
高大連携で広がる専門的な学び
体験学習のテーマは「発達が気になる子どもの支援方法」。大学での学びのプロセスを深く体験できるよう「理論編」と「実践編」の2段階で構成されています。
同校の取り組みについて、高大接続推進責任者である金子正孝先生に、聖望学園の高大連携や今回の体験学習に込められた思いについてうかがいました。
金子正孝先生

・役職:進路指導部 高大接続推進責任者
・担当教科:国語(論理国語)
高大連携プログラムの目的や意義を教えてください。
金子先生 生徒たちに自分の将来を具体的に考えさせたいと思っています。日頃の授業や学習科目の意義を深く理解し、生徒自身がモチベーションを持って高校生活に取り組めるようにすることが目的です。
高大連携プログラムについて、聖望学園ならではのこだわりはありますか。
金子先生 「理論」と「実践」を重視している点ですね。大学での学びは研究でもあるため、事実分析と理論をもとに実践するというプロセスを、生徒に分かりやすく提示しています。今回の実習を「理論編」と「実践編」の2日に分けて開催したことにも、そのような意図がありました。

「発達が気になる子どもの支援」というテーマを選ばれた背景を教えてください。
金子先生 昨今は少子化でありながら、発達障害と診断される子どもの数が増加傾向にあります。この社会的状況について、生徒たちにデータも参照しながら具体的な考察をしてほしかったのが理由の一つです。また実習先の東京家政大学狭山キャンパスには、看護やリハビリ、子ども支援といった学部があり、それらの学びを横断できる今回のテーマは、生徒の理解を深めるのに最適でした。医療や幼児教育の現場で行われていることには、学問的な裏付けがあるということを学んでほしかったのです。
高校生だけでなく、保護者や中学生も参加できるとうかがいました。
金子先生 進路はご家庭で一緒に考えていただくことが大切ですし、保護者ご自身の知的好奇心から熱心に参加される方もいらっしゃいます。中学生には、高校での学びを早い段階から意識してもらう良い機会になっています。
体験学習ならではの気づきと変化
体験学習での学びや気づきについて、高校2年生のS.T.さんとH.K.さんにお話をうかがいました。
S.T.さん(高校2年生)

・選択コース:文系
・将来の目標:年配の方に寄り添ったケアをしたいです
H.K.さん(高校2年生)

・選択コース:理系
・将来の目標:医師や看護師などの医療従事者になりたいと思っています。
目指している進路や将来について教えてください。
S.T.さん まだはっきりとは決めていませんが、小さい頃から「医療の道に進みたい」という思いを持っています。今、特に気になっているのは保健看護の分野です。
H.K.さん 私は医師や看護師などの医療従事者になりたいと思っています。母が看護師ということから、家のテレビではずっと医療系ドラマやドキュメンタリーが流れていました。その影響で、医療従事者に憧れるようになりました。
今回の体験実習に参加したきっかけを教えてください。
S.T.さん 発達が気になる子どもなど「私たちの目には見えないところで困っている人」が、生活をどう改善していくのか、障害や困りごとを抱えながらどのように生きていくのかに興味がありました。この講座では体験型実習がある点にも魅力を感じ、参加を決めました。
H.K.さん 将来は医療系の道に進みたいとは思っていますが、まだ具体的にどの分野にするかは決まっていません。視野を広げるために、医療に関するプログラムに参加してみようという気持ちで、今回の実習に申し込みました。参加前には、YouTubeなどで関連動画を観て勉強してきました。

印象的だった学びや体験はありますか。
S.T.さん 先生がお話された「理学療法士として働いている人のなかにも、支援内容について理論的に正しく説明できない人がいる」という言葉が印象的でした。保護者への説明不足により、「遊ばせているだけ」だと思われてしまう場合があるそうです。理論にもとづいた支援は意義深いはずなのに、もったいないと思いました。
H.K.さん 全体を通して、すごく自由で驚きました。先生が隣で「こんなのもあるよ」とさまざまな提案をしてくれて、私たちのやりたいことを何でもサポートしてくれたんです。ルールに縛られずに自分で試せることが新鮮で、その道のプロである大学の先生から直接教えてもらえる点に、高校の授業とは違う「大学ならではの学びの面白さ」を感じました。
体験実習で、大変だったことや難しいと感じたことはありますか。
S.T.さん グループワークでのコミュニケーションが難しかったです。初対面のメンバーも多いなか、全員の意見や考えをしっかり聞く時間をつくるのは大変でした。
H.K.さん 一人ひとり症例が違うので、その人に合った方法を見つけていくのは難しいだろうなと感じました。


