
先生も学ぶ!共立女子第二「まなびの場」を覗いてみました
8月に行われた第3回では、先生方が「授業づくりや生徒指導における“共立女子第二らしさ”をどう次世代へ継承するか」について、熱心に意見を交わしていました。「アクティブラーニングとは発言の多さではなく、生徒が自ら考えているかどうかだ」「流行を追うだけではそこに魂は宿らない。共立女子第二の不変の価値を今こそ意識したい」といった発言が印象的でした。
「働き方改革と“手間ひまをかける教育”の両立」「手間をかけることと甘やかすことの違い」「自立を引き出すための距離感」など、具体的な悩みや実践例も率直に共有され、教育観を見直し学び合う取り組みは新しい挑戦でありながら、″原点回帰″であるともいえます。

教員勉強会で伝統を受け継ぎつつ、共立女子第二の未来を模索
続いて、勉強会に参加している先生方にお話をうかがいました。
吉利勲先生

・担当教科:国語科
・担当:中学1年
・2005年から在職。母親も同校の卒業生であり、親子二代で同校との縁が深い。
坂田洋介先生

・担当教科:数学科
・担当:中学3年
・2007年から在職。共立女子第二の生徒たちの成長を見守り続けている。
田中元女先生

・担当教科:国語科
・担当:高校2年
・1996年から在職。同校の卒業生であり、森重先生の恩師でもある。
森重真央先生

・担当教科:理科
・担当:中学1年
・2021年から在職。自身も生徒として過ごした母校で、次世代の生徒たちと向き合う。
「まなびの場」の趣旨についてお聞かせください。
吉利先生 この勉強会は、創立55周年を迎えた今こそ、共立女子第二の歴史や伝統を整理・言語化し、未来にどう受け継いでいくかを考えるために立ち上げたものです。
勉強会に参加された動機や思いをお聞かせください。
坂田先生 本校が持つ良さを自信を持って生徒に提供したいという思いがありました。日頃から先生同士で教育について語り合うことは多いですが、それを体系的に言語化することで、自分たちの実践に確信を持ちたい。学校、教員、生徒、みんながともに発展していけるという期待を持って参加しています。
田中先生 参加してあらためて、人と人とのつながりこそが本校の伝統であり良さだと実感しました。本校には卒業生が母親や教員として戻ってきたり、OG同士が駅伝に出場したり、保護者とも長く信頼関係が続いたりする文化があります。この勉強会は即効性のある成果を求めるというより、過去を振り返るだけでなく未来を描くための活動という点で、とても意義を感じています。
森重先生 私は本校の卒業生で、教員として母校に戻ってきました。吉利先生にお声掛けいただき、自分が受けた教育や学校への愛着を、あらためて言語化する良い機会だと思い参加しました。
今後、どのように勉強会を発展させたいと考えていますか。
吉利先生 先生同士が率直に意見交換できるこの場を継続し、より多くの先生方に参加してもらうことで、共立女子第二らしさを見える形で共有・強化していきたいです。検証や反省は決してネガティブなものではなく、良かったことを発見し、認識し、言語化して継承していくためには必要不可欠な営みです。これからもより生徒・保護者の皆さんに「ここで学んでよかった」と思ってもらえる学校づくりにつなげていきたいと考えています。

