人間性豊かな人物を育成する寮生活の背景
兄の後を追って秀明に入学した高2女子一名と、コロナ禍の入学で困難を切り抜けてきた中3女子二名から、一週間につき4泊5日を過ごす女子寮生活についてたくさんお話しいただきました。
寮の仲間たちや毎日の生活についてどのように思っていますか。
Y.I.さん 長い間ずっと生活しているので、みんなとは素のままで接することができるようになりました。相手のことを思いやり、お互いが配慮しながら生活しているので快適そのものです。もちろん喧嘩することはあり、先生に仲裁をお願いすることもありますが、二人部屋では友だちとの会話が自然に増えて、一人きりで過ごす1週間よりもずっと長く感じますね。
S.Y.さん
3年間も一緒に過ごしていると徐々にみんなと共通する話題が増えてきて、何を考えているのか、どんな気持ちなのかを知っているので、まるで家族のような存在に思えてきます。
ごみ捨て当番や部屋の掃除などの役割分担をするうちに、自分一人だけの環境ではないと気づく機会がたくさんありました。迷惑をかけないように気遣いをしているうちに、個人の違いを受け入れる「心の器」が大きくなりました。
S.H.さん
新しいメンバーとして高入生がやってきても、すぐに仲良くなれる雰囲気があります。学校行事も人間関係が発展する手助けになっていて、中2と高1で二回参加するイギリス英語研修では同学年のみんなと絆が深まりました。いつもと異なる環境で助け合う留学経験は、とても意義のあるものになりました。
高校生にもなれば大学受験を意識するようになり、勉強を最優先するように指導を受けています。しかも自宅通学の選択肢が増えるのですが、実際には寮生活を続けながら全力で部活動に取り組む人が多いです。高校からは一人部屋になるので、人間関係でのトラブルは減るかもしれません。
入寮してからの成長や、保護者との関係について聞かせてください。
Y.I.さん 入学したばかりの頃は、家族と離れて暮らす中で寂しい思いをしましたが、友だちができたことで毎日を楽しく過ごすようになりました。今では両親も心配する要素はないと言ってくれています。
S.Y.さん 洗濯・掃除をやってもらっていた環境と比べると、自分自身で行動して何でもできるようになりたいと考えるようになりました。それでも自宅で過ごす週末に母がいると甘えてしまいますね。
S.H.さん 寮生活が長いので、自宅に帰ると大人扱いされるようになりました。秀明で寮生活をしてきた兄の成長過程を見てきたからなのか、もうすでに一人の女性として信頼してくれているのが伝わってきます。在校時の兄は生徒会に所属していたので私も同様に立候補し、生徒会長として秀明の良さを広めたり生活環境を整えたりするお手伝いを率先しています。
最近あった「嬉しいこと」を教えてもらえますか。
Y.I.さん 寮生全員に連絡事項を伝える大切な係として、点呼を担当する棟長を任されるようになりました。みんなと仲良くなれたのは、大変な役割でも率先して行動する姿が認められたからだと思っています。
S.Y.さん 秀明のキャンパス内では、生徒全員が来校される人に向かって挨拶するようにしています。学年は異なっても、率先してお互いの手本になろうという気持ちを持っているのが誇らしいです。
S.H.さん 先生から「みんなの親代わりになってあげる」と言われたことがあります。これ以上、安心できる言葉はありません。
医師になるには大変な努力が必要ですが、どのように自分と向き合っていますか。
Y.I.さん 小学生の頃は勉強が好きになれず、中学受験なんてとんでもないと思っていました。1週間の最後には宿題としての「週末学習」があり、寮では「夜間学習」の時間も設けられています。たとえ嫌いだとしても勉強を怠けることができないおかげで学力が向上しました!
S.Y.さん 寮生活は通学時間がありませんし、自分次第で自由な時間を作ることができるので、勉強するには大きなメリットになります。週末でも帰宅せずに先生へ質問できるので、塾に通う必要もありません。医師になりたいという夢を叶えるのに最適な環境だと思いますよ。
S.H.さん 親が医者でも私はそうなりたいと思っていなかったのですが、高1になってから医学の道を目指すことにしました。なぜなら、医学部で学ぶ兄から医大の話を聞いたり、受験のスペシャリストである先生方から歴代の先輩方の話を聞いたりするうちに、本当にやるべきことを考えるようになったからです。
塾の代わりに夜間学習があるのですね。
Y.I.さん 夕食後の時間を40分3コマに区切って、検定テストや読書タイムがあります。それ以外は授業の復習やテスト勉強など、自分のために過ごす時間にしています。
S.Y.さん 学年の先生に同席していただくので心強いです。苦手な科目がありましたが、夜間学習のおかげで少しはできるようになりました。読書タイムは勉強ではないので、気持ちのオンオフ切り替えに利用しています。
高2にもなると、校内でいろんな体験をしてきたのではないですか。
S.H.さん
日本全国から生徒が集まるので、日本一多様性のある学校だと校長はおっしゃいます。人それぞれの背景が異なるので、初めに驚くことはあっても、何日か過ごすうちに理解できるようになりました。それを考えると昔の自分が幼く思うほど、人間的に成長しているのを実感できます。遠慮して見過ごしてきた友だちの悪い点を正面から指摘できるようにもなりました。喧嘩につながる場合もありますが、直してもらいたいという気持ちを伝えることの大切さを知りました。
秀明で過ごす6年間は、大人になっても決して忘れません。私にとって、この学校を選んだのが一番の正解だと信じています。
中学生のお二人も充実した毎日を過ごしているようですね。
Y.I.さん 卒業生である母も学校とお付き合いがあり、先生方に質問があったら職員室ですぐに声をかけるようにしています。以前まで感じていた堅苦しいイメージが無くなり、今は食堂で先生と一緒に座ってご飯を食べるほど打ち解けています。
S.Y.さん イギリス人の先生たちが本場の英語で英会話レッスンをしてくれます。1クラスを三つに分ける英語少人数授業では、スピーキングだけでなく英検2次対策まであるんです。秀明で長年授業を指導してきた経験豊富な先生方なので、発表する際の恥ずかしさは無くなりました。
みんなの先輩として、中学受験生に向けた学校紹介をお願いします。
S.H.さん
寮生同士で助け合う文化があるので、人間関係だけでなく勉強面でも安心して入学できる学校です。しかも他校と比べると少人数の学校なので「知らない人がいない」んです。来年(2025年)の4月には立派な新校舎が完成して、とっても環境が刷新されるはずです。
もしも寮生活に不安があるなら、一泊二日の宿泊体験に参加してみると良いですよ。私の場合は同じタイミングで吹奏楽部の練習風景も覗いてみました。秀明が持つ本当の魅力は、足を運んだ際に挨拶をするみんなの様子を見てみないと伝わりにくいかもしれません。文化祭や学校説明会などのチャンスを逃さず、みんなで遊びに来てくださいね!
編集後記
三者三様の個性が伝わってくるインタビュー取材でした。進学実績ばかりが評価基準になりがちな進学校を比較するに、純粋さを失わずに自立した大人に育つことができる秀明の生活環境・教育体制は他校と一線を画するものです。家族ぐるみで関わる秀明生としての誇りを持つ女子生徒たちのおかげで、秀明学園全体が掲げる「心の教育」が目指すものを感じ取れる機会となりました。
イベント情報
イベント名 | 日時 |
---|---|
授業公開・個別相談 | 随時対応(公式サイトより要予約) |
文化祭見学会 | 2024年9月14日(土)・15日(日) |
中学校説明会 | 2024年11月10日(日) |
高校説明会 | 2024年11月17日(日) |