
今までの城西とはここが違う!高校に新クラスが新設された背景
ACクラスについて釜付祐也先生に解説いただきました。
釜付祐也先生

理数探究の主担当教諭(専門:生物)として、各種の探究プログラムの運営に関わる。
1918年(大正7年)の創立以来、本校は生徒の個性を尊重する教育や「本物志向」の学びに力を入れてきました。その姿勢をさらにパワーアップさせて2024年度に誕生したのが、「アカデミック&クリエイティブクラス」(通称:ACクラス)です。
アカデミック領域では、成績ではなく生徒一人ひとりの進路希望に合わせたクラス編成や学習サポートを実施。またクリエイティブ領域では、実際の現場を見る、自分が体験するといった体験型学習を重視しています。「本物に触れる」という経験は、インプット(=基礎学力)を土台として、アウトプットする機会を多く設けるということでもあります。インプットにとどまらず、アウトプットして実社会や人びとを動かす実践力や積極性をもった人に育つこと。それが「本物志向」の学びが目指しているものなのです。


「ACクラス」が意味する2つの学習領域
アカデミック領域
「成績でクラスを分けない」という伝統のもと、高校2年次に文系・理系に分かれ、3年次には志望学部・系統別でクラスを編成。その上で国公立・私立の難関大学合格を目指し、一人ひとりの進路希望に応じてサポートします。専門講師陣による放課後講座など、学習支援プログラムを充実させています。また生徒と教員の距離が近く、志望理由書の添削指導は担任教諭と出願指導担当教諭の2名体制で実施。近年は国公立大学の他、早稲田大学やGMARCHをはじめとする難関私立大学の総合型選抜入試でも合格実績を残しています。
クリエイティブ領域
高校1年生全員参加の探究学習「BEYOND」では、社会課題について関係者に話を聞きながら考えを深めます。また「実社会で本物に触れる」という学びを大切にしていることから、キャリア教育特別講座「αゼミ」では、商品開発などを経験。実体験はより強く記憶に残るため、生徒自身のインプットとアウトプットの機会も多く設けています。また理数探究の授業では、薬剤師志望の生徒の探究に城西大学薬学部の研究室が協力したり、夏休みには大学の研究室体験へ参加したりと、高大連携も進んでいます。
こういった豊富な探究プログラムは、生徒の進路選択にもつながっています。さまざまなテーマと出会うことで、将来の目標はよりいっそう確かなものになっていきます。そして探究活動を通じて培われる課題解決力は、難関大学の総合型選抜入試の突破にもつながります。


ACクラスで学ぶ生徒にインタビュー!
高校1年生と2年生の生徒にACクラスの学びについてうかがいました。
K.T.さん(高校1年生)

所属しているクラブ:ギター部
城西に入学した理由:中学時代の部活動の先輩が城西に通っていたため、城西高校を併願で受験した
希望者対象(高1~高3)のαゼミにも挑戦中
H.I.さん(高校2年生)

所属しているクラブ:文芸部/科学部
城西に入学した理由:仲の良い知り合いが城西出身で勧められたことと、オープンスクールで出会った在校生がみな優しい雰囲気だったことが入学の決め手に
印象に残っている授業を教えてください。
K.T.さん 「BEYOND」では、学校内のジェンダー平等について探究しました。世界で活躍するジャーナリストを講師に迎え、実際に校内の女性の先生にもインタビューし、人から直接意見を聞くことの重要性を学びました。インターネットや教科書だけでは得られない生きた学びがありました。
H.I.さん ホームステイでは、英語をたくさん話すことができました。ハワイの高校生は年齢や学年がバラバラでも対等に話していて、上下関係がはっきりした日本との違いに驚いたのを覚えています。その一方で伝統的な養魚場を守る研究施設では、現代の技術を融合させながら伝統を守ろうとする方々の姿を目の当たりにしました。「失敗を繰り返して科学や社会は進歩する」という真理は、海を越えても同じでした。
生徒の目指す将来像とは?
ACクラスで学んだことで、将来の目標にも影響はありましたか。
K.T.さん 私は生物が得意なので、現在は理系の進路を希望しています。ですが大きな目標は、持続可能な社会の実現に貢献することです。そのためには将来世界に飛び出し、国際機関などで働くのも面白そうだと考えています。これからの学校生活で、進路を固めていきたいです。
H.I.さん まだはっきりとは決まっていませんが、理学部に進学して高校の生物教員になることを目指しています。そこでは、生徒の可能性を広げられるような先生になりたいです。
城西を志望する受験生にメッセージをお願いします。
K.T.さん 中学生の皆さんが今勉強していることは、思わぬところで役に立つはずです。「やらされる勉強」ではなく、「自分の意思を持った勉強」を続けてみてください! でも困ったときには、周りの大人や家族を頼ることも大事ですよ。
H.I.さん 高校受験は大変な時期ですが、自分を信じて頑張ってください。城西の学校生活では修学旅行をはじめ、楽しい経験や貴重な経験がたくさんできます。机の上の勉強だけではないさまざまな経験を通して、間違いなく成長できる環境です!
中学時代から推し進める体験重視・本物主義の教育
ACクラスの授業は中学3年間でしっかりと基礎学力を身につけたことで、さらに深めることができます。釜付先生に中学での学びについてもうかがいました。
中学校ではどのような授業が行われていますか。
釜付先生 私の担当である理科では、中学3年間で合計100種類ほどの実験を行います。こうした体験型の授業、教科書に収まらない授業展開で、基礎的な科学の知識を身につけるのです。また理化学研究所や日本科学未来館を見学する理科校外学習では、最先端を知ることで多くの生徒が科学に興味関心を抱いています。さらに中3では約半年かけて課題研究を実施。探究テーマを自分で設定し、3学期には一人ひとりプレゼンを行います。プレゼンテーションや探究学習の経験を多く積んだ城西中学からの内進生は、非常に高い「プレゼン力」や「人を動かす力」を誇っています。
生徒の成長に期待することはなんでしょうか。
釜付先生 「こんなことがしたい、こんな人になりたい」という思いを持ったとき、思うだけでなく、行動に移すことができる人へと成長してほしいと考えています。何事も行動に移すのは難しいものです。本校で力を入れる探究学習も、全てが順調に進むわけではありません。しかしそういった試行錯誤を繰り返してこそ、分からないことや困難に直面したとき、自分の力でクリアできる人になれます。中学・高校での学びは、その練習の時間なのです。受験勉強でインプットしたことも、きっと入学後の探究学習につながります。いろいろな経験ができる環境が整った城西で待っています!
編集後記
一つの答えを正解だと信じこむのではなく、自分で考えを深め、自分なりの答えを見つける。そういった思考力が磨かれ、生徒一人ひとりが自分の道を進むことができるのは「成績ではなく希望の進路でクラスを分ける」「本物の体験・探究を通して学ぶ」といった校風があるからこそだと感じました。高校・大学受験のその先に、豊かな人生を歩みたい。そう考える人にぜひおすすめしたい学校です。