国立難関大合格に向けて人間力と学力を養う11日間
郁文館では、2023年度より「学力プレミア」と題した新プロジェクトを始動しました。東京大学をはじめとする国公立大学への道を構築するため、「一人ひとりの習熟度 / 志望学部に合わせた少人数制授業」や「東大施設だけでなく研究室内部を巡る東大キャンパスツアー」「東大・筑波大をはじめとする学生チューターの駐在」など、様々な教育プログラムを実践しています。
その一環として行われる10泊11日の夢合宿(以下、学力夢合宿)は、学力プレミアの対象クラスである郁文館中学校「iP class」「国立選抜Jr.クラス(※)」の2・3年生と、郁文館高校「iP class」「国立選抜クラス」の1〜3年生の生徒が参加します。開催は前期・後期に分かれ、前期は中学2年生と高校2年生、後期は中学3年生と高校1・3年生という組み合わせで実施しました。
期間中、生徒たちは学年の区別なく東大にある5つの門を冠したチームに編成されます。中学生も高校生と同じ大学共通テストの模試に取り組むことも学力夢合宿の特徴の一つ。難問を前に同じチーム内で勉強を教え合うなど、コミュニケーションを取りながら勉強していきます。
中学2年生や高校1年生の一部の生徒にとっては、長期の合宿参加は経験のないことだったでしょう。進路指導部の鈴木大夢先生に合宿の目的についてうかがいました。
※2024年度に新設されたクラス。1年終了時に「特進クラス」「グローバルリーダー特進クラス」「進学クラス」から生徒の希望および成績により選抜される。
学力夢合宿の開催目的とはなんでしょう。
鈴木先生
中高共通の目的としては、難関大学合格に至るまでの目標設定、そして目標達成までのスケジュールやプロセスを10日間で確立することです。
高校生は1、2年後の大学入試に向けたマインドセットや、勉強時間確保。中学生は大学入試が目的ではありますが、先輩たちが勉強に向かっている姿を見て、自分たちが高校生になったときに大学入試への取り組み方がイメージできるようになることが一番の目的です。
特徴的なプログラムを教えてください。
鈴木先生
一大イベントは学力運動会です。合宿中の多くの時間は講習や自学自習ですが、小テストや共通テストの模擬模試も行います。それらの点数をチームごとに競い合うので、自分のチームの点数アップのために生徒たちは自然と教え合い、協力していきます。
そのほか、東大・医学部専門予備校「慧修会」会長の奥平先生に前期、後期ともお越しいただき、講演や数学の講習も実施いただき、前期には信州大学の教授に講演いただきました。
中学生にとっては自分がおすすめしたい本をみんなの前でプレゼンする「ビブリオバトル」も大きなイベントです。この結果も学力運動会に反映されるので、夢合宿に出発する前から準備していた生徒もいたくらいです。
学力夢合宿を通して身につけてほしいことはなんでしょうか。
鈴木先生 やはり主体的に学びに向かう姿勢です。今何をやるべきか、何を自分の武器とできるのか、自分自身を分析し、勉強に活かしてほしい。また中学生と高校生が一緒に勉強することで、「得意な科目だけでも高校生に勝ちたい」「中学生には負けていられない」など、互いに良い競争心を持ってくれたらなと思いました。さらに日々の勉強に向き合うためには生活習慣をきちんと確立していくことも大事と捉え、各チームの加点対象には、部屋の整理整頓ができているかも対象にしています。多くの生徒は勉強だけでなく生活習慣の正しさも合宿で身につけたようです。
勉強した成果が自身の成長につながることを実感
参加した高校1年生iPクラスの鹿島夢斗さんと中学3年生国立選抜Jr.クラスの下嶋璃乃さんに、11日間の感想をうかがいました。
参加した感想を教えてください。
鹿島さん 終わってみると短いという印象です。普段の学校生活とは違う、友達の勉強方法が見られることは貴重な経験でした。みんなの見えない努力を知っただけでなく、自分の勉強方法を聞かれることもあり、さまざまな体験を通し自分も成長できたと思います。
下嶋さん これまで参加した夢合宿はクラスのみんなと協力して何かをつくるなど協調性を育む内容のものが多かったのですが、学力夢合宿はそれに加えて個人の成長が分かるような内容だったと思います。朝や就寝前など自習の時間も十分に取ることができ、すぐに復習することができました。勉強してきたことの成果が自分の成長につながっていることを実感できました。
最も印象深いプログラムはありますか?
