
そこで今回は、高等学校から入学し東大に合格を果たした22年度卒業生にお話をうかがいました。
通信教育と学校のゼミ活用で東大へ!
在学時はI類(難関国立進学コース)に在籍し、東京大学理科I類(以下、理I)に合格した武岡さんにお話をうかがいました。
東大を目指そうと思ったのはいつごろですか?
武岡さん
入学して最初の試験で志望校を書く欄があったんです。当時はまだ志望校が決まっていなかったので、高い目標を掲げようと思い、「東京大学」と書きました。
その後もほかにピンとくる大学がないまま高校3年生になり、いよいよ志望校を確定しないといけない時期になりました。模試の成績が特別良かったわけではないですが、努力次第では合格も狙える位置だったので、担任の先生と相談して東大を志望校に決めました。
高い成績を維持し続けてきたからなのですね。理Iを受けられたということは併願した私立大学はどこでしたか。
武岡さん 工学系、特に宇宙工学に興味があったので、理Iと同じような勉強ができたらと思い、慶應大学の理工学部と早稲田大学の先進理工学部を受験しました。
予備校には通われたのでしょうか。
武岡さん 予備校は移動の時間が無駄だと思ったので行ってないです。移動に1時間かかるのであれば、その分勉強に費やしたいと考えました。でも受験直前期は、予備校主催の直前模試を受けました。そのほか、学校の夏期講習や冬期講習、通信教育を受講しながら、自分のペースで受験勉強に取り組みました。
勉強時間はどのくらいだったのですか。
武岡さん 受験直前期になる前は、平日は2時間、休日は3時間くらい。直前期になった頃からは平日は5、6時間、休日は10〜12時間くらいでした。

苦手な科目はありましたか?ご自分で勉強されていたということですが、どう克服されたのでしょう。
武岡さん 数学と理科はずっと好きだったので得意でしたが、国語と英語は苦手だったんです。とにかく長文や演習を繰り返し解きました。中でも英語は学校の夏期講習や冬期講習でも徹底的に取り組みました。講習のおかげで長文の読み方がしっかり身に付きました。
真っ直ぐに勉強に取り組んだ日々。一番の相談者は担任の先生
学校の講習と通信教育で東大の勉強を続けた武岡さん。受験勉強の日々を改めて振り返っていただきました。
受験勉強を進める中で先生からどんなアドバイスがありましたか。
武岡さん
一番相談したのは担任の先生でした。まず先生からは「勉強時間を増やしたほうがいい」とアドバイスを受けました。実は幼い頃からずっと水泳を続けていまして、平日は毎日泳いでいたんです。しかし先生からのアドバイスもあり、私自身も両立は難しいと思っていたので、3年生になった時点で勉強に集中しました。
ほかにも、先生からは「次はこれをやったらいいよ」とさまざまな参考書を紹介していただいて、次に何をすべきか迷った際は、たくさん相談していましたね。

「受験勉強は辛くなりがちなので、息抜きできることを用意するとうまくいくと思います」とのこと
受験勉強で辛かったことはありましたか。また毎日勉強を続けていく中で東大合格へのモチベーションをどう保ってましたか。
武岡さん 特に辛いと思ったことはなかったです。もともと、覚えることより考えることが好きで、勉強すること自体あまり苦には思っていませんでした。また息抜きに時々水泳やゲームもして、メリハリをつけていました。
東大を目指した日々を振り返って、どのような毎日でしたか。
武岡さん とにかくまっすぐに勉強に取り組んだ毎日だったなと思います。東大を目指すことを家族に伝えたときはあまり驚かれませんでしたが、いろいろとサポートしてもらいながらやり抜くことができました。息抜きも大切にし、自分のペースでやり抜くことができたと思います。
狭山ヶ丘での一番の思い出は3年の文化祭
最後に武岡さんの高校時代の思い出と受験生へのメッセージをいただきました。
狭山ヶ丘に進学しようと思われた決め手はどんなところだったのしょうか。
武岡さん 大学進学にも力を入れている進学校で、家からも近かったことが一番の決め手でした。3年間は自転車で通学していました。

