生徒一人ひとりの力を引き出す狭山ヶ丘の指導力

狭山ヶ丘高等学校・付属中学校
狭山ヶ丘高等学校・付属中学校(以下、狭山ヶ丘)は「自学自習」を教育方針とした、自分で学び判断する力を身につけるための学習カリキュラムに力を入れています。この「自学自習」が身につくために中学校での学びはとても重要です。今回、中学校の先生方にご自身の授業についてお話しいただきました。

中学時代は学びの基礎固め。先生同士連携して指導

数学科の美尾先生
数学科の美尾涼平先生
国語科の河野先生
国語科の河野展寛先生
英語科の綾部先生
英語科の綾部美和子先生

学校の教育方針に関して、特に共感していることを教えてください。

美尾先生 「自学自習」の方針にはとても共感しています。こちらが十教えるのではなく、必要なことだけ教えて、生徒自身の自主性を育み、自分で考える力を身につける手伝いができることに魅力を感じていますね。

河野先生 自ら学ぶ学習習慣が身につけば、高校での学習はもちろん、大学入試で戦える力も身につきますし、社会に出てもやっていけるようになります。まず、中学時代にそこの基礎固めをするという共通認識を教員全員が持ったうえで、連携が取れていると思います。

綾部先生 英語は言語なので、学ぶ意欲さえあればいくらでも自分で進められるのが特徴です。そのため、「もっと先に進みたい」と言う子に対しては、どんどん先に進められるような学びを与えることができます。得意なものは率先して伸ばし、苦手はじっくり克服できるのが自学自習の強みです。

先生方からご覧になって狭山ヶ丘はどのようなタイプの生徒さんたちが多いですか?

美尾先生 授業でも、生活指導の面でも、私が言ったことを、素直に試してくれることが多いです。ときには上手くいかないときもありますが、それでも教師の話を素直に聞き入れる子は多いと思います。

河野先生 授業終わりに質問しに来る子もいますし、何気ない雑談をしにくる子もいるなど生徒と先生の距離はかなり近いと思います。また、放課後の補習でも、嫌になって逃げる子や無断でサボる子はいません。素直で、真面目で、いい子たちです。

綾部先生 英語の単語テストで、結果が振るわなかったときには再テストを行います。なかなか点数が取れなくても「できるまで頑張る!」と粘る子もいます。嫌なことでも、上手く切り替えて前向きに取り組む子が多いです。

先生お気に入りの学校施設やおすすめの学校イベントはありますか。

美尾先生 中学職員室の隣には図書室兼自習室があります。何か分からないことがあっても、すぐ隣の職員室に行きやすいので質問もしやすく、聞いたことを実践しやすい動線になっています。テストが近くなると利用者が増えて席が無くなることもあるくらい人気です。

河野先生 ベルーナドーム(西武ドーム)を貸し切って行われる体育祭は本校ならでは。普通のグラウンドでは経験できない独特の雰囲気があり、生徒たちも熱が入ります。学校行事でもある軽登山も魅力的です。勉強以外にも、生徒同士で互いを支えるような協調性が育まれる行事です。

綾部先生 私の一押しは本格的な内容の理科実習です。昨年度の中学1年生の校外実習では動物園に行きましたが、スキャンサンプリングという、1分ごとに動物の行動データを記録する、大学と同等レベルの動物観察調査を行いました。実習後は、集めたデータを分析して資料にまとめて発表を行います。本格的なリサーチと研究は生徒たちにとって貴重な経験になっています。

職員室の隣にある図書室兼自習室
職員室の隣にある図書室
西武ドームでの熱気あふれる体育祭
ベルーナドーム(西武ドーム)での熱気あふれる体育祭

中学で身につけた自学自習が進路実現に向けた確かな基盤に

授業の進め方などで工夫していることを教えてください。

美尾先生 中学1年生のうちは計算がメインになるため、モチベーションをあげるために話し方や雰囲気作りには特に気を付けています。数学は最初が重要なので、そこでつまずくことがあっても、個別にサポートするようにしています。

河野先生 国語に限らず、ほかの科目でも課題がそれなりに出るので、私の場合は他教科の先生の授業の進め方も見ながら、課題の配布を行うようにしています。学期の始まりや定期テスト終わりなど、なるべく早い段階で課題をまとめて出しておき、生徒個人がスケジュールを組んで余裕を持って取り組めるようにしています。

