“しなやかな思考”を育む!新プログラム「GCP」始動

東京家政大学附属女子中学校・高等学校
東京家政大学附属女子中学校・高等学校(以下、東京家政大附属女子)では、2025年度から新プログラム「GCP(グローバル・コンピテンス・プログラム)」をスタートしました。これは単なる英語力向上を目指すものではなく、予測困難な社会で必要となる資質・能力を育むプログラムです。GCPがもたらす学びの本質と成果についてうかがいました。

これからの時代を生き抜く!新プログラム「GCP」に込めた想い

GCP導入の背景や目指す生徒の姿について、国際教育支援部部長の岩川直子先生(英語科)にお話をうかがいました。

GCPとは、どのようなプログラムなのでしょうか。

岩川先生 GCPは、OECD(経済協力開発機構)の提唱する枠組みにもとづいて開発されたプログラムで、急速に変化する社会のなかで「前例や答えのない課題を解決する力の育成」をコンセプトとしています。授業は中学全学年で週に1回、ネイティブ講師が全て英語で行う形です。そのなかで、自分という存在について深く見つめ、多様な価値観を持つ他者を尊重し、認め合う方法を学んでいきます。

導入の背景と育てたい力についてお聞かせください。

岩川先生 目まぐるしいスピードで世界が変化し、これまでの価値観や前例が通用しない時代です。これから社会に出ていく生徒たちは、多様な背景を持つ人々と尊重し合いながら協働していく必要に迫られます。GCPを通して、自分自身の価値を認め、その上で自分にはない強みを持つ他者と協力して課題を乗り越えていける、そんな「しなやかな思考」と実践力を育成したいと考えています。

GCPの授業風景
英語でのコミュニケーションを楽しみながら、思考を深めていきます

GCPは探究学習とどのように関わりますか。

岩川先生 GCPで養う自己・他者理解は、探究の本質的な問いとなる課題設定に直結します。また、多様なアプローチをグループで模索したり、困難なことに対しての解決策を考えたりすることは探究学習そのものであり、GCPは探究をより深めるための土台となる学びです。

1学期の実践から見えた成果

1学期を終えて、印象に残ったGCPの授業や生徒たちの反応について教えてください。

岩川先生 自身の心構え(マインドセット)を分析する活動が印象的でした。“Be positive”や“Be kind”といった項目で自己分析したところ、あるクラスでは「“Be kind”(親切にする)」が得意な一方、「“Be unique”(人と同じではないこと)」を苦手とする生徒が最も多く、本校の生徒らしさと課題が表れました。生徒たちも納得した様子で、この授業を機に「人と違っても良い」と意識するようになったと感じます。

授業を進める上で、特に工夫した点はありますか。

岩川先生 他者の意見を否定せず、それぞれの「違い」を楽しめるようにしました。これは特にネイティブ講師が意識している部分です。

生徒たちの成長を感じた場面はありましたか。

岩川先生 誰のどんな意見を聞いても、前向きな相槌が打てるようになった点です。もともと優しい生徒が多いのですが、自分と違う意見をありのまま認める意識が、さらにポジティブな態度につながっていると感じます。

GCPの授業風景
生徒たちはのびのびと自分を表現します

授業についていくのが難しい生徒へのサポートについて教えてください。

岩川先生 哲学的なテーマも多く、英語での表現に苦労する生徒もいます。しかし重要なのは表現しようとする意欲なので、日本語を使っても良いことにしています。

今後のGCPの展望について教えてください。

岩川先生 「自己理解」「他者理解」から、これからは「社会」へと視野を広げ展開していきます。自分たちを取り巻く世界に対してどのような視点を持っているのか、またそれをどうやって深めていくのか。GCPを通して、自らの生き方に誇りを持ち、しなやかな思考で未来を創造する女性へと成長できるよう、可能性を広げるサポートをしていきたいです。

生徒たちが語るGCPで広がる世界

実際にGCPの授業を受けている生徒たちは、何を感じ、どんな学びを得ているのでしょうか。中学3年生のM.Y.さんとC.A.さんにお話をうかがいました。

先生と生徒2人
向かって左から岩川先生、中央がC.A.さん、右がM.Y.さん

GCPで印象に残っている活動を教えてください。

M.Y.さん 自分にとって大切にしたい心構えをグループのメンバーと共有し、それを一つのエンブレムにまとめる活動が印象に残っています。

GCPエンブレム作成
グループ全員の意見を取り入れてエンブレムを作りました

C.A.さん 自分の思い出を4コマ漫画のように描いて、グループの友達とクイズ形式で共有したのが楽しかったです。普段話さないようなことも、より知れる良い機会になりました。