高校時代で一番印象に残っていることを教えてください。
武岡さん
3年生のときの文化祭です。このときばかりは受験勉強はちょっと置いておいて、クラスみんなでいろいろな企画や準備をしてすごく盛り上がりました(※)。
受験勉強中心の毎日だったので、とても楽しかったです。
※昨年の文化祭は入場制限などもなく、ほぼ例年どおりのスタイル(飲食系の出店はなし)に戻して実施された。
狭山ヶ丘を目指している受験生に向けてメッセージをお願いします。
武岡さん
狭山ヶ丘の一番の魅力は進路指導だと思います。一人ひとりにすごく熱心にアドバイスしてくれて、私もとても助けてもらいました。
それに、ただ勉強ばかりじゃなくて、イベントがあると学校全体で盛り上がってとても楽しいです。
学校生活も楽しめて、かつ志望する大学への進学もしっかりサポートしてくれる学校だと思います。
一人ひとりをしっかりサポートし続ける狭山ヶ丘の進路指導
進路指導ご担当の先生に、今後の進路指導についてお聞きしました。
2023年度入試の大学合格実績
23年度入試では内進生から1名、高入生から1名、合計2名の生徒を東大に送り出すことができました。東大合格者を複数名輩出、なにより内進生からも高入生からも合格者が出たことは非常に喜ばしいことでした。
また旧帝大合格者も昨年より増加し、これまで合格者が出ていなかった大学に合格した生徒もいました。
2022年度の卒業生たちの印象
武岡君の学年は、とても素直でがんばり屋な生徒たちが多い学年でした。
彼らが入学した2020年は、新型コロナ感染症防止のため、全国一斉休校からスタートしています。学業に支障がないよう、すぐにオンライン授業に切り替えましたが、登校できるようになるまでの約3か月間はどんな生徒たちなのか、どのように授業をすすめたらいいか手探りの状態でした。でも次第にお互いのことを分かるようになり、徐々に通常の学校生活を取り戻してきました。
その中でもI類の生徒たちは、自分たちの足りないところを指摘された際、なぜこれができないのか、ダメなのか、原因や理由を自分自身で探して対応する力を持った生徒たちでした。授業にもグイグイ食いついてくる生徒が多くいました。
狭山ヶ丘の進路指導とは
まず当校では高校1年生のときから、各コースに合わせて進路ガイダンスをコース別に行います。生徒たち一人ひとりに合わせた進路指導は個別に直接担任が行い、全体的な指導と個別指導の両方を組み合わせて生徒たちをサポートしています。
また当校では伝統的に、3年生が卒業直前に2年生に向けて合格体験を話す報告会があります。
今年は武岡君にも話してもらいましたが、その話を聞いた現在の3年生はとても良い刺激を受けたようです。授業中の目の輝きが違うのです。その姿勢には私たち教師も緊張してくるくらいで、しっかり準備して授業をしなければと毎日身が引き締まる思いです。
今後の指導方針
毎年東大合格者を輩出し続けることを目指しています。そのためには早い段階で東大志望者が5名、10名出てくるようなサイクルを生み出すことが重要と考えています。その契機となるよう、新型コロナの影響で休止していた「東大キャンパスツアー」(※)への参加も模索しているところです。
合わせて難関私立大学への合格者もさらに伸ばしていきたいです。
※東京大学が主催する本郷キャンパスのガイドツアー
生徒たちは志望校へ向けて日々勉強に励み、高い進学実績を出し続けています。当校ではこれまで以上に生徒一人ひとりをしっかりサポートし、希望の大学に合格できるよう尽力していきます。
編集後記
通信教育と学校の講習会だけで東大合格を果たしたのは驚きでした。合格まで高いモチベーションを保ち続けてこられたのは、武岡さんのペースで着実に勉強を進めてきた姿勢もさることながら、生徒に寄り添いアドバイスしてきた担任の先生をはじめとした学校のサポートがあってのことだと思います。
狭山ヶ丘の生徒と先生の距離の近さが良い成果をもたらしていることを感じた取材でした。