「素直さ・穏やかさ・人懐っこさ」少人数制でオーダーメイドの指導を行う
共立女子第二の生徒さんの気質について、どのように感じていますか。
坂田先生 本校の生徒は礼儀正しく、素直で協調性があり、先生に対しても心を開いてくれる子が多いです。相手への目配り、気配り、思いやりが自然に身についていると感じます。
田中先生 今、本校を含む共立女子学園全体として「リーダーシップの共立」を掲げていますが、ある意味、君臨するようなリーダーというより、穏やかにみんなと協調しながら物事を進める生徒が多いと感じます。素直で、壁をつくらない子が多いですね。
森重先生 学校内外を問わず、人と壁を作らず初めて出会う人とでも素で話し、すぐに仲良くなってしまうような人懐っこさは、本校の生徒の基本的な気質の一つであり、私が生徒だった頃と変わらない昔からの魅力でもあると思います。
印象に残っている学びやイベントのエピソードはありますか。
田中先生 先日、高校2年生に「文学散歩に行かない?」と声をかけたら、クラスを超えて20名が集まり、神奈川近代文学館へ行ってきました。
吉利先生 同じように、芸術鑑賞会で原爆の惨状を描いた絵に関する演劇を観た流れで「原爆の図 丸木美術館」への校外学習を募ったところ、中1から高2まで学年を超えた12人が自主的に参加しました。先生が企画すると生徒が素直に応じてくれる。そういうフットワークの軽さも、本校の大きな魅力です。
少人数制だからこそできる、生徒一人ひとりへのサポートについて教えてください。
坂田先生 併設校への推薦を辞退し、自分のやりたいことを優先して志望校に合格した生徒がいました。最初は補習が必要な子でしたが、仲間と協調しながら努力を重ね、自立した進路選択ができるまでに成長しました。保護者の方も面談を通じて理解を示してくださり、生徒・保護者・教員が一体となって自立した進路選択を後押しできた、本校らしいケースだったと感じています。
田中先生 塾に通わず早稲田大学に合格した卒業生が、「先生方が弱点を補うプリントを用意してくれるなど、オーダーメイドの指導をしてくれたから塾は必要なかった」と話してくれたことがあります。画一的な受験指導ではなく、一人ひとりに寄り添えることこそ、本校の強みだと感じます。
森重先生 生徒一人ひとりの顔が見える温かい環境だからこそ、学年を超えた交流も多く、行事やクラブ活動を通じて自然と縦のつながりが生まれるのも魅力です。異なる学年の生徒同士が支え合う姿を見るたびに、この学校ならではの良さを感じます。

教育のこれからとメッセージ
今後の教育について、どのような思いがありますか。
吉利先生 勉強会の回を重ねるごとに、本校の本質が「心と心の触れ合う教育」という、四半世紀前まで本校の学校パンフレットで使われていたワンフレーズに集約されているとの思いを強くしています。これからも生徒一人ひとりを丁寧に見守って、その個性を引き出し、大学進学という目先のゴールだけでなく、さらにその先を見据えたアプローチを大切にしていきたい。そのためにも「心と心の触れ合う教育」の精神を次世代へと受け継いでいきたいと思います。
保護者や受験生に向けて、メッセージをお願いします。
坂田先生 伝統が間違って受け継がれたり、薄まったりすることに危機感を持ち、次世代にも伝統の本質を残したいという思いがあります。多様な挑戦ができる学校なので、ぜひ自分の可能性を広げに来てください。
田中先生 本校では、自分のペースで頑張ることができますし、さまざまな興味関心に対応できるコースも用意しています。どうぞ自然体で来てください。居場所がきっと見つかるはずです。
森重先生 私たち教員は、生徒がまだ気づいていない良さをみつけ、「これができるのでは?」と背中を押せる存在でありたいです。たとえ入学時は頑張りたいことが明確になっていなくても、臆せず色々な所に飛び込んでみてください。その中で、一緒に伸びしろを探り、その可能性を最大限活かせるように、共に学校生活の中で成長していきましょう。
編集後記
先生方が自ら学び合う「まなびの場」を拝見し、共立女子第二の“心と心の触れ合う教育”がどのように育まれているかを実感しました。生徒一人ひとりに寄り添う少人数制の指導や、文化祭・校外学習などの多彩な体験を通じて、子どもたちが伸び伸びと成長していく姿が浮かびます。同校の温かな雰囲気を、イベントや説明会でぜひ体感してみてください。
イベント情報
中学校イベント情報
| イベント名 | 日時 |
|---|---|
| 中学校説明会+入試問題研究会2 | 2025年11月22日(土)14:00~15:30 |
| 中学校説明会+適性検査型問題研究会 | 2025年11月22日(土)14:00~15:30 |
| 中学校入試説明会+国算2科型入試体験 | 2025年12月21日(日)09:30~12:00 |
高校イベント情報
| イベント名 | 日時 |
|---|---|
| 授業見学会+高等学校説明会(二部制) | 2025年10月25日(土)10:00~12:00 |
| 高等学校説明会+個別相談 | 2025年11月22日(土)10:00~11:30 2025年11月29日(土)10:00~11:30 |