将来についての考えに変化はありましたか。
S.T.さん 医療領域に携わりたいという気持ちが強まった気がします。患者さんが抱える悩みが軽くなって、前に進めたら嬉しいだろうなと感じました。
H.K.さん 医師や看護師になりたいと考えていたのですが、見えない困りごとを支援できる理学療法士の道もあるなと、選択肢が広がりました。
今回の学びを、今後の学校生活にどう活かしていきたいですか。
S.T.さん 「一人ひとり違う」という学びを通して、普段の人間関係においても「先入観で人を見てはいけない」と改めて思いました。これからは、相手を個人としてしっかり見て接することができるようになりたいです。
H.K.さん 苦手な人がいると、その人の嫌なところばかり見てしまいがちでした。今後は「その人にも何か困っていることがあるのかも」と、相手の背景を想像できるようになっていきたいです。

今回の所感と「高大連携プログラム」の展望
金子先生から見て、体験実習中の生徒の様子はいかがでしたか。
金子先生 「理論編」の内容を踏まえて実践をしている様子が見て取れ、感心しました。また、3年生の生徒が非常に積極的に取り組んでいるのが印象的でしたね。自分からその場にある道具を組み合わせて動いており、チームのコミュニケーションもよくできていたと思います。
高大連携プログラムの今後の展望をお聞かせください。
金子先生 医療や幼児教育、養護の分野では、病院や保育所とも連携を深めながら、より具体的に学べる仕組み作りをしていきます。他分野についても同様に充実させていく見通しです。本校はミッション系の学校ですので、ミッション系ならではの企画も検討しています。
受験生や保護者の方へのメッセージをお願いします。
金子先生 聖望学園の強みは、理論と実践を重視する本校ならではの教育プログラムにあります。生徒自身が興味・関心を深められる企画を充実させてまいりますので、説明会にもぜひお越しください。
編集後記
今回の体験実習では、理学療法士の仕事や、人の悩みとの向き合い方について生徒の理解を深め、進路選択に示唆を与えるなど参加生徒には大きな刺激となったようです。聖望学園の高大連携プログラムは保護者にも人気のプログラムがあるとのこと。これからも魅力的なプログラムをつくっていきたいと金子先生は意気込んでいます。生徒の可能性、将来性を拡げる同校の取り組みに注目です。
イベント情報
9月13日(土)12:00〜16:00、9月14日(日)9:00〜15:00の中山祭(文化祭)は予約不要で自由に参加可能です。それ以外の下記イベントは、予約が必要になります。
中学校イベント情報
| イベント名 | 日時 | 備考 |
|---|---|---|
| 文化祭ミニ学校説明会 | 9月13日(土)12:30〜13:00 9月14日(日)9:30~10:00 |
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| 文化祭個別相談会 | 9月14日(土)~15日(日) | ※予約不要 |
| 第3回学校説明会 | 10月25日(土) 14:00〜16:00 |
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| 入試対策特講 | 11月15日(土) 14:00〜16:00 |
問題解説あり |
高校イベント情報
| イベント名 | 日時 | 備考 |
|---|---|---|
| 第2回学校説明会(文化祭) | 9月13日(土) 13:30~14:30 |
個別相談を希望の方は、別途個別相談会も予約が必要 |
| 第3回学校説明会(文化祭) | 9月14日(日) 10:00~11:00 |
個別相談を希望の方は、別途個別相談会も予約が必要 |
| 第2回オープンキャンパス | 9月23日(火・祝) 9:00〜12:30 |
授業体験か部活動体験を選択 |
| 第4回学校説明会 | 9月23日(火・祝) 13:30~14:30 |
個別相談を希望の方は、別途個別相談会も予約が必要 |
| 第5回学校説明会 | 10月11日(土) 10:00〜11:00 |
説明会終了後、個別相談会あり |
| 入試対策特講 | 10月19日(日) 9:00〜12:30 |
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| 第6回学校説明会 | 10月25日(土) 10:00〜11:00 |
説明会終了後、個別相談会あり |
| 第3回個別相談会 | 11月16日(日) | |
| 第7回学校説明会 | 11月29日(土) 10:00〜11:00 |
説明会終了後、個別相談会あり |

