
世界約30の国や地域が集う国際大会で、探究活動の成果を発表
社会課題の解決に向けた取り組みを発表する国際大会「Be the Change Celebration」。2024年のドバイ世界大会には、家政学院からも生徒が参加しました。
2025年は東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催され、世界約30の国や地域から500名近くの小中高生が集結。同校の生徒たちはホスト校として、大会運営や発表を担いました。
今回は、教育研究部部長(社会科)の川邊健司先生と、高校1年生のM.K.さんにお話をうかがいました。
貴校でDFCに取り組むようになった経緯や背景について教えてください。
川邊先生
本校では、中学1年生から高校2年生まで体系的に社会課題を解決するための探究活動に取り組んでいます。「人との出会い」や「共感」を起点としていますが、DFCが推奨するデザイン思考型メソッドも同様の理念を持っており、本校のカリキュラムと高い親和性があります。そうした中、世界約70か国に支部を持つDFCの日本支部より、学びの成果を発信する世界大会への参加依頼を受けたことが、大会に関わるきっかけとなりました。
今年の大会には、「希望者は誰でも」というハンズオン形式のもと集まった約150名(延べ220名)の生徒が参加し、プロジェクト発表やワークショップ、パフォーマンスなどを通して世界の同世代と交流しました。
M.K.さんは大会でどのような役割を担当しましたか。

中学3年生時にドバイで開催された世界大会にも参加し、その後は「DFC生徒会」の日本代表メンバーとして今大会の企画運営にも関わりました
M.K.さん
私はオープニングセレモニーの総合司会を担当しました。大会初日の開会式で、「これからどんなプログラムが始まるのか」「どんなゲストが登壇するのか」などを英語で紹介する進行役です。会場にはたくさんの参加者が集まっていたので、最初は少し緊張しました。
また私は、世界各国約25名の代表生徒で構成される「DFC生徒会」の日本代表メンバーとしても活動していました。
大会に向けては、どのような準備をしたのでしょうか。
M.K.さん DFC生徒会では月に2回ほどオンラインミーティングを行っていました。最初はメンバー同士の交流を深める活動が多かったのですが、夏頃からは大会に向けて発表内容の構成を考えたり、運営について話し合ったりすることが増えていきました。
英語で挑んだ大会運営と司会
大会準備で、特に大変だったことはありますか。
M.K.さん 司会の原稿づくりです。オープニングセレモニーで話す内容は自分たちで考えて作ったのですが、提出してチェックしていただき、修正して…、というやり取りを何度も繰り返しました。前日まで修正が続いたので大変でした。
英語での司会という点でも難しさがありそうですね。
M.K.さん 参加者の中には英語圏ではない国の人も多く、英語があまり得意ではない人もいます。そのため、できるだけ簡潔で分かりやすい表現にすることを意識しました。
大会の運営面でも調整が多かったそうですね。
M.K.さん 参加する国によって帰国のスケジュールが違うので、発表や進行の順番を調整する必要がありました。直前まで変更が出ることもあって大変でしたが、みんなで協力しながら準備を進めました。
国境を越えて盛り上がった交流プログラム
大会では、世界各国の生徒がそれぞれのプロジェクトを発表するだけでなく、参加者同士が交流できるワークショップやパフォーマンスも数多く開催されました。
M.K.さんはワークショップ「人生ゲーム」のファシリテーターも担当したとうかがいました。海外の生徒の反応はいかがでしたか。
M.K.さん 人生ゲーム自体はとてもシンプルなので、ルールを説明するとすぐに理解してもらえました。いい目が出るとみんなで「おお!」と盛り上がり、国籍や言葉の違いに関係なく楽しんでもらえたと思います。

海外の生徒と交流する中で、文化の違いを感じる場面もありましたか。
M.K.さん
ありました。例えば宗教の関係で牛肉を食べない国の人がいるなど、日本ではあまり意識することのない文化の違いを知ることができました。そうした話を直接聞けたのも、とても興味深い経験でした。
また、生徒会メンバーの一人であるドバイの生徒が、緊張していた私に「DFCの参加者はみんな日本を理解しているから大丈夫」と優しく声をかけてくれたことも印象に残っています。
国際交流が育てる主体性と生徒の可能性
大会を通して、ご自身の中で変化を感じたことはありますか。
M.K.さん 英語に対して前向きな気持ちになれたことです。私は小さい頃に海外で生活していたこともあり英語を使う環境にはいましたが、周りと比べるとまだまだだと感じていました。でも大会で交流したときに「英語が上手だね」と言ってもらえることも多く、これまで勉強してきたことが無駄ではなかったのだと思えました。
国際交流の魅力はどんなところですか。
M.K.さん
いろいろな国の人と話すことで、その国の文化や環境の違いを知ることができるところです。同じ年代でも考え方や生活背景が違っていて、とても面白いと感じました。交流を通して、日本の文化や地域について自分があまり知らないことにも気づかされ、自分の国についてもっと知っておくことも大切だと実感しました。
また、海外の生徒たちが自分の意見や考えをはっきり表現していることも印象的でした。発表も、日本のように周囲に配慮しながら進めるというより、自分の考えを積極的に伝えるスタイルが多いと感じました。その姿を見て、私自身ももっと自分の考えを発信していきたいと刺激を受けました。

川邊先生から見て、今回の大会運営を通して生徒たちにどんな成長がありましたか。
川邊先生
大会当日はスケジュールの変更などもありましたが、生徒たちは英語での対応も求められる環境の中で臨機応変に動いていました。そのたくましさは、本校の学びの成果だと実感しています。
また、運営を通して自然と先輩から後輩への対話やサポートが生まれ、本校特有の「シェアードリーダーシップ(共有型リーダーシップ)」が発揮されていました。世界から集まる同世代の仲間と交流する中で、日本での探究活動や文化について積極的に自分の言葉で伝える姿にも、大きな成長を感じました。
今回の経験を、今後の教育活動にどのように生かしていきたいですか。
川邊先生 今回の大会で、生徒たちは日常の何気ない学びや気づきが世界とつながっていることを体感できたと思います。提案するだけでなく、社会課題を解決するための「小さな一歩」を行動で示すところまで深め、その成果を社会に還元する学びに挑戦してほしいと願っています。

編集後記
身近な人や学外の人との対話を通し、自分自身の視野や可能性を広げるプログラムを実施している家政学院。「探究的な学びを通した『多くの出会い』が、社会で活躍する大人の女性へと導いていく」と川邊先生は話します。今回の国際大会での経験も、生徒たちにとって世界とつながる学びを体感する機会となり、次の挑戦へとつながっていくことでしょう。
イベント情報
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