もう苦手科目だなんて言わせない!目黒日大の数学指導

目黒日本大学中学校高等学校
目黒川に沿って続く桜並木や、隣接する中目黒・恵比寿といったおしゃれスポットで有名な目黒エリア。こうした都心に位置し、伸びやかな校風と新たな学習評価基準(ルーブリック)によって学力とともに人気も急上昇中の目黒日本大学中学校高等学校(以下、目黒日大)。日本大学の準付属校として安定した進学基盤を保ちながら、学力次第で外部難関大学も狙えるという柔軟なスタンスが目黒日大の魅力となっています。この人気校が取り組む「数学」を通して見えてきた特色を、受験生と保護者の皆さんに向けてご紹介しましょう。

中1時点で苦手意識を克服する「普段の授業」に見える工夫

学校説明会や個別相談会といった公開イベントなどをコーディネートしている広報部主任の天野正貴先生から、ご自身が指導する数学の極意についてお聞かせいただきました。

高校3年生担当で数学科・ゴルフ部顧問の天野正貴先生
高校3年生担当で数学科・ゴルフ部顧問の天野正貴先生

入学したての頃は学力のばらつきがあるかと思います。数学に対して生徒が持つ苦手意識を取り除くには、どのような工夫がありますか。

天野先生 提出してもらう定期課題から生徒の学習理解度を把握する「Weekly課題」、その課題内容が定着しているかを確認する「Weeklyテスト」を毎週実施します。それらを反復すると、「できた」という達成感を得られるようになります。また、クラス内のランキング表、学年のランキング表をタイムリーに掲載し、生徒間の競争心を掻き立てるようにしています。苦手な生徒も、ランキング表に掲載されると喜んで次の学習に向かいます。こうした施策を繰り返しながら、1年生の数学力の把握と育成に努めています。

集中力が続かない低学年生徒のモチベーションを高め、自立した学習姿勢を身につけさせる施策はありますか。

天野先生 教員側からの一方通行な講義が続くような授業だけは行わないように意識しています。章末問題、巻末問題、副教材を利用し、数学の授業にペアワーク・グループワークを取り入れ、生徒たちが教え合える環境で問題演習の時間を確保しています。さらに、学年が上がるにつれて入試問題や模試の過去問題に取り組むのですが、解説を生徒が行うことで、数学の授業内でも人前で発表する経験の場を設けました。全ての問題をグループワークだけで解決することはできないので、最終的には個人の計算力や論理的思考力が試されることは忘れないように意識しつつ、自ら数学に取り組むきっかけ作りの手段として活用しています。

学習支援センターでは具体的にどのようなサポートを受けられますか。

天野先生 数学に限ったことではありませんが、「Weeklyテスト」採点後は、不合格の生徒が学習支援センターで追試験を受けることになっています。成績状況は学内のネットワークでタイムリーに共有しているため、どの生徒がいつ不合格になって追試を受け、最後は合格したかどうかを、担当教員はすぐに把握することができます。テストの結果だけでなく、シラバスや通常授業の進度も共有しているチューターが学習支援センターに常駐しているので、担当教員が不在の場合でも生徒自身が直接出向き、日頃の授業内容を気軽に質問できるようになっています。
学習支援センターの利用に関しては、中学在学中は全員の加入を義務付けています。数学に限らずその他の教科も対応可能で、演習プリントは自分に合ったレベルの問題を自由に出力することができます。生徒一人ひとりに学習状況を記録するための個人ファイルが与えられ、担任も利用度合いなどを確認しながら保護者と状況共有しています。また、特別課外学習とは別に、通常授業の理解度を確認する目的で「学習会」を実施しています。希望すれば1年間通じて受講することができるので、学習塾に通う必要はありません。

徹底した学習支援が生徒自身のやる気を引き出します
徹底した学習支援が生徒自身のやる気を引き出します

目黒日大の真骨頂は大学進学支援にあり

前述の学習支援センターは、大学進学を意識する高校からその真価を発揮します。大学付属校にお子さまを通わせる保護者であれば誰もが気になる進学指導の視点から、目黒日大オリジナルの強みをお聞かせいただきました。

