
DHLAの多様な学びが視野を広げる
Double Helixとは、二重螺旋のことで、螺旋の一つが基礎知識、もう一つが高次の思考力を指します。DHLAは、さまざまな分野のエキスパートである6名のネイティブ講師から基礎知識を学び、高次の思考に結びつける練習をするプログラムです。7校(巣鴨・市川学園・鷗友学園・駒場東邦・城北・洗足学園・南山女子)の生徒が5つのレッスングループと、6つのホームグループにランダムに振り分けられ、5日間ともに学びます。
DHを発案した岡田英雅先生に、お話をうかがいます。

DHLAの講義内容と各講師の専門分野について教えてください。
岡田先生
DHLAを包括するテーマである「Our Future with AI(AIと我々の未来)」に沿って、各講師の専門分野にAIを絡めた話もしながら、生徒同士の議論も含めて講義を進めます。多様な学問に触れ、受験のためだけではない学びも得てほしいと考えています。
一つひとつの講座同士のつながりも見出だせるような内容にすることで、生徒は普段の学校の授業も実は全てつながっていることに気づき、多方面に興味が湧いてくるはずです。
講師紹介
チャーリー先生(専門分野:異文化交流)

ロンドンのUCLでスペイン語と美術史の学士号を取得し、ケンブリッジ大学でラテンアメリカ研究の博士号を取得。スペイン語・フランス語・英語の教師として5年以上、3カ国で勤務。イートンサマースクールのグループリーダーも務める。
マット先生(専門分野:物理)

オックスフォード大学で博士号を取得。そこで3年間さらに物理学を研究し、その後アメリカで5年間、フロリダ大学・ライス大学で研究職を務める。2008年以降、イギリスの名門ハロウスクールで物理学を教えている。
エリッサ先生(専門分野:生物)

マドリード自治大学で生物学を学び、優等学位・博士号を取得。マサチューセッツ総合病院をはじめとする名門機関で、再生と老化の研究を行い、マドリード自治大学で細胞生物学を教えている。
アレックス先生(専門分野:ストーリーテリング)

ロンドン出身の脚本家。ケンブリッジ大学で古典学を学び、首席で博士号を取得。2023年に長編映画デビュー作「The Lesson」が公開されると、ニューヨーク・タイムズの批評家選出作品に選ばれ、複数の映画賞を受賞。
ジョン先生(専門分野:心臓移植)

ケンブリッジ大学で医師として訓練を受け、現在はオックスフォードで研究者兼医師として働く。心臓移植に関する知識と情熱の共有、発展を目指している。ケンブリッジ大学の面接官としての経験を持つ。
サム先生(専門分野:統計学)

ダラム大学で統計学の研究と教育を行っている。統計とコンピューターを用いて、コロナの蔓延や火山活動、高齢者の転倒骨折リスク、作物の持続可能な成長など、さまざまな事柄をモデル化し、意思決定の支援に取り組む。
講義とは別に設けられている「Motivation Curve」は、どのような時間ですか。
岡田先生 講師が自身の人生について語る時間で、主なテーマは「うまくいかなかったときに、そこからどのように抜け出したのか」です。生徒たちは輝かしい経歴の講師に対して、成功し続けてきたのだろうと思っています。しかし、実は成功している人ほど多くの失敗を経験していて、それを乗り越えることで強くなっていると、生徒に理解してもらいたいのです。

DHLAの5日間で生徒にはどのような変化が見られますか。
岡田先生
物事をより深く考えられるようになり、失敗を恐れず、新たな物事に対する積極性が向上し、基礎的な勉強の大切さにも気づきます。最終日には次々と質問が出てきて、時間制限を設けないと終わらないほどです。
「失敗しても大丈夫だ」という環境と安心感があれば、子どもたちは自ら伸びていきます。さらにDHLAは他校と合同で行うため、普段の学校生活では出会えない人たちとの交流が生まれ、お互いに良い刺激を受けていると思います。
今後の展望とメッセージをお願いします。
岡田先生 DHの輪がさらに広がり、より多くの生徒、そしてより多くの講師の先生方が参加するプログラムに成長していってほしいと考えています。DHシリーズには、いつもの教室では出会えない生徒や仲間が待っています。文化の異なるさまざまな人たちと、英語をツールに5日間過ごすことで、視野が大きく広がり、自身の可能性を実感してほしいと思っています。
後輩にDHの素晴らしさを伝えたい!
今年度よりアシスタント制度が導入されたDH。イギリスの大学に進学した巣鴨の卒業生をはじめ、数名のDH経験者がアシスタントとして参加していたので、お話をうかがいます。
アシスタントとして参加した理由を教えてください。
卒業生 学生時代からお世話になっている岡田先生に声をかけていただき、参加しました。私は高校1年生のときにDHに参加しましたが、講師の方々は優しく、生徒の意見をとにかく肯定してくれます。5日間で他校の生徒との仲が深まり、人に優しくなれますし、知識をもとに深く思考するという教育方針も非常に魅力的なプログラムだと思います。