反対に、大変だったことや難しかったことはありましたか。

M.Y.さん 一つの問題に対して、たくさんの答えを出すことが難しかったです。

C.A.さん ある問いに対して、答えをどんどん深掘りしていくことに難しさを感じました。もっと視野を広げて物事を考えられるようになりたいです。

GCPを通して、ご自身が成長したと感じる点について教えてください。

M.Y.さん 同じ問題でも、人によって考え方や捉え方が違うことを実感しました。自分を見つめ直し、これからどこを頑張れば良いのかを再確認できたことも成長だと思います。

C.A.さん 普段あまり意識しない「自分自身」について、深く知ることができたと思います。
心構えの授業で“Be positive”や“Try new things”など、自分がいかに苦手なことが多いかに気づかされました。でも、それに気づけたからこそ「これができたら、もっと積極的に物事に取り組めるはずだ」と、前向きに考えることができたのも成長の一つです。

GCPの授業風景
GCPでは互いの意見を尊重し合う姿勢が自然と身につきます

挑戦してみたいと思うことがあれば教えてください。

M.Y.さん もっと多くの人と交流して、グループでの課題にも積極的に取り組みたいです。

C.A.さん 世界の文化についてもっと知りたいです。日本と比べたときの共通点や、その文化にしかない魅力は何かなど、興味がたくさんあります。

GCPでの学びを、これからどう活かしたいですか。

M.Y.さん 自分の考えを伝え、相手の意見を尊重するコミュニケーションの大切さを学びました。これからは授業だけでなく、さまざまな場面でこの経験を活かしていきたいです。将来の夢は薬剤師になることなので、多くの人と関わる仕事のなかで役立てられたらと思います。

C.A.さん 私も、他者と考えを共有する大切さを学びました。ことわざにもあるように「三人寄れば文殊の知恵」を、これから社会に出て、たくさんの人と関わるときにも胸に刻んでいきたいです。
私の夢は獣医師になることなので、GCPで身につけた広い視野を活かせたらいいなと思っています。

最後に、受験生に向けてメッセージをお願いします。

M.Y.さん GCPは、普段の英語の授業とは異なる力を身に付けられ、楽しく学べます。ぜひGCPで新たな自分を見つけましょう。東京家政大附属女子で待っています。

C.A.さん GCPは、普通の英語の授業とは違う「考える力」を育てられるプログラムだと思います。GCPだけでなく、いろんな英語のプログラムに挑戦できるのも、東京家政大附属女子の強みです。広々とした自然に囲まれたこの学校で、ぜひ一緒に学びましょう。待っています。

GCP「My Memory」
「My Memory」について発表し合いました

編集後記

GCPによって生徒たちが自分自身と向き合い、多様性を受け入れながら成長する姿が印象的でした。「人と違っても良い」という安心感が失敗を恐れない挑戦を促し、可能性を広げていきます。GCPで育まれる「しなやかな思考」は、まさにこれからのグローバル社会を生き抜くための土台となるでしょう。興味のある方は、ぜひ一度説明会に足を運んでみてください。

イベント情報

※詳細・お申し込み・下記以外の入試イベントは公式サイトよりご確認ください。

イベント名 実施日 備考
ミニ学校説明会 2025年9月20日(土) 10:00~ 小3~6対象
少人数で行われる見学・説明会
第3回学校説明会 2025年10月4日(土) 14:00~ 小3~6対象
学校説明・施設見学・スクールランチ体験(事前予約)
緑苑祭 (文化祭) 2025年10月25日(土)・26日(日) 10:00〜16:00 一般公開 ※入試相談室を開室
入試対策講座 2025年11月8日(土) 14:00~ 小5・6対象
教科別の入試対策
ミニ学校説明会 2025年11月15日(土) 10:00~ 小3~6対象
少人数で行われる見学・説明会
入試体験会 2025年11月30日(日) 10:00~ 小6対象
入試別の体験会
入試体験会 2025年12月21日(日) 10:00~ 小6対象
入試別の体験会
個別学習相談会 2025年12月26日(金)・27日(土)・28日(日) 9:30~15:00 小6対象
個別の相談会 ※時間予約制
入試対策説明会 2026年1月7日(水) 10:00~ 小6対象
入試直前アドバイス・施設(試験会場)見学