
なぜ今の時代に全寮制なのか
世界中からリーダーの卵が集まる欧米圏の名門校は「ボーディングスクール」と呼ばれ、学業に励みながらも仲間との生活から協調性や社会性、さらには他者理解につながる価値観を学び取ります。海陽が掲げる全人教育とは、共同生活から「社会で活躍するための能力」と「学力」を高めつつ、豊かな「教養」を身につけるとともに、自らが考えて決断した「志」に向かって自己鍛錬を続ける活動と言い換えられます。
その教育成果の一例として、2024年春に卒業した13期卒業生は東大・京大・医学部医学科といった最難関大学への進学を果たしました。

合格のチャンスが増える多様な入試形態
先述のとおり、全寮制という特性を活かした全都道府県対象の中学入試に加えて、特別給費生・特待生制度が受けられる恩恵や多様な入試形態が導入されています。それらの詳細について、教頭の中島啓介先生からご説明いただきました。
海陽の入試にはどんな特徴がありますか。

中島先生
12月から行われる入試には、特別給費生入試と入試(I~III)といった区分が用意されており、特待生制度が充実しています。さらに入試(I~III)には視聴型問題や2科受験などのバリエーションがあります。
全国各地に試験会場を用意できる「デマンド会場制度」を始めたことで、全国各地から多様な夢を持つ受験生に入学してほしいという願いが込められています。
特別給費生の活躍がめざましいですね。
中島先生
特別給費生は年間の学費・寮費約250万円が6年間免除になる特待生制度で、特別給費生入試を受験し、合格したものが認定されます。寮での共同生活の中で、学習面では彼らが中心となり全体をひっぱる存在となり、昨年度の実績では過半数が現役で東大に進学しています。
その一方で入試(I~III)を経て入学した一般生も10%が東大・京大・国立医に、30%が旧帝大や早慶といった難関校に進学しており、特別給費生の影響を受けながら切磋琢磨しています。
入試(I~II)の視聴型問題受験型とはどのような試験内容ですか。
中島先生
これは映像や音声を利用した国語・理科・社会分野の筆記試験です。知識面よりも、聞く力・伝える力を重視しており、中学受験の準備を始めるのが遅かった方など知識面に不安がある方でも取り組みやすいスタイルとなっています。
例えば以下のような問題が出題されます。


中島先生 200点満点で採点し、通常の算数の試験100点とあわせて合否を判定します。また、試験は午前中に行われるため、午後の3科目または4科目の通常入試と組み合わせて受験することも可能です。東京と本校(蒲郡)でのみ受験が可能ですが、合否判定の機会も増えるため、特に専願で受験される方にはこちらの受験を推奨しています。
保護者同伴面談ではどのような質問がありますか。
中島先生
全員が寮生活をする学校ですので、入学後のミスマッチを少しでも減らすべく、受験者全員に保護者同伴面談を行っています。したがって質問も「集団生活での不安なこと」や「持病の有無」などについておうかがいし、受験者および保護者様からもご質問をお受けして、ご理解を深めていただく場としています。面接ではなく面談なので、答えに窮するような質問はありませんし、その内容が合否に関わることもありませんのでご安心ください。
試験当日の面談は長時間お待たせすることもありますので、事前の面談を推奨しています。オンラインでも面談することが可能ですよ。
7か所+デマンド会場を用意するのはなぜでしょうか。
中島先生 学校自体は愛知県の蒲郡市にありますが、自宅の遠近を問わず全員が寮で生活し、学力と人間力を高めていきます。ですから、近隣に中高一貫校がないような方も、寮に入って他の生徒と同じ条件で学ぶことができるため、全国各地から入学してほしいと考えています。デマンド会場とは自宅から基本の7会場(東京、横浜、本校蒲郡、名古屋、大阪、神戸、浜松)までおおむね90分以上要する場合、自宅の近くに試験会場を設定し、そこで受験できる仕組みです。これまで20道府県30都市に設定している実績がありますので、お気軽にご相談いただければと思います。


専願者の合否優遇に関してよく受ける質問はありますか。
中島先生
本校は6年間の寮生活を前提とした学校ですから、相応の想いを持って入学していただきたいですし、そういった生徒は学園生活において学力面でも生活面でも大きく伸びていく印象です。こういった事情から本校への入学を強く希望する方を対象に「専願」の制度を設けています。「具体的に何点加点するのか」とはよく聞かれますがそこは開示しておりません。ただ、前述の事情から合否ラインでの判定等では確実に考慮している、とご理解いただければと思います。
また、2024年度から入試Iにおける特待生判定の際にも専願を優遇することとしました。従前ですと成績上位15%の方は特待生A(年間約124万円免除)としていましたが、専願であれば特待生S(年間約187万円免除)にランクアップして認定します。加えて上位35%までの方も専願であれば特待生Aに認定する制度としています。
その他、合格発表後に専願に切り替えることのできる「事後専願」制度や、特別給費生入試で惜しくも不合格となった方が入試Iを専願受験し合格すれば特待生Aを確約する「予約特待」制度も導入しました。いずれも「専願」で受験される方を優遇したものですので、ぜひご利用ください。
全寮制でも授業は制服着用となるのですね。
中島先生 その通りで、授業は制服着用です。夏期はブレザーなしのシャツ姿での登校となりますが、全館空調が完備されているので、ネクタイも着用して過ごしています。もちろんハウスに戻れば、各自リラックスした服装に着替えて過ごしています。

どのように過去問へ取り組めばよいのでしょうか。
中島先生 海陽の入試は記述問題を重視していますので、過去問に取り組むときは自分の考えを分かりやすく伝えることを意識しましょう。また、分野にとらわれない考えを問う場合もあります。小学校で学んだ知識をフルに使って、自分なりに結論を出す練習をしてきてください。


来たる12月入試に向けて、受験勉強を頑張る小学生への応援メッセージをお願いします。
中島先生 日本で一番早い入試になりますが、先生のアドバイスをよく聞いて、自分を信じ、決して焦らないで勉強してくださいね。4月に会えることを学園のスタッフと在校生みんなで楽しみにしています。
編集後記
入試に関する話題を中心にうかがってきましたが、回答いただいたコメントの端々から受験生・生徒に対する心遣いや期待といった心情が伝わってきました。真のエリート育成を掲げる海陽がこれから見せてくれる進歩の過程にご注目ください。
イベント情報
イベント名 | 日時 | 備考 |
---|---|---|
東京 入試説明会 | 2024年10月27日(日) 10:00~12:00・14:00~16:00 | 学校・ハウス概要説明、入試概要説明、入試問題説明(各教科の傾向と対策)、個別面談(希望制、1組10~15分)、PTA相談(希望制)、卒業生・PTAによるトークセッション |
名古屋 入試説明会 | 2024年10月27日(日) 10:00~12:00・14:00~16:00 | 学校・ハウス概要説明、入試概要説明、入試問題説明(各教科の傾向と対策)、個別面談(希望制、1組10~15分)、PTA相談(希望制)、卒業生・PTAによるトークセッション |