
一からのスタート!新校舎で初めての文化祭
誠祭実行委員会のスタッフは180名。この大人数を率いる実行委員長が今回お話をうかがう3年生の國森望温(のあ)さんと近藤蒼唯(あおい)さんです。國森さんは昨年も実行委員会を経験。近藤さんは生徒会の会長として文化祭に携わりました。
今年、実行委員長が2名体制なのは理由があります。文化祭に向けて準備が進む9月、10月はちょうど大学進学に向けての準備と重なる時期。一人が忙しくなっても補えるように二人体制となったそうです。

今年の誠祭のテーマは「明誠ミーム」。このテーマにかける思いを教えてください。

近藤さん 「ミーム」は面白いことや感動・感銘を受けたことなどがインターネット上でどんどん拡散され世界中に広がっていくことを指す言葉です。今年は新校舎で開催する最初の年。昨年と比べると変更点が多く、いわば一からのスタートとも言えるので、ここからすごいものを作り上げよう、そして何十年経っても、やっぱり日大明誠の誠祭はすごいというものを残していきたいと思い、このテーマに決めました。
誠祭ならではの魅力とはなんでしょうか。
國森さん 僕は軽音部に所属していることもあって、他校の文化祭が気になり、よく行くのですが、都心では外でライブをするとなると近隣の方への理解や、そもそも音が出せないという問題があるようです。でも日大明誠は住宅街が近くにないので音も出せるし、学校も広いので、高校生にとって理想的な文化祭が開催できる環境だと思います。
例年、一番見所となっている催しを教えてください。
國森さん
一般向けだと、ダンス部や軽音部を始めとした音楽系の部活でしょう。生徒・保護者向けでは1年生から3年生の全クラスが参加するクラスパフォーマンス(※)です。
生徒のみだと中夜祭です。コロナ禍でしばらく中止になっていましたが、昨年久しぶりに開催でき、ダンスや軽音部の演奏や有志参加もあってものすごく盛り上がりました。
※模擬店やクラスの出展企画とは別に1クラスあたり3分程度の演劇やダンスパフォーマンスなどを披露。
昨年との違いはありますか。
近藤さん 誠祭名物だった壁一面の「壁画」が新校舎ではできなくなってしまいました。その代わりに廊下の壁が一面ホワイトボードになったので、各クラス趣向を凝らした装飾を楽しんでいただけると思います。
文化祭期間中のスマホ解禁実現へ向けて動く!
文化祭を開催するにあたって委員長として注意していることはなんでしょう。

國森さん 文化祭は全校生徒を巻き込んで実施するものです。昨年経験して、いかに混乱が起きないようにするか、事前にしっかり中身を詰める、構成を決めるということは気をつけました。
近藤さん 班ごとに活動しているとはいえ180人という大人数なので、自分が何をやらなければいけないのかをしっかり伝えるようにしています。また生徒会の時から大事にしていたことですが、報連相を徹底して学校側との連絡はもちろん委員会の中でも混乱が起きないよう務めました。
準備段階で大変だったことはありますか。
近藤さん
昨年の生徒会での活動になりますが、日大明誠は校内でのスマホ使用が校則で禁止されています。しかし僕たちの学校は遠いし校内も広いので、当日に親や友達との連絡や、思い出に写真を撮りたいという希望が多く出たので、中夜祭復活を契機に、文化祭の2日間だけスマホ使用を許可してもらうことを学校側と話し合いました。
その際、スマホ使用のメリット・デメリットを示すためにも生徒からアンケートを取ろうと思ったのですが、初回実施時の回答数が悪く、どうやったら学校が納得してくれる回答を得られるか苦心しました。また実際使う場合のルール作りも難しかったところでしたが、なんとか実現できました。
悔いが残った昨年の中夜祭。「今年こそ」の思いを胸に
今年も文化祭に携わりたい、実行委員をやりたいと思った理由はなんですか。
國森さん 元々ライブなどが好きでイベント運営に興味がありました。入学前、学校説明会で文化祭の紹介があった際、屋外ステージやクラスパフォーマンスの写真を見てとても楽しそうだと思い、1年生からずっと続けています。昨年実施した中夜祭が思っていたようにやりきれなかったという気持ちがあり、3年生になったからには昨年よりいい中夜祭をやりたい、みんなに楽しんでもらいと思いました。
近藤さん 実は1年生のときは実行委員になりたかったのですが、人数制限があったため生徒会に入りました。でもやはり文化祭の企画をやりたい、また國森くんが復活させようとしていた一番大きな企画でもある中夜祭を手がけたいと思い、2年生のときは、生徒会と実行委員を兼務するかたちで携わるようになりました。
両方で活躍されたのですね。委員会の活動でどんなことを学びましたか。
國森さん 企画の中身を詰めることの大切さです。昨年の中夜祭はそれができないまま実施してしまい運営側で混乱する場面がありました。曖昧なニュアンスでも数人程度だったらなんとかなっても、10人、20人ともなると全部が崩れていくということを実感しました。
近藤さん 指示したことを実際守ってもらうことは難しいと感じました。また何か提案する際、相手にもこれがいいと思ってもらえるような伝え方や、ただ良いことだけを言うのでもなく、デメリットも踏まえた上で最善の選択ができるように考える難しさを学びました。
実行委員を経験して成長したと思うところはなんでしょう。
國森さん 僕は提案することは得意でしたが、交渉することがとても苦手でした。でも中夜祭や他の企画を手がけるなかで、先生と話し合いながら改善点を見つけていくことを経験し、コミュニケーションや交渉の方法など社会人に必要なことをいっぱい学べたと思います。
近藤さん 大勢の前で話すことがあまり得意ではなかったのですが、文化祭の期間は企画案について生徒会や委員会の仲間、先生方と話すことがとても多くあります。おかげで人前でしゃべることに大分慣れることができました。
高校卒業も間近ですね。今後の抱負をお聞かせください。
國森さん 内部進学で日大に進みます。将来は建築関係の仕事に進みたいので大学でもそうした勉強をしていきたいです。
近藤さん 一般受験で他大学を受けます。僕は教育関係に興味があり、将来は教育関係の人が働きやすい、そして子どもたちが学んで楽しいという環境づくりがしたいと思っています。それが実現できるのは行政機関だと思うので官僚を目指しています。
編集後記
このインタビューから3週間後、晴天の中で誠祭が開催。2日目、高校最後のクラスパフォーマンスを終えた直後に、再び國森さんと近藤さんにお話をうかがいました。

今年こそ! と力をいれていた中夜祭について國森さんは「とてもうまくいきました。みんな楽しんでくれて良かった」と昨年の悔しさを払拭するほど、やりきった満足感でいっぱいの様子。近藤さんからは「最後まで事故なく無事に終わらせたいです」と実行委員長としての責任を感じさせる言葉が聞かれました。二人とも自分の思いが実現できたという思いがあふれ、晴れ晴れとした表情が印象的でした。
イベント紹介
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