
大学レベルの学びに触れる中高大連携授業
中学2年生の中高大連携授業では、「キャンペーングッズを作ろう」をテーマに取り組みました。今年2月には、付属大学教授の廣田尚子先生による作品講評会が行われ、生徒たちは、架空の会社によるキャンペーンを企画。キャンペーン名や内容、応募方法、ターゲット層などを設定し、1人約1分のプレゼンテーションを行いました。
発表後には、廣田先生から一人ひとりに直接講評が寄せられたほか、友達の発表にも耳を傾けることで互いに刺激を受け、学びをさらに深める機会となりました。




プロダクトデザインの授業を通して、生徒たちは世の中の人々が抱える課題に向き合い、「何があると幸せにつながるか」を考える思考や感性を育んできました。講評会では、廣田先生から、「本授業は大学の学びを模擬体験できる内容です」とのお話もあり、生徒たちは大学レベルの学びを体験し、制作へのやる気をさらに高めていました。


私らしさを発揮したプレゼンテーション
M.S.さん

・部活動:管弦楽部に所属、フルートを演奏
・作品のタイトル:「ウールちゃんランププレゼントキャンペーン」
A.S.さん

・部活動:バスケットボール部に所属、センターを担当
・作品のタイトル:「喫茶メロディア30周年感謝キャンペーン」
ご自身の発表を振り返った感想をお願いします。
M.S.さん 大学の先生の前に立ち、自分の言葉で制作意図や考えを説明するのはとても緊張しましたが、貴重な経験になりました。
A.S.さん 私もとても緊張しましたが、楽しみながら発表することができました。また、自分の作品を客観的に見つめ直すきっかけにもなり、成長につながったと感じています。
作品づくりでこだわった点はどこですか。
M.S.さん ウールちゃんの毛を紙粘土で一本一本、本物のように見えるよう表現しました。また、ポスターの文字を絵の具で丁寧に書くのは大変でしたが、先生から「字が丁寧だね」と褒めていただき、嬉しかったです。
A.S.さん スプーンやフォークの質感にこだわり、粘土で鉄の硬さや光の反射を表現した点です。さらに、大阪や東京のレトロな喫茶店を実際に訪れ、その雰囲気を作品に生かしました。
大学教員による講評の感想を教えてください。
M.S.さん 大学の先生に評価していただき、とても嬉しかったです。また、友達への講評も作品づくりの参考になりました。先生からは「3Dプリンターで制作したようで丁寧だね」「ポスターのデザインが良いね」と、自分がこだわった点を評価していただき、自信につながりました。
A.S.さん 専門的な視点から具体的なアドバイスをいただき、自分の作品の良い点や改善点を知ることができ、表現の可能性が大きく広がりました。また、「実際に経験したことが作品に表れている」と言っていただけたことがとても印象に残っています。今後は、作品の完成度をさらに高められるよう努力していきたいです。
今後の進路について教えてください。
M.S.さん 現在、工芸・立体コースに興味がありますが、どのコースに進むかはこれから考えていきたいと思っています。また、舞台にも興味があるため、将来は舞台に関わる仕事に就きたいです。
A.S.さん 私も工芸・立体コースに興味がありますが、どのコースが自分に合っていて、楽しく取り組めるのかを残りの学校生活の中でしっかりと考えて決めたいです。また、個性を大切にしながら、好きなことや感性を磨いている先輩方の姿を見て、私も先輩方のようなかっこいい人になりたいと思っています。
「人の心を豊かにする」ストーリーメイキング力の育成
廣田尚子先生

女子美術大学 芸術学部 デザイン・工芸学科 プロダクトデザイン専攻 教授
生徒たちの作品を見て、どのような点を評価されましたか。
廣田先生 「ゼロから発想し、それによって誰かを幸せにできるものを思い描けているかどうか」という点を重視しました。どの作品にも、生徒たちの「こういう幸せがあると楽しい」という感性やストーリーがしっかりと込められており、とても立派だと感じました。
印象に残っている作品を教えてください。
廣田先生 どの生徒も個性があって、発表も上手でした。強いて一つ挙げるとすれば、カヌレ型のトースターですね。「カヌレ」について多方面から調べ、その一つひとつの情報が作品にしっかりと落とし込まれており、ストーリーがきちんと組み立てられていると感じました。

中学生に身につけてほしい力は何ですか。
廣田先生 自分の「好き」を見つけ、その好きなことにこだわりを持って取り組む力を身につけてほしいです。女子美には、それができる環境があると思います。
連携授業は、生徒が付属大学に進学した際にどのように生かされますか。
廣田先生 女子美では毎年1回、付属大学との連携授業を実施しており、生徒は中高6年間で、最低でも6名のさまざまな専門分野を持つ大学教員の授業を受けます。付属大学に進学した際に、顔と名前を知っている教員がいることは生徒にとって大きな安心感となり、大学生活や学びを充実させる土台にもなります。
女子美だからこそ経験できる、進路への第一歩
最後に、柗井圭太郎先生に連携授業を実施する目的や、将来の進学・学びとのつながりについてお話をうかがいました。
連携授業を実施する目的を教えてください。
柗井先生 生徒たちに女子美術大学・女子美術大学短期大学部の学びを知ってもらうことが一番の目的です。大学の学びを実際に体験することで、将来の選択肢や可能性を考えるきっかけにしてほしいと考えます。進路を「遠い未来の話」ではなく、「今につながる現実的な選択」として捉えてもらえたらうれしいです。
将来の進学や学びにどのようにつながっていきますか。
柗井先生 生徒たちは、連携授業で得た成功体験を通して、進路選択の手がかりを得ていると感じます。自分の表現が認められる経験は、大きな自信につながり、「自分にはこういう強みがある」と気づく良い機会です。また同時に、自身の才能や適性を見極める指標の一つにもなっていると感じています。
編集後記
5年前から毎年、中学2年生を指導している廣田先生は、「子どもたちは時代の最先端を行く存在であり、私自身も良い影響を受けています」と話してくださいました。実際に作品を拝見すると、中学2年生とは思えないほど落ち着いた色使いの作品も多く、深い感動を覚えました。充実した学習機会のもと、生徒たちが自然に思考力や感性を磨いていく姿に女子美の教育の強みを感じました。
イベント情報
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