で、多くの生徒が熱心に取り組んでいます。芸術・文化系はもちろん、運動系も人気があり、生徒たちは主体的に活動に励みながら、部活動という「自分を表現する場」を通して豊かな感性と表現力を育んでいます。
今回は、イラスト研究部とバスケットボール部の生徒や顧問の先生に、その魅力についてお話をうかがいました。

文化部も運動部も元気いっぱいに個性を磨く

高校2年の生徒2名に、所属する部活動の様子を教えていただきました。

H.M.さん

プロフィール画像

・学年とコース:高2/デザインコース
・女子美を志望した動機:小さいころから絵を描くことが好きだったことと、親と一緒に文化祭に参加した際、この学校なら絵をたくさん描けると思ったためです。
・所属クラブ:イラスト研究部/部長

R.Y.さん

プロフィール画像

・学年とコース:高2/工芸立体コース
・女子美を志望した動機:女子美なら自分のペースで好きなことを突き詰められると思ったからです。また、学校の課題が楽しそうだったのも惹かれた理由です。
・所属クラブ:バスケットボール部/副部長
・ポジション:センター

部活動で熱心に取り組んでいることは何ですか。

H.M.さん 部員同士で描いたイラストを見せ合い、工夫した点やこだわり、塗り方や構図などを参考にしながら、自分の絵にどう活かすかを考え、イラストを描いています。普段はキャラクターや人物をデフォルメした絵を中心に描いていて、好きなイラストレーターのふるいけさんや、ちたまロケッツさんから大きな影響を受けています。

R.Y.さん チームプレイを重視した練習に取り組みながら、自分の体格を活かした存在感のあるセンタープレイを心がけています。バスケ経験が豊富なチームメイトの動きを参考にしながら、日々練習に励んでいます。

イラスト研究部01
イラスト研究部は中高合わせて約100名が所属する人気の部活です
バスケ部02
バスケ部の活動日は月木土。年に10回弱大会に出場します

先輩との関わりで印象に残っていることはありますか。

H.M.さん 個性を尊重する部活のため、先輩が後輩にアドバイスはしても「絶対にこうしたほうが良い」などと意見を押し付けることはありません。そんな中、中学生のときに私が描いたキャラクターを先輩が真似て描いてくれたことがあり、とてもうれしかったのを覚えています。そのときの出来事が忘れられず、私も後輩に喜んでもらえたらと、後輩の描くキャラクターを真似て描くことがあります。

R.Y.さん 入部して3か月目の合宿で、OGの先輩に「最初は怒られることが怖くても声を出すだけで良い。間違っていたら注意するからとにかく行動してみて」とアドバイスをもらってから、積極的に動けるようになりました。

部活動で自身の成長を感じたことを教えてください。

H.M.さん 後輩の絵を講評する機会が増えたことで、自分の中で感じたことを言語化する力が成長したと感じます。どのような言葉で伝えたら、この感動を伝えられるかを考えながら発言するように心がけています。

R.Y.さん 物事がうまく進まないときに、改善点の提案を素早く考えて発言できるようになったことに、成長を感じました。また、先輩やコーチにバスケの動きを褒められたときも、練習の成果が表れたことを実感し、嬉しかったです。

バスケ部01
仲間と協力しながら体力や忍耐力を培う生徒たち

女子美に入学して良かったことは何ですか。

H.M.さん 女子美では、一人ひとりが大切にしているものや好きなものが尊重されます。趣味が似ている子が多く集まっていても、趣味趣向が全く違う子がいても、お互いそれを尊重し合っているので、とても安心して過ごせます。

R.Y.さん 好きなものや知っていることを思う存分、周りと共有できるところです。個性はそれぞれ違っていても、「こだわり」や「見てもらいたいポイント」の根本的な感覚は共通しているので、視野を広げたり、深めたりできる機会が多いです。

柔軟な教育サポートで生徒の主体性を伸ばす

ここからは各部活の顧問の先生に、お話しをお聞きしました。

藤原典子先生

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・担当教科:美術科/デザインコース
・役職:美術部副主任
・担当する部活動:イラスト研究部

住吉貴一先生

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・担当教科:美術科
・役職:教諭
・担当する部活動:バスケットボール部

