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社会で“即戦力”として活躍するためのスキルが中高6年間で身につく瀧野川女子学園中学高等学校。学園の教育の柱である「考える力」「提案する力」をはぐくむための取り組みをご紹介します。

「授業が好きになる!」瀧野川女子の取り組み

独自のプログラムで生徒の創造性をはぐくむ瀧野川女子の教育。実際には、どのような授業を展開しているのでしょうか。数学の八幡先生に話を聞きました。

数学科 八幡陽平先生

「生徒が数学を好きになる」 数学科 八幡 陽平 先生

インターエデュ(以下、エデュ):まずは教育方針について教えてください。

八幡先生:瀧野川女子学園では、「思考力」と「発信力」を教育の柱にしています。これらの力は、社会に出てから必須になると考えています。仲間と一緒に考え、新しいものを生み出し、多くの人に分かりやすいように提案をする。中1の段階からこの力をはぐくむための授業を展開しています。

エデュ:「思考力」と「発信力」をはぐくむために、普段の授業ではどのような工夫をしているのでしょうか。

八幡先生:授業中は、生徒自身が考える時間を増やすようにしています。数学でも、答えをすぐに教えてしまうのではなく、生徒から引き出すようにしています。じっくり考える時間を設けるためにiPad Proを導入し、板書する時間を減らしました。生徒の解答までの過程はアプリを使って全員で共有できるようにし、生徒に発表させるようにしています。

エデュ:数学が苦手な生徒に対してはどのようなアプローチを心掛けているのでしょうか。

八幡先生:まずは、授業を楽しいと思ってもらうことから始まります。授業では、なるべく実生活に即した内容や、生徒が興味のあるテーマと数学を結び付けて指導するように心掛けています。数学が実生活に役立つと分かれば、生徒も興味を持って学習するようになります。

瀧野川女子の教育について ≫

授業に溶け込むICT教育

エデュ:授業にiPad Proを利用されているとのことですが、ICTの活用状況について教えてください。

八幡先生:瀧野川女子の授業にiPad Proは欠かせません。生徒がiPad ProにApple Pencilで答えを書くと、全員分の解答がリアルタイムで教員の端末に表示され、生徒の集中力が伝わってくるほどです。すぐに丸付けすることもできるし、生徒全員に見せて話し合うこともできる。ノートよりも生徒の出来がよく見えます。

他の人に見てもらうために

数学や答案は、コミュニケーションのツール。他の人に見てもらうためにある。

当初、恥ずかしがる生徒もいたのですが、「間違えてもいいよ」と声掛けをすることで、今では生徒は抵抗なく見せるようになっています。ほかの生徒の考えを見て、学ぶことで、多種多様な考えを知ることができるので、あえてクラスのみんなの解答も閲覧できるようにしています。他の人の解答用紙を見るということは、他の人の考え方を見るということにほかなりません。他の人の式は勉強になります。他の人の式が読める人は参考書も読めるのです。

エデュ:ICTを活用するメリットを他にも教えてください。

八幡先生:板書する時間が減ったことで、今までと同じように指導していても、授業の進度が速くなりました。また、生徒が答えを導き出すまでのプロセスが分かるので、どこが苦手で、どこが理解できていないのかを一人ひとり知ることができます。発表するときも、生徒は画面を見ながら説明ができるので、ほかの生徒にも伝えやすいと思います。

エデュ:ICTと紙の使い分けはどのようにされているのでしょうか。

八幡先生:紙に書くプロセスも大事なので、iPad Proの内容を後日ノートにまとめさせることもあります。意見に差の出ない演習は紙で解かせることが多いですね。iPad Proは、多種多様な解き方がある場合や発表するときに使うようにしています。

授業の様子を動画で詳しく!

ICTを活用した数学科の授業を動画で詳しくご紹介します。

エデュ:ICTを導入したことによる、成績の変化について教えてください。

八幡先生:全体の平均点が10~20点は上がっていると思います。ICT化によって、学習内容が教員に見られているので、自分でしっかりとやらなくてはいけないという自覚が芽生えるのだと分析しています。

最新のICT教育について詳しく ≫

10年後の社会を見据えた教育を

リアルタイムでわかる、生徒の気づき

答えがどんどん出てくるライブ感があります。

エデュ:「思考力」と「発信力」を養う授業、ICTの導入など、瀧野川女子の教育は実社会に出てから使えるスキルばかりですね。

八幡先生:とにかく発表させてあげるということ。瀧野川女子の教育は「社会人」を見据えています。学校が「会社」で生徒が「社員」でしょうか。教員は、温かく見守る「上司」でいたいと考えています。これからも教員に指示されて生徒が動くのではなく、生徒が自ら考えて常にプレゼンテーションできるような学校でありたいですね。

瀧野川の特徴ある授業 ≫

編集者から見たポイント

「考え方」を学ぶ。瀧野川女子では、答えだけを求めるのではなく、「考え方」のプロセスを評価する教育を進めていることが分かりました。斬新な考え方を分かりやすい言葉で提案する。これからの時代に必要なスキルを中学生の段階から学ぶことができるのが瀧野川女子の大きな魅力ではないでしょうか。