
東邦大学看護学部との連携で広がる進路選択
女子聖と東邦大学看護学部が高大連携を実現した経緯や、具体的な取り組みについてうかがいます。
小宮佑介先生プロフィール

役職:進路指導部および高大連携委員会
担当教科:地歴・公民科
東邦大学看護学部と高大連携に至った背景を教えてください。
小宮先生
本校生徒の約2~3割が理系で、毎年10~15名が医療看護系の学部に進学しています。その中でも、東邦大学看護学部は本校から多くの卒業生が進学しており結びつきの強い貴重な進学先です。
今回の連携は、いくつかの要因が重なり実現しました。まず同大から指定校推薦枠を2枠いただいていることに加え、本校の建学の精神である「人に仕える」という理念と、同大看護学部の教育方針が深く共鳴している点が挙げられます。さらに生徒と教員の距離が近く、面倒見の良い指導体制が整っている点も両校に共通していました。また附属病院が隣接しているため、看護職を目指す生徒にとって設備や環境が整っていることも、大きな要因となりました。
「女子聖の生徒は入学後も努力を重ね、活躍している」という評価もいただいており、こうした信頼関係が今回の連携につながっています。

これまでにどのような取り組みが行われていますか。
小宮先生
本校内で、同大看護学部の部長による単独説明会を年2~3回開催し、生徒と保護者に最新の情報を提供しています。学部の特色や入試情報を直接聞くことで、進学への理解を深める機会となっています。また大森キャンパスでの看護体験や、サテライトキャンパスでの実習「地域医療について考える」も年に複数回行われ、実際の医療現場を意識した学びを体験できます。その他、大学の学生や教員との交流、探究活動への助言・指導も随時実施しており、学びや看護職の実態について、より具体的にイメージできるようになっています。
今後も、生徒にとってより充実した学びの機会を提供していく予定です。
高大連携に期待することを教えてください。
小宮先生
生徒や保護者が「看護学」を進路の選択肢として、早い段階で検討できるようになります。生徒の学習意欲や進路意識の向上にもつながるでしょう。
また、実際の医療現場に触れることで、教室では学べない知識や経験を得られるのも大きな魅力です。医療・看護を通じて、社会課題を意識するきっかけにもなります。さらに中高生がどのような視点で進路を考え、どのような関心を持っているのかを知ることで、大学側も中等教育と高等教育の結びつきを強めることができます。これにより、双方が連携しながら、社会に貢献できる教育のあり方を模索する機会にもなるでしょう。
形式的な連携ではなく、意義深い内容を展開し、社会へ目を向ける生徒や学生が増えることを期待しています。
未来につながる!女子聖の高大連携プログラム
女子聖では東邦大学看護学部以外にも、東京女子大学や芝浦工業大学との高大連携を進めており、生徒の進路選択を支援しています。
東京女子大学や芝浦工業大学との取り組みについて教えてください。
小宮先生
東京女子大学とは連携協定を締結しています。校内での大学説明会には、多くの生徒・保護者の参加がありました。模擬講義を本校で実施したり、校外学習の一環として大学の研究室を訪問したりと、さまざまな学びを体験しています。
芝浦工業大学は高大連携校として、サマー・インターンシップが行われます。生徒は夏休みの1週間、大学の研究室で学び、興味のある研究テーマに取り組みます。大学の先生や学生との交流を深めながら、最後に学びの成果をプレゼンテーションし共有します。

女子聖が高大連携を推進する理由を教えてください。
小宮先生
高大連携を積極的に進める理由は二つあります。
一つ目は専門性の高い大学との連携を通じて、本校の生徒や保護者、教師が学問への関心を深められることです。日常生活や学校生活で、進路選択をより充実させる環境を整えることができます。二つ目は社会貢献の視点です。生徒が社会や職業、学問をより前向きに捉え、よりよい社会を築く姿勢を育むことができます。
高大連携は双方にとって得るものが大きく、教育の充実度をさらに高める取り組みとして推進しています。
高大連携を通じて、生徒たちの学びや進路意識にどのような変化が見られますか。
小宮先生
多くの生徒が学びへの興味を深めていると思います。
東邦大学看護学部の校内説明会では、同大看護学部を志望する生徒だけでなく、中学生も先生に積極的に質問をしに行く姿が見られました。中学生の早い段階で進路に関心を持てると、日々の授業にも身が入ることでしょう。
芝浦工業大学のサマー・インターンシップでは、理工系学部への進学をさらに意識し、より進路選択の幅を広げられるようになりました。校内での説明会には、中学生とその保護者を含む60組ほどの参加があり、女子の理工学への関心の高さを知る機会にもなりました。
「受験」はゴールではない!高大連携プログラムの意義とは
女子聖を目指す受験生へメッセージをお願いします。
小宮先生 小学生の皆さんにとって中学受験突破は大きな目標ですが、それがゴールではありません。女子聖に入学してからも同じです。大学受験をゴールにするのではなく、その先にある「自分がやりたいこと」「自分がなりたいもの」そして「自分が社会に出ていく上でどうありたいか」をじっくり考える機会を持つことができます。高大連携プログラムは、未来への一歩を踏み出すための大切なきっかけです。さまざまな分野の学びを実際に体験することで新しい興味や目標が生まれ「これを極めたい」「チャレンジしてみたい」と思える瞬間に出会えるはずです。そうした経験を積み重ねながら充実した6年間を過ごしてほしいと思います。
編集後記
女子聖の高大連携プログラムは、生徒の進路選択をサポートし、将来の可能性を広げる貴重な取り組みです。特に東邦大学看護学部との連携は、医療・看護に関心のある生徒にとって、大学での学びや実習を体験し、進路を具体的に考えるきっかけになるでしょう。生徒たちが自らの夢に向かって大きく踏み出し、未来を切り拓いていくことを期待しています。
イベント情報
イベント名 | 日時 |
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Spring♪ OPEN SCHOOL ※要予約 | 3月22日(土) 10:00~ ※新5・6年生40組を対象 |