生徒たちは、どのような様子で部活動に取り組んでいますか。

藤原先生 絵を描くことが好きな生徒たちは、部員同士で自分の「好き」を共有できる特別な時間を過ごしています。活動は、高校2年が後輩にイラストの描き方やコツを丁寧に教えるところから始まり、好きなキャラクターの分析や各自で描いた作品の講評など多岐にわたります。生徒たちは仲間とともに生き生きと活動し、それぞれの「好き」を思う存分に追求しあっています。

住吉先生 生徒たちはのびのびとした表情で部活動に取り組んでいます。仲間と声を掛けあいながら全力で挑戦し、勝利を目指して工夫を重ねたり、思うようにいかず悩んだりしながらも、前向きに進んでいる姿には頼もしさを感じます。授業で培った「相手の長所を見抜く力」も部活動に生かされ、チーム全体が温かい雰囲気に包まれているのが特長です。その中で一人ひとりが自分らしさを発揮し、日々輝いていることを実感します。

貴校の指導方法やサポート体制について教えてください。

藤原先生 活動のスケジュールや内容は生徒が主体的に考え、互いに絵を教えあいながら進めています。美術科では生徒一人ひとりが目指す表現を実現できるよう最大限のサポートを行い、完成度の高い作品へと導くために、イラストの構成や編集をしております。

住吉先生 本校では「自分たちで考え、行動する」という主体性を大切にしています。部活動でも生徒たちは練習メニューや役割分担を主体的に話しあうだけでなく、「もっとこうしたい」と、自ら活動内容への提案をする姿も多く見られます。教員は生徒との対話を大切にし、必要に応じてサポートに入る形で見守っています。また、OGが献身的に活動に関わるなど、世代を超えて支えあうつながりもあります。こうした環境が生徒たちに安心して挑戦できる土台を与え、大きく成長する力になっています。

女子美を志す受験生に贈る、先輩・先生からのエール

最後に受験生の皆さんに向けて、4名から応援メッセージをいただきました。

H.M.さん 受験勉強に追われ、思い切り絵を描けないのはとても辛いことだと思います。だからこそ、たまには好きな絵を描いたり、しっかり休憩したりしながら、後悔のないように日々の勉強を大切に積み重ねてください。

R.Y.さん 美術が好きな人なら、絶対に楽しく過ごせる学校です。優れた仲間が多いので、日々の学校生活の中で驚きや気づき、そして新たな発見があります。自分の良さと周囲の良さを見つけることが得意になり、それらをかけあわせてより良いものを生み出す力も育まれます。「女子美に入ってこんなことをするぞ」という気持ちで受験を頑張ってください。

藤原先生 女子美ならではの部活を通して、好きなことを仲間ととことん分かち合い、高め合える環境は皆さんにとって特別な時間となるでしょう。

住吉先生 女子美は学問や芸術だけでなく、部活動を通して人としての成長も大切にしています。授業で培った創造性を基礎として、協調性や体力を磨けるのは本校ならではの魅力です。生徒たちは日頃からお互いの作品を見て学びあっているため、部活動でも自然に励ましあいながらともに成長しています。ここには自分らしさを発揮し、挑戦を通じて新しい自分に出会える環境があります。ぜひ、私たちと一緒に新しい一歩を踏み出してみませんか。

イラスト研究部02
「文化祭に参加された際は、ぜひイラスト研究部にお立ち寄りください!」とH.M.さん

編集後記

女子美には20の文化部と10の運動部、5つの同好会があり、自分に合った部活動を見つけて、「好き」を心ゆくまで極められるのがとても魅力的です。そして、10月には女子美最大のイベント「女子美祭」が開催されます。各部・同好会に所属する生徒たちの作品、そして活気に満ちた女子美の雰囲気を体感できる絶好の機会です。受験生の皆さんにはぜひ足を運んでいただき、その空気を感じてほしいと思います。

イベント名 日時 備考
女子美祭 2025年10月25日(土)、26日(日) 10:00~17:00 要予約
中学3年生対象 秋の実技講習会
~水彩画・鉛筆デッサン 実技(美術)試験対策の講習会~
2025年11月3日(祝・月) 8:15 受付、8:35 講習開始 要予約、受講料(材料費のみ)1,000円
中高共通公開授業 2025年11月15日(土) 8:35~10:30、10:45~12:40 入替制 要予約