成績上位者を対象とした特別課外授業があるそうですね。

天野先生 補習を目的とした学習会とは異なり、現在は10人前後の少人数限定で参加者を受け入れているのが「特別課外授業」です。この授業は、模試の成績上位者、定期試験の成績上位者でないと受講することができません。入試問題や模試の過去問、中学在学中であっても高校で習う内容まで進めるなど、幅広い知識を取り入れつつ演習中心の授業を展開しています。

日大基礎学力到達度テスト(通称、基礎学)にはどう対策していますか。

天野先生 高校1年の3月には春期講習を設け、高校2・3年の4月と高校3年の9月に特別時間割を組んで基礎学対策を講じています。演習と解説はもちろんですが、さらには過去10年間の出題された各大問をすべて集約して分析しています。そこでは基礎学の出題傾向を把握したり、各大問の得点率に沿って作成した理系・文系それぞれの特別テキストを生徒と共有して、分野ごとの対策に活かしています。
ただし、中高一貫クラスの場合、基礎学を利用して日大に進学する割合が少ないので、文系志望者は基礎学の演習を行った後、共通テスト対策にも取り組んでいます。理系志望者については、基礎学は生徒各自の裁量で行うので、数学演習に取り組む時間が多くなっています。さらに、数学IIIと数学Cの授業は、それぞれ2次試験対策と共通テスト対策に充てています。

生徒同士の考えを交換する授業中のグループワーク
生徒同士の考えを交換する授業中のグループワーク

算数と理科が融合した算理入試の攻略法は?

目黒日大の中学入試には、算数と理科の合教科型として「算理(100点・70分)」が課される算理入試があります。2月1日の午後に実施されるユニークな入試として打ち出しており、面白い問題にチャレンジしたい中学受験生であれば一見の価値がある内容になっています。

算理入試に挑む受験生が事前にやっておきたいことはありますか。

天野先生 学校公式サイトに掲載されている算理入試の過去問すべてを解いてみましょう。毎年の合否を分けるポイントは、大問1と2の正答率です。複雑な計算でも最後まで解き切って正答を出すには、日頃から計算力を高める勉強が必要です。また、記述式の出題があるので単に答えを出すだけでなく、その答えに至った考えを記入する問題には、根拠をもって立式しましょう。さらに、算数と理科の合教科型であり2科目入試ではないことに注意してください。理科の知識を直接問うような問題は出題されず、図や表、グラフからのデータの読み取り、規則性に関しても問題文を読解する能力が試されます。日頃から長文読解や適性検査型IIのような問題に触れておくと良いでしょう。

受験生に向けて学習アドバイスをお願いします。

天野先生 焦らず、毎日計算練習に取り組むことが大切です。本校の過去問は11月から解き始めて問題ないので、基礎固めを行いましょう。算理に限らず、対話文や長文から答えを導き出すことがあるかもしれませんから、一問一答だけでなく読み取りの問題にも慣れておくと良いでしょう。学校説明会では在校生が運営している様子を直接見ることで入学後のイメージが湧いてきます。それを受験のモチベーションにして、絶対入学するんだ!という気持ちをもって一日一日を大切に過ごしてください。

先輩が勉強する姿から刺激を受ける学習支援センター
先輩が勉強する姿から刺激を受ける学習支援センター

編集後記

校内に補習塾と進学塾がある点だけが人気私立校になった理由ではありません。足を運んでみると分かりますが、来校者を迎える生徒たちの明るさや勢いといった「数値化できない雰囲気」が校内一帯に満ちています。受験するお子さまがいらっしゃるならば、ぜひとも目黒日大のキャンパスで人気の秘密を体感してください。

イベント情報 

イベント名 日時
第5回 学校説明会
※中高一貫1期生6年間の成長実感&部活動パフォーマンス
2024年12月14日(土)
学校相談・個別相談
※要予約
平日16:00~18:00
※行事の都合上、実施できない日程もございます