
英語力よりも人間力!巣鴨ならではの国際教育
巣鴨の国際教育やイギリス留学「Sugamo Beyond Borders(以下、SBB)」について、SBBの企画者である岡田先生にお話をうかがいます。

巣鴨の国際教育について教えてください。
岡田先生
巣鴨の国際教育は、世界のどこに行っても活躍できる能力「思いやり・気遣い・忍耐力・教養・学力」を育てることを大切にしています。もちろん英語力も必要ですが、これからの時代はAIの翻訳レベルも向上していきますから、人柄や人間力がより大事になってくるでしょう。
巣鴨の国際教育プログラムは、いずれも「人」に焦点を当て、人柄や人間性に優れた方を講師として招いています。人生のロールモデルとなるような人と触れ合う経験ができる点は、巣鴨の国際教育の大きな魅力だといえます。
SBBは岡田先生が企画されたとうかがいました。
岡田先生
生徒のための理想的なプログラムを作りたいという思いから、3名のイギリス人教員とSBBを作りました。この3名はイギリスの名門・イートン校の元教員と現役教員に加え、イートン校の卒業生かつ現在はウェリントンカレッジで地理を教えている、研修旅行企画のプロフェッショナルです。
SBBにも参加し、立ち寄った各場所での講義を担当いただいています。
SBBの概要を教えてください。
岡田先生
SBBは全日程において、屋外で体験学習を行うプログラムです。さまざまな場所に足を運び、体験と勉強を同時に進めます。
テーマとしては「冒険」「自立」「国造り」の3つを掲げています。電車の遅延や天候不良のようなマイナスに思える部分も、現地の文化としてそのまま体験することが冒険です。アクシデントを含め、旅そのものを楽しむ感性も育てます。そして自立を促すために、生徒たちがスーパーで食材を買い、みんなで食事を作ります。現地での買い物で、お金の支払い方や物価を肌で感じることが重要です。帰国後には、現地で学んだ知識をもとにこれからの日本をどのように良い国にしていくかを考えてもらいます。

現地の体験学習ではどのような学びが得られるのでしょう。
岡田先生
イギリスの街や建築の成り立ちを歴史的背景とともに教員が解説し、日本の文化や歴史への興味にもつなげます。例えば大聖堂で学ぶことで、宗教の違いがもたらす思考の差異や、社会と宗教の関係について学ぶことができます。
ロンドンの移民が多いエリアでは「なぜ多国籍な飲食店が立ち並ぶのか」と問います。日本食が恋しくなる頃合いの生徒は、母国の料理を求める移民の気持ちが分かるでしょう。そして料理の好みが変わらないのと同じように、思想や思考が簡単に変わるはずがなく、異国の地で文化の衝突が起こるのは当然であることも伝えます。
多様性や国際性に関して、物事の背景を理解する大切さを知り、実体験から新たな視点を生み出せるように、訪れる場所や順番を緻密にプログラムしています。
SBBでの学びと岡田先生の想い
高校1年生のS.Y.さんとK.U.さんも交えて、SBBの内容や学びについてうかがいました。


SBBへの参加にあたって、どのような準備を行いましたか?
S.Y.さん イギリスで訪れる場所の歴史について、事前に調べました。SBBの事前学習では、家の周りを歩いて感じたことを英語で話し、それを撮影して提出するという課題もありました。
事前学習はどのような内容だったのでしょう。
岡田先生 訪れる場所に加えて、オンラインでイギリスの歴史や問題を学びました。現地では街や建築物を観察し、そこで感じたことを発表する機会を多く設ける予定でしたので、物の見方とアウトプットの練習として動画提出の課題を出しています。
現地での発表の時間は、どのような様子でしたか?
K.U.さん 1日の終わりにグループで集まり「今日は何を見てどう感じたのか」「どこに注目したのか」「昨日とは何が違うか」と1名ずつ発表しました。
S.Y.さん 各生徒が事前学習の段階で、侵略・宗教などのテーマを決めているのですが、自分と異なるテーマを持つ仲間の発表から、さまざまな視点と考え方を学べて面白かったです。
岡田先生 自分で考えて意見を言うということは、社会に出たら必ず求められることです。それを、間違えても良い環境で練習し、慣れていくことに意味があると考えています。
イギリスでの印象深い思い出を教えてください。
K.U.さん はじめは緊張もあり、なかなか現地の人に英語で話しかけられませんでしたが、次第に自分から話しかけられるようになりました。仲間との意見交換や自由時間を通して、交流が深まったことも良い思い出です。
S.Y.さん 生徒だけでレストランに入り、食事をしたことが印象に残っています。「グループ全員分の席が空いているのか」「このメニューはいくらなのか」など、頑張って店員さんに英語で話しかけました。
岡田先生 コミュニケーションを取ることに重きを置きたかったので、自分たちでレストランにも入りなさいと伝えていました。現地のレストランにはさまざまな国の人がいるので、イギリスの多様性を感じてほしいという気持ちもありました。
SBBに参加して、どのような成長を感じましたか?
S.Y.さん 苦手な早起きができるようになりました。留学中は朝ご飯も自分たちで作りますし移動もあるので、逆算して計画的に行動する習慣が身についたと思います。
K.U.さん ご飯を自分たちで作ったことで、料理の大変さや協力することの大切さに気づくことができました。帰国後はグループ活動などさまざまな場面で、以前より協力的になれていると思います。英語のリスニング力とコミュニケーション能力にも成長を感じています。
SBBを経て、自分の中で変化したことはありますか?
K.U.さん 英語学習へのモチベーションが上がりました。将来は海の生物を研究したいと考えていますが、海外で研究するという選択肢も増えました。
S.Y.さん イギリスの文化や価値観に触れ、仲間と意見交換した経験から、物事を多角的に見られるようになりました。将来は理工学を学びたいと考えていて、より優れたスキルを身につけるために、海外に渡ることも視野に入れるようになりました。


受験生に伝えたい国際教育の可能性
今後の展望を教えてください。
岡田先生 イギリス以外の国でも、生徒の学びを深めていきたいという思いがあります。国際的な視野を持つ教育者と協力しながら、世界中で必要とされる素養を身につけられるプログラムを考え続けていきます。
受験生に向けたメッセージをお願いします。
岡田先生 夢を叶えるためではなく「夢を見る力をつけるため」に巣鴨に入学してほしいです。そして「世界のどこに行っても必要とされ、活躍できる能力を身につける」ということを体験したい人は、ぜひ巣鴨で挑戦していただきたいです。
編集後記
SBBの緻密なプログラムからは、より良い将来につながるための体験をしてもらいたいという、岡田先生の熱い想いが伝わります。
巣鴨は人間性を育てる国際教育によって、英語が苦手でも世界トップレベルの大学に進学できる可能性がある学校です。巣鴨での経験は、どのような道に進んでも豊かな人生を送るための基盤となるでしょう。
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