
円満な人間関係を育む力と、自ら考え選ぶ力を第一に
「建学の精神」のもと、佼成女子ではどのような生徒像を目指しているのでしょうか。



先生方それぞれ、生徒にどのように成長してほしいと願っていますか。
松村先生 本校のグローバル教育の土台とも言えることですが、あらゆる人々と心を通わせ、手を取り合えるような人間になってほしいと考えています。私は毎年、保護者もいる入学式で生徒たちへ口を酸っぱくして「故意に人を傷つけないと約束してください」と伝えています。この心構えさえあれば、考え方が違っても、じっくり話し合うことで円満に解決できるのです。
二木先生 松村先生が言うように円満な人間関係を築いていき、誇れる仲間とともに高い人間力を育んでほしいですね。学生生活はもちろん、社会に出てからもたくさんの困難が待ち構えているでしょう。そういったときも失敗を恐れずしなやかに立ち向かい、周りの誰かと手を取り合えるような女性へ成長しよう、と生徒にもよく話しています。
西村先生 私は進路担当教員ということもあり、自分で考え、自分の意志で道を進む大人になれるようなサポートをしています。世間の大多数の意見や特定の価値観に惑わされず、自身はどう思うか、自身はどうありたいかを見つめられる。生徒一人ひとりが進路を決める上で、そこまでたどり着けるのが理想ですね。


生徒一人ひとりの成長の“きっかけ”を作る
他者と分かり合い、共に生きていくための人間力を支える佼成女子の先生。その上で、日々の授業や進路指導の面ではどのようなことを心がけているのでしょうか。
授業や進路指導で、それぞれ心がけていることを教えてください。
松村先生 理科の教員として、理科に苦手意識を持つ生徒は多い印象があります。科学や生物はふだんの暮らしに直結しているにも関わらず、なかなか身近に感じにくいからでしょう。そこで私は、生徒の身の回りにあるものや事象を取り上げ、その仕組みを授業のトピックとリンクさせて伝えます。こうすることで、教科書だけでは分かりにくいことも、「そういうことなのか」と驚く生徒の表情をたくさん見ることができています。
二木先生 私は、生徒が自ら考え学ぶためのファシリテーターであることを意識しています。専門である数学の授業でも、問題解決能力を育てる探求学習でも同じです。難しい問題にあたったり疑問が浮かんだりしたとき、すぐに正解を教えるのではなく、ヒントを伝えながら、答えにたどり着くまで一緒に進むのです。かつては正解を教えるのが日本の教育の当たり前だったかもしれません。しかし現在は自ら考える力が、より高い人間力につながると信じています。
西村先生 教育や学びの在り方は大きく変化しています。本校の学校説明会などではすでにおなじみだと思うのですが、私はよく「進路決定は、一つの大きな船にみんなで乗り込むことではなく、一人ひとりが小さな船で自分に合った場所を目指すこと」と伝えています。数十年前に比べて大学の学部数は何倍にも増え、5年後にどんな職業が生まれているかも未知数。偏差値の高さやネームバリューだけで大学を選ぶ時代ではなくなったのです。

教員同士では、どのようなところで連携を図っていますか。
西村先生 教員同士で定期的に勉強会を開いています。時代の変化に応じて、教師の在り方や教育スタイルも変わっていかなければなりません。その点では、若手の教員がアンテナをするどく張っていることも多く、佼成女子という組織全体で考え方をアップデートできています。
二木先生
ITツールを駆使した教員同士のコミュニケーションもうまくいっています。例えば教育支援プラットフォームでは、その日の連絡事項はもちろん、各教員の業務スケジュールなども閲覧できます。本校ではチーム担任制を取り入れていますが、ここでしっかりと情報共有しながら生徒を見守っています。
こちらの教育支援プラットフォームは、生徒や保護者との情報共有にも役立っています。生徒にはイベントや学習プログラムなどを発信し、すぐに準備・行動できるように。保護者にもリアルタイムで学校の情報を伝えて安心してもらえるように、工夫しています。