綾部先生 まず大学共通テストで良い点をとることを目標に、授業で集中して行う内容と、家庭学習で取り組む内容で区別しています。授業では音読をたくさん行っています。その分、家庭学習ではスペルや文法に取り組んでもらい、足りない部分は補習や再テストなどで補強します。さらにたくさんの教材に触れる機会を大切にすることで、英語に親しみを持ってもらうようにしています。

日頃の指導で手ごたえを感じた瞬間はありますか ?

美尾先生 毎週のホームルームでは、どの教科でも小テストを行いますが、以前のテストで間違えた問題ができるようになる瞬間などをよく見ます。授業で学んだことを自分で学習しなおすことで知識が定着し、応用問題にも正解するようになっていることの現れですね。

河野先生 生徒によっては学習習慣が身につかないまま入学してくる子もいます。でも勉強方法などを根気強く教えていけば、みんなできる子ばかりです。最初は伸び悩んでも後から巻き返してきますね。

綾部先生 英語は自ら使わないと身につかないものです。しかし、日々の授業でのペアワークで積極的に話せるようになる生徒の姿を見ると、手ごたえを感じます。間違いはあるものの、積極的に話そうとする姿勢を見ると、私の指導が伝わっていると実感できます。

高校進学での進路選択に向けて、どのような指導を行っていますか?

美尾先生 基本的に難関国立進学コース(Ⅰ類)に向けた指導を行いますが、それでも本人の意思や適性によって異なるコースを考える必要も出てきます。自分の考えや適性を考慮したうえで進学できるよう、日頃から高校での進路についてはこまめに話すようにして、理解を深めてもらうようにしています。

河野先生 勉強への取り組み方や習慣も進路において重視しています。成績的にはI類で問題ないとしても、いざそのコースに進んだ際についていけなくなることもあるので、日ごろの学習方法などで苦労していそうなことがあれば、そこへのアドバイスも欠かさないようにしています。

綾部先生 私は高校の授業も担当しているので、実際にⅠ類の生徒を指導しています。高校受験がない分、Ⅰ類を目指すことがモチベーションにもなるので、自分の学力のキャパシティーを上げられる指導を心がけています。実際にⅠ類の課題を見せながら、日々の学習以外の習慣的な取り組みも行うよう声掛けしています。

美尾先生の授業風景
美尾先生の授業

プラスアルファの行動ができる生徒に

狭山ヶ丘で過ごすことでどのように成長してほしいとお考えですか。

美尾先生 数学というのは、モノの考え方を学ぶ教科だと思います。「何故こうなるのか?」という過程にも目を向ける習慣が身につくことで、自分のことを考え成長させる気持ちを持ってほしいと思います。

河野先生 せっかく私立校に通うのですから、1を聞いて10を知るような大人になってほしいと思います。自分でどんどん動いて、プラスアルファの行動ができる人になってほしいと、心から願っています。

綾部先生 英語を使うためには言語のスキルだけではなく、相手の文化や背景、社会を知らないと上手くコミュニケーションがとれません。英語を入り口にすることで、世界や相手に向き合えるような、広い視野を持って考えられる人になってほしいですね。

狭山ヶ丘中学校について語る3人の先生
生徒の話しになると楽しそうに話す先生たち

編集後記

生徒たちの自主性を重んじ、自分から学び行動できるような指導を行う狭山ヶ丘。そこで指導を行う先生たちも、生徒のその後の人生にも想いを馳せた指導が行われています。本気で生徒の希望や意思に向き合い支えている、先生方の温かな気持ちに触れた機会となりました。

イベント紹介

イベント名 実施日時 備考
狭丘祭(文化祭) 2025年9月6日(土) 11:00~15:00
最終入場14:30

2025年9月7日(日)
9:30~15:00
最終入場14:00
9月7日(日)は、付属中学校第4回学校見学説明会を同時開催
【付属中学校】第4回学校見学説明会 2025年9月7日(日) 10:00~11:00  
【付属中学校】第5回学校見学説明会 2025年10月4日(土) 10:00~12:00