鹿島さん 共通テスト模試を、同じ時間、同じ場所で(学年ごとに部屋は分かれる)全学年が受けたことです。テスト結果は1位から10位までの人が点数と一緒に貼り出されます。自分の今の実力を知ると同時に、2年後の自分はこうなっていないといけない、と未来に向けての目標を再設定することができたと思います。
下嶋さん 学力運動会という数学、英単語、漢字の問題が出題される小テストバトルが毎日ありました。中でも漢字テストバトルがとても楽しかったです。テストではまだ習っていない単元の問題もあったので、同じ春日門チームの先輩方が教えてくださいました。みんな同じレベルから勉強し、自分の実力や立ち位置を知ることもできたことが印象深いです。
合宿を終えて勉強に向かう姿勢に変化はありましたか。
鹿島さん 勉強にしっかり向き合ったことで、勉強に対する意欲が明らかに変わりました。1学期は学校に慣れることでいっぱいでしたが、合宿で自分の勉強の仕方や、得意なところ、まだ伸びしろがあるところなど自覚した上で2学期に臨むことができました。また勉強で困っている友達には積極的に自分の知識をアウトプットすることで、さらに学力が身につくようにしたいと思っています。
下嶋さん 自分から進んで取り組むという力がついたと思います。そう思えたことには理由は二つあります。一つ目は人と話すこと。合宿では同じチームの高校3年生や1年生、同じ学年の隣のクラスの子とも勉強のことを話す機会が多くできました。勉強に特化しているからこそ、どんな参考書を使っているかなど、普段は聞きづらかったことも話すことができました。もう一つは、合宿で数学の先取り特別講習を受けたことで、自分から進んで勉強する習慣がつきました。「早く問題を解けるようになりたい」という思いで、合宿期間中は朝の5時から自習室で勉強をしていました。そのおかげで、合宿から戻ってきた今でも、毎朝早く起きて10分間自習してから登校する習慣がつきました。
高い目標へのチャレンジ力も。夢を達成するためには妥協しない
充実した11日間を過ごした生徒たち。最後に鈴木先生より合宿の成果と今後の展望をうかがいました。
合宿前と後では、生徒にどのような成長が見られますか。
鈴木先生
2人が話していたように、一番は自信がついたということでしょう。長時間の勉強をやり抜いた、朝早く起きて勉強できた、そうした一つひとつのことが達成感と自信につながったようです。
また自分の武器と弱点が明確になったという生徒もいました。頑張ったのにできなかったから次は何点取りたいなど、結果にこだわる姿勢や高い目標に向かうチャレンジ力が芽生えた生徒もいます。どの生徒も夢を達成するために妥協しなくなりました。
今後の展望を教えてください。
鈴木先生
今年の学力夢合宿も生徒にとって実りあるものになったと思いますが、まだまだブラッシュアップさせていきたいです。
進路指導部としては目標の大学合格に向けて、さらに生徒たちの学力を伸ばしていきたいと考えています。学力プレミアのクラスでは駿台模試をはじめ難易度の高い模試を受けています。その結果を分析し、教科担当との面談により弱点を克服するなど一連のプログラムを定着させていきます。
ゆくゆくはこの学力プレミアクラスの取り組みが他のクラスにも浸透し、また日本の教育モデルとして一つのあり方になればと考えています。
編集後記
鹿島さん、下嶋さんは2人とも、将来はディズニー本社に入社したいという夢に向かって東大進学を目標に頑張っています。この11日間は勉強の楽しさを改めて生徒たちに実感させると同時に、夢へ向かう自信をつける大切な時間になったようです。
イベント名 | 日時 | 備考 |
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【今年度最終回】平日午前に開催する「1時間で分かる郁文館中学校 授業見学会」 | 11月27日(水)10:35〜11:35 | 保護者のみの参加も可 |
【今年度最終回】郁文館高校「iPclass(東大専科)」「国立選抜クラス」受験生対象 説明会 | 11月30日(土)13:00〜13:45 | |
【今年度最終回】《中学・高校・グローバル高校対象》渡邉理事長兼校長が直接お話しする第5回理事長学校説明会 | 12月7日(土)14:00〜16:00 | 個別相談会も実施 |
【今年度最終回】【適性検査型】郁文館中学校 学校説明会&過去問題解説授業 |
12月21日(土)10:30~12:00 | |
【今年度最終回】郁文館中学校 iP class説明会 | 12月21日(土)13:00~13:45 | |
【今年度最終回】【教科選択型】郁文館中学校 学校説明会&過去問題解説授業 | 12月21日(土)14:30~16:40 |