参加した生徒たちの様子はいかがでしたか。
卒業生 初日は、静かで会話が少ない様子でした。他校の生徒がいて、分からないことばかりで、緊張していたのでしょう。しかし5日間で、他校の生徒と協力しながら堂々と発表できるようになり、声もハキハキと大きくなりました。参加者のときはもちろん、アシスタントとして生徒の成長を見ることも非常に楽しいです。DHは、アシスタント同士のつながりが生まれるきっかけになることも素晴らしいと思いますし、より多くの学校に広まると嬉しいです。
最終日レポート!DHLA学びの集大成
2025年7月20日〜24日に行われたDHLA。最終日には4日間の講義を経て感じたことや、気づき、そこから導いた考えをポスターにまとめ、学びの集大成としてグループごとに発表します。
生徒同士は活発にコミュニケーションを取り、講師にも積極的に話しかけていました。DHLAで失敗や挑戦を恐れないことの大切さや、学ぶことの楽しさを会得した様子です。
5日間の挑戦と学び
DHLAで学びを深めた生徒に、5日間を振り返っていただきます。
A.H.さん Motivation Curveの時間に、人生において苦難はつきものであり、それに対してどのように対処するのかが、とても大事であるということを学びました。また英語を使って積極的にディスカッションする仲間たちと過ごして、英語をもっと学びたいと感じました。英語が話せると海外でも仕事ができるようになるので、将来の選択肢を増やすためにも英語の勉強を頑張ろうと思いました。
Y.I.さん 他校と合同のDHLAで、巣鴨の学校生活だけでは手に入らない価値観や、新たな考え方を得ることができました。もっと自分の意見を積極的に発言するべきだと感じたと同時に、これからは固定概念を取り払い、新しい価値観をどんどん取り入れたいと思いました。
I.Y.さん 世界の最前線で活躍されている先生方のモチベーションの保ち方や過去の挫折、そこからの立ち上がり方などを聞き、失敗を恐れずにいろんなことにチャレンジしてみたいと思うようになりました。また、一見つながりがなさそうな教科でも、考え方が重なる部分があると気づき、物事をさまざまな角度から見られるようになりました。未知の分野にも興味が湧き、もっと学びたいと思うようになりました。
K.K.さん 専門的なことを学べると思って参加を決めました。生物の授業では、ちょうど学校で学んだ範囲を英語で学ぶことができ、とても面白かったです。他校のレベルの高さには圧倒され、自分はまだまだ単語を習得する必要があると感じました。この経験を糧に、これからの生活ではさらにレベルの高いことに挑戦していきたいです。
M.G.さん 他校の生徒の英語力、プレゼンテーション能力に刺激を受け、自分もそのレベルまで到達したいと感じました。このプログラムを通じて医学系のものに特に興味が湧き、これからは日常にある物事に対して「これは英語で何て言うのだろう?」と疑問を持つ姿勢を大切にしていきたいです。

編集後記
DHは、その理念や各学校の先生たちの思いに共感した講師が集まり、実現しています。学びの創造と生徒の成長に対する熱意があるからこそ、講師や学校間と深い連携が取れ、ほかとは一線を画すプログラムになっているのだと感じました。
安心して失敗と挑戦ができる環境で、多様な学びや他校生とのコミュニケーション、考え方の変化を得られる5日間を、ぜひ体験してください。
イベント情報
| イベント名 | 日時 |
|---|---|
| 第5回中学校説明会 | 2025年12月6日(土)10:00~ |