先生方の取り組みを通じて、生徒の皆さんはどう変わっていきましたか。
二木先生 ある生徒は、高校2年次の総合探求でのドローン研究をきっかけに、情報工学に興味を持ちました。「この分野をもっと深く学びたい」と、ゼミナールを共催した東京都市大学への進学を決めたのです。はじめは消極的だった生徒にだんだんとやる気が芽生える様子は、ゼミナールの担当としてうれしい限りでした。
松村先生 本校での6年間で理科を好きになってくれる生徒も多く、ある生徒は生物の教師を目指して、現在韓国の大学へ通っています。次回帰国したときに本校へ顔を出してくれるそうで、彼女の成長を見られるのが楽しみです。
西村先生 このように佼成女子のミッションは、生徒を伸ばすことなのです。中学受験時の12歳の頃と比べ、高校へ進学する15歳、大学受験へ向かう17歳までに、飛躍的に伸びる生徒は決して珍しくありません。その可能性を見出すのが、我々教員の腕の見せどころ。保護者からは大学進学についてよく相談を受けますが、安心してほしいとお伝えしています。
二木先生 「大丈夫、君は必ず伸びるから」とまず保護者や教師である大人が生徒を信じ、背中を押してあげることが大切ですね。


教員となって帰ってくる卒業生も多数!卒業生が誇れる母校へ
最後に、今後の未来像もうかがいました。
今後どんな佼成女子を目指したいですか。
西村先生 教員が生徒や保護者の目線に立ち、真摯に向き合える学校でありたいですね。例えば先ほど触れたように、多様な進路を選べる時代になっていると伝えても、「その変化が本当なのか」「ではどうすれば良いのか」と不安になる生徒や保護者はたくさんいます。その気持ちを理解しながら、生徒一人ひとりが自分らしい道を歩めるように導ける場所を目指します。
松村先生 「生徒に幸せになってもらいたい」私達の望みは、保護者と同じです。学習面でも、ご家庭でのことでも、生徒と保護者と教員が一緒に悩み、一緒に喜べるような関係性を築きたいですね。
二木先生 生徒の苦手や不安を一緒に紐解きながら、とことん向き合っていく。そうすることでうわべだけでなく、教師は生徒に心から信じてもらえるのではないでしょうか。その中で、「毎日学校へ通うのが楽しみで仕方ない」と思ってもらえたら本望です。
西村先生 大変うれしいことに、本校では進路指導をサポートする大学生チューターとして活躍する卒業生が非常に多いのです。さらにその経験を経て本格的に教師を目指し、教員として本校へ帰ってくるケースは、決して珍しくありません。今後もそのように、生徒が卒業後もずっと誇れるような学校を作っていきたいですね。
編集後記
学問を教えるにとどまらず、生徒一人ひとりの可能性も一緒に切り開いてきた佼成女子。そこには単なる先生と生徒という上下関係ではなく、時には後ろから背中を押し、時には隣で伴走する関係性がありました。また、保護者との密なコミュニケーションを行う姿勢も。こうして生徒・保護者とまっすぐ向き合う先生方が集まるからこそ、生徒が高い人間性を育めるのでしょう。「信頼できる先生のもとで学びたい」という受験生は必見です。
イベント紹介
| イベント名 | 実施日時 | 備考 |
|---|---|---|
| 第5回 中学校説明会 | 2025年8月30日(土) 10:00~11:00 | 説明会内容:未来をひらく充実の英語教育 |
| 第2回 高校説明会 | 2025年8月30日(土) 14:00~15:00 | 学校説明(+個別相談・施設見学) |
| 第6回 中学校説明会 | 2025年9月27日(土) 10:00~11:00 | 説明会内容:卒業生が語る6年間の成長ストーリー |
| 第3回 高校説明会 | 2025年9月27日(土) 14:00~15:00 | 学校説明(+個別相談・施設見学) |

